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作成日 2011年11月14日
更新日 2014年05月07日

アントエキス

ant extract

アントエキスとは、アリから抽出したエキスのことです。アリは寿命も長く小さな体に大きな生命力を持つ昆虫として知られています。中国では古くから滋養強壮に良いとして用いられてきました。近年、アリの研究が進むにつれて、味覚を正常に保つなどの効果をはじめ、様々な効果が期待されています。

アントエキスの健康効果
◎滋養強壮効果
◎味覚を正常に保つ効果
◎免疫機能を調整する効果
◎肝機能を高める効果

目次

アントエキスとは

●基本情報
アントエキスとは、アリ(蟻)から抽出したエキスのことで、亜鉛をはじめとするミネラル類が豊富に含まれています。
アリは、ハチ目・スズメバチ上科・アリ科に属する昆虫で、体長は1~3cmほどの小型昆虫です。基本的にはハチと共通の特徴を持っています。体はそのほとんどが円筒形で細長く、頭部、胸部、腹部のそれぞれの間がくびれており、大きく動かすことができます。また、腹部の前方の節が細くくびれて柄のようになった「腹柄節」は昆虫でもアリだけにある器官で、狭い穴の中での生活に適応しています。
原則として産卵行動を行う少数の女王アリと、育児を行う働きアリが大きな群れをつくり暮らしています。熱帯から冷帯、砂漠や草原、森林など陸上のあらゆる地域に分布し、人家の近くにも多く生息しているため、身近な昆虫のひとつに数えられますが、世界では1万種類以上、また日本では280種類以上が存在しています。
アリは自分の体の数百倍もの重さのものを持ち上げたり、引っ張ったりすることができる強いパワーを持っています。さらに寿命も長く、小さな体に大きな生命力を持つ昆虫です。
アリは日本で食べる習慣はありませんが、アントエキスに含まれる栄養素を栄養源や疾病治療等に役立てる目的で、世界各国で食されています。

●アントエキスの歴史
アントエキスは、中国では古くから薬として利用されており、漢の時代に民間に広く伝わりました。唐の時代や宋の時代の医学文献では、そのどれもがアリ及びアントエキスの治療効果について述べられています。その中でも最も詳しいものが、16世紀の李時珍の巨作「本草鋼目」です。この本の中では、アリの生体をはじめ、薬理効能と食用としての価値について詳しく述べられており、後に多くの学者の間で重要な参考文献として扱われています。
このように中国では古くからアントエキスは薬用として用いられてきましたが、世界的にその効用が注目されるようになったのは30年ほど前のことだといわれています。中国の東北地方では冬場は-30℃程度まで気温が下がりますが、アリのおかげで寒冷リウマチ[※1]が良くなったということが口コミで広がり、そこからアントエキスの研究が進められ、現在では様々な効果があるとして漢方などに利用されています。

●アントエキスに含まれる成分と性質
アントエキスには、亜鉛やマンガン、マグネシウムといったミネラル類が豊富に含まれています。
ミネラルは体全体の機能を支える重要な成分です。人の体に含まれるミネラルの量は全体の5%と微量ですが、不足すると、貧血や倦怠感、骨がもろくなるといった様々な症状が現れます。
人間の体に必要なミネラルは16種類ありますが、アントエキスには特に亜鉛が多く含まれています。亜鉛は人間の体にある約60兆個もの細胞の生まれ変わりを助けるほか、正常な味覚の維持、免疫力アップ、肌・髪・爪などを健康に保つ上で欠かせないミネラルです。

[※1:リウマチとは、免疫機能に異常が発生することによって関節が炎症を起こし、変形してしまう病気です。腫れや激しい痛みを伴う他、手首や手足の関節で起こりやすく、左右の関節で同時に症状が発生しやすいことも特徴です。]    

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アントエキスの効果

●滋養強壮効果
アントエキスには、亜鉛が豊富に含まれているため、ホルモンの分泌を活発にする滋養強壮効果があります。
亜鉛は様々なホルモンの合成を助けたり、分泌の調整を行ったりと様々な働きを持ちます。
亜鉛は生殖機能とも関連が深く、女性ホルモンの分泌を活性化させ、精子の形成に必要とされます
また、それ以外にも生理不順や生理痛などにも有効的であるといわれています。

