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わかさの秘密トップ > 成分情報 > ヒバマタ

作成日 2011年09月28日
更新日 2014年05月19日

ヒバマタ

Fucus L.

ヒバマタはヨウ素や亜鉛などのミネラル類や食物繊維を豊富に含んでいる海藻です。ヒバマタには新陳代謝を活発にする効果があるとされ、髪や爪、肌をきれいに保つために有効であると考えられています。ヒバマタは、ヨーロッパでは珍しく古くから食用として親しまれている海藻でもあります。

ヒバマタの健康効果
◎髪や爪、肌を健康に保つ効果
◎成長を促進する効果
◎高血圧を予防する効果
◎胃腸の機能を高める効果
◎免疫力を高める効果
◎動脈硬化を予防する効果
◎糖尿病を予防する効果

目次

ヒバマタとは

●基本情報
ヒバマタとはヒバマタ科ヒバマタ属に属している多年生[※1]の海藻の一種で、オリーブ色がかった褐藻類[※2]です。
ヒバマタはブラダーラックやケルプ、フーカスとも呼ばれており、海のハーブとして知られています。
主に北海や大西洋などの岩が多く水温の低い海岸に生息しています。ヒバマタの基部に近い部分は円柱状で、上部は平らになり枝分かれをしています。ヨーロッパでは古くからお茶などにして食用とされています。

●ヒバマタの歴史
日本におけるヒバマタの採集・利用については知られていませんが、イギリス北部や北欧においては草木灰の原料として古くからヒバマタが利用されていたといわれています。また、ヒバマタはハーブとしても用いられ、料理の香辛料やハーブティーとして食されていたこともあったといわれています。
ヒバマタは海藻の食文化を持つ日本人が食用としなかった海藻を、日本人以外の民族が食用としていたため、非常に珍しい海藻として知られています。

●ヒバマタに含まれる成分と性質
ヒバマタにはヨウ素亜鉛マグネシウムなどのミネラル類、多糖類のフコイダンアルギン酸などの食物繊維が豊富に含まれています。

ヒバマタには亜鉛が豊富に含まれています。亜鉛は100種類以上の酵素に含まれている必須ミネラルで、たんぱく質糖質脂質の代謝に関与しています。
体内で新しい細胞をつくるためには遺伝子の情報を伝達したり、たんぱく質を合成したりする必要があります。この作用を高めるのが酵素で、亜鉛はその成分となります。
亜鉛が不足すると、細胞の生まれ変わりである新陳代謝が滞り、皮膚や骨格の発育・維持が遅れます。ヒバマタには亜鉛が豊富に含まれているため、新陳代謝を活発にする働きが期待できます。


食物繊維はヒトの消化酵素で消化されない成分であり、以前までは栄養にならないと考えられていたことから「食べ物のカス」といわれていました。しかし、食物繊維が持つ効用が明らかとなり、今では五大栄養素[※3]に次ぐ第六の栄養素と呼ばれています。
食物繊維には働きの異なる不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類があります。
不溶性食物繊維は水に溶けない性質を持つ食物繊維のことをいい、水溶性食物繊維は水に溶ける性質を持つ食物繊維のことをいいます。
ヒバマタに含まれているアルギン酸は水溶性食物繊維の一種で、腸内で水に溶け込みヌルヌルとしたゲル状となり有害物質を吸着して排出します。

[※1:多年生とは、茎の一部、地下茎、根などが枯れずに残り、複数年にわたって生存するものを指します。]
[※2:褐藻類とは、藻類の一種です。藻類は色調により、緑藻類、褐藻類、紅藻類、藍藻類に分けられます。]
[※3:五大栄養素とは、炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルの5つの成分のことです。]

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ヒバマタの効果

ヒバマタは、ヨウ素や亜鉛などのミネラル類、食物繊維などの様々な栄養素を含んでおり、以下のような健康に対する効果が期待できます。



●髪や爪、肌を健康に保つ効果
ヒバマタに豊富に含まれているヨウ素は、甲状腺[※4]ホルモンの一種であるチロキシンとトリヨードチロニンの材料になります。この2つのホルモンにはエネルギー代謝を活発にし、新陳代謝を促進する働きがあります。
私たちの体は約60兆個もの細胞からできており、髪や爪、肌もそのうちのひとつです。新陳代謝が活発になると、常に新しい細胞ができるため髪や爪、肌を美しく保つことができると考えられています。

●成長を促進する効果
ヨウ素からつくられる甲状腺ホルモンは、三大栄養素である炭水化物・たんぱく質・脂質の代謝を高める働きがあります。
代謝が高まると、三大栄養素が体内で効率良く働き、成長が促進されます。ヒバマタには甲状腺ホルモンをつくる材料となるヨウ素が多く含まれているため、成長を促進する効果があるといわれています。

●高血圧を予防する効果
ヒバマタに含まれているアルギン酸には血圧を下げる効果があります。
血圧とは、心臓から送り出された血液が血管壁を押す力、つまり血管にかかる圧力のことをいいます。血圧にはナトリウムカリウムが大きく関係しています。ナトリウムを過剰に摂取すると、血液中のナトリウム濃度を下げるために血液の量が多くなり高血圧になります。高血圧が悪化すると、脳出血や脳梗塞が起こるリスクが高まります。
ヒバマタに豊富に含まれているアルギン酸は、血圧を下げる作用を持つカリウムと結びついた状態で食品中に存在しています。体内に入ったアルギン酸が胃でカリウムを放出し、小腸でナトリウムを吸着し排出させることで血圧の上昇が抑えられます。

●胃腸の機能を高める効果
ヒバマタに含まれているフコイダンには、胃腸の機能を高める効果が期待できます。
フコイダンにはピロリ菌の胃壁への付着を阻止する働きがあります。ピロリ菌とは胃の壁を傷つける細菌で、胃潰瘍・十二指腸潰瘍[※5]の一因とされています。フコイダンは、特有のぬめりで胃の粘膜を保護し、ピロリ菌を吸着して体外に排出することで胃腸の機能を高める効果があるとされています。

●免疫力を高める効果
ヒトの体には、外部から入ってくる細菌やウイルスから身を守るための免疫機能が備わっています。
免疫力は加齢やストレス、活性酸素[※6]などの影響で少しずつ低下していきます。免疫力が低下し弱っているところに細菌やウイルスなどが侵入してくると、病気にかかりやすくなります。
フコイダンには細菌やウイルスに感染した細胞を除去する働きを持つ細胞の活性を高める働きがあります。そのため、フコイダンが含まれているヒバマタには免疫力を高める効果があるといわれています。【1】【2】

●動脈硬化を予防する効果
ヒバマタに豊富に含まれている水溶性食物繊維のアルギン酸やフコイダンには、動脈硬化を予防する効果があるといわれています。
動脈硬化とは動脈の弾力性が失われ、硬くなった状態をいいます。進行すると血管の中にコレステロールがたまり、血液の流れが滞ります。血管の老化現象ともいわれており、悪化すると脳出血や脳梗塞、眼底出血[※7]などの病気に発展する可能性があります。
水溶性食物繊維のアルギン酸とフコイダンは、コレステロールの吸収と血中のコレステロールの増加を抑制します。また、コレステロールを材料にしてつくられる胆汁酸を吸着し、体外に排出する働きもあります。
胆汁酸の排出はコレステロールの代謝を促進するため、動脈硬化の予防に効果的であると考えられています。

●糖尿病を予防する効果
ヒバマタには、血糖値が上がる病気である糖尿病を予防する効果があります。
ヒバマタに含まれている水溶性食物繊維のアルギン酸とフコイダンが、摂取した食物を抱え込み小腸までゆっくりと進むことで血糖値の上昇が緩やかになるため、糖尿病の予防に効果があるといわれています。

[※4:甲状腺とは、人間ののどぼとけの下に位置する、ホルモンを分泌する器官のことです。]
[※5:胃潰瘍・十二指腸潰瘍とは、胃や腸の粘膜が傷つき、進行すると穴があいてしまう病気のことです。]
[※6:活性酸素とは、普通の酸素に比べ、著しく反応性が増すことで強い酸化力を持った酸素のことです。体内で過度に発生すると、脂質やたんぱく質、DNAなどに影響し、老化などの原因になるとされます。]
[※7:眼底出血とは、眼底(瞳から入ってきた光が突き当たる眼球の奥の部分)から何らかの原因で出血した状態をいいます。]

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ヒバマタはこんな方におすすめ

○髪や爪、肌の健康を保ちたい方
○成長期のお子様
○新陳代謝を活発にしたい方
○高血圧を予防したい方
○胃腸の健康を保ちたい方
○風邪をひきやすい方
○動脈硬化を予防したい方
○糖尿病を予防したい方

ヒバマタの研究情報

【1】ヒバマタには機能性成分フコイダンが含まれており、モズクのそれと比較して、硫黄成分が多く占めることが特徴です。ヒバマタは免疫細胞リンパ球を活性化させる働きを持つことから、ヒバマタに免疫力向上効果が期待されています。
http://ci.nii.ac.jp/naid/10026884322

【2】ヒバマダに含まれるフコイダンは、免疫細胞白血球を活性することから、ヒバマタに免疫力向上効果が期待されています。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/13677131

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参考文献

・中嶋洋子、阿部芳子、蒲原聖可 完全図解版 食べ物栄養事典 主婦の友社

・PIAO JinHua、IKEHARA Yukari、SASAKI Tsutomu、MIYAGI Takeshi、AZUMA Miyuki (2005) “Biological Properties of Fucoidans Differing in Molecular Weight and Composition : Effects on Lymphocyte Proliferation and Immunological Function” Journal of Japanese Society of Nutrition and Food Science 58(5), 273-280, 2005-10-10 

・Kuznetsova TA, