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わかさの秘密トップ > 成分情報 > 金時草

作成日 2017年03月08日
更新日 2017年03月08日

金時草

Gynura bicolor
スイゼンジナ 水前寺菜 ハンダマ 式部草

金時草は加賀野菜の一つで現在では主に金沢市で多く栽培されています。葉の裏は紫色をしており、茹でるとモロヘイヤのようにぬめりが出ます。金時草には血圧を安定させる効果や強い抗酸化力などがあり生活習慣病に効果的な野菜と言われています。

金時草の健康効果
◎生活習慣病の予防・改善効果
◎免疫力を高める効果
◎眼精疲労を改善する効果
◎精神を安定させる効果
◎骨粗しょう症を予防する効果
◎炎症を抑える効果

目次

金時草とは?

●基本情報
 金時草は加賀野菜の一つで茎は円柱形で多く枝分かれしており、葉は長細い楕円形で先が尖っています。色は葉の表が緑色をしており、裏は紫褐色をしています。夏場の野菜で茹でるとぬめりが出るます。また、金時草の名前の由来は、色が金時豆や金時いもに似ていることから金時草と書くようになり、後にキンジソウと読むようになったといわれています。

●金時草の歴史
 金時草はキク科ギヌラ属の多年草[※1]でインドネシア原産です。日本には18世紀に中国から伝わりました。その後九州の熊本市で古くから栽培されていたので水前寺菜とも言われるようになったそうです。金時草は1775年に現在の石川県で栽培されていたという記録が農学者である村松標左衛門によって書かれた『農業開志』に記載されています。それから金時草が商品として栽培されるようになったのは昭和初期のころです。現在日本で流通しているほとんどの金時草は、石川県金沢市で栽培されたものです。

●金時草の過剰症・欠乏症
 現在のところ金時草自体の過剰症や欠乏症は報告されていません。しかし金時草に多く含まれているβ-カロテンを過剰に摂取すると手のひらなどが黄色く変色する柑皮症という症状が表れます。これはカロテノイドを豊富に摂取した際に表れる症状で、これは摂取するのをやめるとすぐにおさまる症状なので、継続して大量に摂取しない限り症状自体に大きな問題はないといわれています。

●おいしい金時草とその料理法
 金時草は主に葉を食べる野菜なので、葉の色が鮮やかで艶があり、葉の裏の紫色が濃く、アントシアニンを豊富に含んでいるものを選びましょう。そして大きい葉がたくさんついていて茎の根本を持った時にうなだれてしまう金時草は新鮮さが足りないので避けましょう。
 金時草は白菜などのほかの葉野菜と同じように湿った新聞紙などにくるみビニール袋などに入れて乾燥から守ることが大切です。また、植物は寝かせておくと、上に伸びようとする性質があり、寝かせて保存すると上へ伸びようと無駄な養分を消耗するため、傷みも早くなります。そのため保存の際は立てておくこともポイントです。
 金時草は、和え物や御浸し、酢の物、天ぷらなどの料理に用いられます。下処理で茹でる際には、水溶性[※2]のアントシアニンが溶けだし茹で汁が鮮やかな紫色になります。ここ際に茹ですぎると風味が損なわれてしまうので短時間でさっとゆでることが重要です。

●金時草に含まれる栄養素
 金時草は古くから民間療法に用いられていた野菜で、産後、肌、目に良いといわれており女性にとってとても重要な野菜とされています。金時草には、アントシアニン、GABA(γ-アミノ酪酸)、β-カロテン、カリウムカルシウムなどが豊富に含まれ、優れた緑黄色野菜であるといわれています。

●金時草の呼び名
 金時草は主に石川県金沢市で多く栽培されており加賀野菜として認定されていますが、その他の地域でも栽培されており、地域によって呼び名が異なります。沖縄県では「ハンダマ」、熊本県では「水前寺菜」、愛知県では「式部草」と呼ばれ、いずれも伝統野菜として栽培されています。


[※1:多年草とは、茎の一部、地下茎、根などが枯れずに残り、複数年にわたって生存する草のことです。]
[※2:水溶性とは、水に溶けやすい性質のことです。]

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金時草の効果




●生活習慣病の予防・改善効果
 アントシアニン、GABA、β-カロテン、ムチンなどが含まれています。ポリフェノールの一種であるアントシアニンは強い抗酸化力[※3]を持つといわれており、金時草を茹でた際に出てくるぬめりの成分のムチンと共に血糖値[※4]を下げる働きがあるといわれています。にんじんほうれん草などの緑黄色野菜に多く含まれることが知られている、β-カロテンは、生体内では必要量に応じてビタミンAに変換されます。このビタミンAは活性酸素[※5]を抑制し、動脈硬化[※6]や心筋梗塞[※7]などの生活習慣病[※8]にも効果的な成分であると考えられます。また、GABAは血圧を安定化させる効果があると期待されています。これらのことから金時草は生活習慣病の予防や改善にとても良い食材であると考えられます。

●免疫力を高める効果
 金時草にはβ-カロテンが多く含まれています。β-カロテンはカロテノイドの一種であり、強い抗酸化力を持ち、損傷を受けた細胞を修復する効果が認められていることから抗ガン作用もあるといわれています。

●眼精疲労を改善する効果
 金時草には青紫色の天然色素のアントシアニンが豊富に含まれています。アントシアニンには視機能の改善や眼精疲労を改善するなど目に良い成分であると言われています。

●精神を安定させる効果
 金時草には精神を安定化させる効果があるといわれています。これは金時草に含まれているGABAが大きな役割を担っています。GABAはアミノ酸の一種で主に中枢神経[※9]で抑制性の神経伝達物質[※10]として働いています。そのため、興奮を抑えたり、リラックスさせる効果があると考えられています。

●骨粗しょう症[※11]を予防する効果
 金時草にはカルシウムが多く含まれています。カルシウムには、骨粗しょう症を予防する効果があるといわれています。特に加賀地方で栽培されている金時草は天候や土壌の特性からカルシウムなどの栄養成分が豊富に含まれているといわれています。

●炎症を抑える効果
金時草の抽出物には炎症などに関わる転写因子であるNF-κBの活性を抑えることが明らかになっています【1】。このことから、金時草には炎症を抑える効果があると考えられます。

[※3:抗酸化力とは、たんぱく質や脂質、DNAなどが酸素によって酸化されるのを防ぐ力です。]
[※4:血糖値とは、血液中にブドウ糖がどれくらいあるのかを示すものです。ブドウ糖が血液中にあふれてしまうと血糖値が高くなります。]
[※5:活性酸素とは、普通の酸素に比べ、著しく反応が増すことで強い酸化力を持った酸素のことです。体内で過度に発生すると、脂質やたんぱく質、DNAなどに影響し、老化などの原因になるといわれています。]
[※6:動脈硬化とは、動脈にコレステロールや脂質がたまって弾力性や柔軟性がなくなった状態のことです。血液がうまく流れなくなることで心臓や血管などの様々な病気の原因となります。]
[※7:心筋梗塞とは、心臓を養っている動脈に血栓ができることによって血管が詰まり、発生する病気です。]
[※8:生活習慣病とは、病気の発症に、日頃の生活習慣が深く関わっているとされる病気の総称です。糖尿病、脳卒中、脂質異常症、心臓病、高血圧、肥満などが挙げられます。]
[※9:中枢神経とは、脳と脊髄のことで、感覚、運動、意思、情緒、反射 呼吸など、体のあらゆることに関するコントロールしています。]
[※10:神経伝達物質とは、神経細胞の興奮や抑制を他の神経細胞に伝達する物質のことです。]
[※11:骨粗しょう症とは、骨からカルシウムが極度に減少することで、骨の内部がスカスカになった症状であり、非常に骨折しやすくなることで知られています。高齢者に多い症状で、日本では約1000万人の患者がいるといわれており、高齢者が寝たきりになる原因のひとつです。]     

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こんな方におすすめ

○免疫力を向上させたい方
○ストレスをやわらげたい方
○心を落ち着かせたい方
○イライラしやすい方
○生活習慣病を予防したい方
○血圧が高い方
○目の健康を維持したい方
○目の病気を予防したい方
○目の疲れが気になる方
○視力を維持したい

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金時草の研究情報

【1】金時草のエーテル抽出物を使い、炎症などに関わるNF-κBという転写因子への影響を細胞を用いて調査しました。結果、金時草の抽出物にはNF-κBの活性を阻害することが明らかになりました。このことはNF-κBの活性を抑えることで、それに続いて生成される物質NOやPGE2の生成を阻害することが示されました。このことから金時草には炎症を抑える効果があると考えられます。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21078136

【2】金時草の熱水抽出物を使い、HL60ヒト白血病細胞への影響を確認したところ、細胞増殖抑制効果を示した。
このことから、金時草の熱水抽出物には免疫力の向上に関わる可能性があると考えられます。
http://ci.nii.ac.jp/naid/10009481017

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参考文献

・Wu CC, Lii CK, Liu KL, Chen PY, Hsieh SL. (2013) “Antiinflammatory Activity of Gynura bicolor ( Hóng Fèng Cài) Ether Extract Through Inhibits Nuclear Factor Kappa B Activation.” J Tradit Complement Med. 2013 Jan;3(1):48-52.

・Hayashi M, Iwashita K, Katsube N, Yamaki K, Kobori M. (2002) “Kinjiso (Gynura bicolor DC.) Colored Extract Induce Apoptosis in HL60 Leukemia Cells.” 日本食品科学工学会誌 Vol. 49 (2002) No. 8 P 519-526

・鈴木 哲. 講談社. からだにやさしい旬の食材 野菜の本 2013    
        

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