●味覚を正常に保つ効果
アントエキスには亜鉛が豊富に含まれているため、味覚を正常に保つ効果があります。
亜鉛とは必須ミネラルの一種で、人間が活動するために必要な代謝[※2]の過程で働く酵素の構成成分として必要不可欠です。
人間は食事をした時、舌の表面にある味蕾 (みらい)[※3]という部分で味を感じ取っています。味蕾は、成人で約3000個あり年齢を重ねるに伴って減少します。しかし、年齢を重ねるほど味の経験を積んでいるため、味蕾の数が減少すると必ずしも味覚が低下するわけではありません。
味蕾の細胞はとても短い期間で常に新しい細胞と入れ替わっています。亜鉛は、細胞の正常な生まれ変わりを助ける働きによって味蕾の形成にも深く関わっており、亜鉛が不足すると味蕾を新しくつくり出すことができなくなります。古くなった味蕾で食事をすると、味がよくわからずおいしく感じない、といった味覚障害が起こるため、亜鉛の摂取が必要とされています。


●免疫機能を調整する効果
アントエキスは、免疫力が衰えているときには補強し、活発になりすぎているときには抑制するという免疫機能を調整する効果があります。
免疫の司令塔といわれるT細胞[※4]にはTh1細胞とTh2細胞の2種類があり、それぞれがバランスを保っています。しかし何らかの原因によりTh1細胞が過剰に働くと自己免疫疾患やアレルギー等が引き起こされてしまいます。
アントエキスにはこのバランスを保つ働きがあり、花粉症やアトピー性皮膚炎、リウマチなどの自己免疫疾患に対して有効的だといわれています。

●肝機能を高める効果
アントエキスには、亜鉛が豊富に含まれているため、肝臓を保護する効果があるといわれています。
亜鉛は、お酒などを飲んだ後、体内でアルコールを分解する時に必要なアルコール脱水素酵素が働くために、必要不可欠です。アルコールの分解がうまくいかないことで、二日酔いや肥満の原因となります。
亜鉛を含むアントエキスを摂取することによって、体内でアルコールの分解を促進するため、肝臓に対する負担を減らします。
また、アントエキスには肝機能低下による疲労倦怠感や食欲不振・不眠などの改善、慢性肝炎から肝硬変への進行を防ぐ効果も期待されています。【1】

[※2:代謝とは、生体内で、物質が次々と化学的に変化して入れ替わることです。また、それに伴ってエネルギーが出入りすることを指します。]
[※3:味蕾とは、味を感じるための器官であり、花の蕾(つぼみ)のような形をしています。主に舌の上面に存在しており、人間の場合は約1万個あるといわれ、甘味・酸味・苦味・塩味をそれぞれ別の味蕾が受容しています。]
[※4:T細胞とは、免疫機能に関わる細胞であり、B細胞が抗体をつくる力を促進し、侵入してきた異物を攻撃します。]

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食事やサプリメントで摂取できます

アントエキスを含む食品

○アリ

こんな方におすすめ

○虚弱体質の方
○滋養強壮を高めたい方
○ご飯をおいしく感じない方
○アトピーなど自己免疫疾患に悩まれている方
○肝機能を高めたい方
○お酒をよく飲む方

アントエキスの研究情報

【1】アントエキスは中国で健康食品として、リウマチ、慢性肝炎、性機能低下、老化防止の目的で使用されてきました。アントエキスは高い抗酸化作用を持つほか、過酸化脂質の増加を抑制するなど、高い機能性を持つと考えられています。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/8770235

【2】ラットを対象に、アントエキスを投与したところ、薬物腎臓毒性が緩和されました。アントエキスはラジカル消去作用を持っており、腎臓保護作用を持つと考えられています。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9226751

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参考文献

・Zhao Y, Wang X, Kawai M, Liu J, Liu M, Mori A. 1995 "Antioxidant activity of Chinese ant extract preparations." Acta Med Okayama. 1995 Dec;49(6):275-9.

・Ma Y, Wang X, Zhao Y, Kawabata T, Okada S.1997 "Inhibitory effects of Chinese ant extract (CAE) on nephrotoxicity induced by ferric-nitrilotriacetate (Fe-NTA) in Wistar rats." Res Commun Mol Pathol Pharmacol. 1997 May;96(2):169-78.   

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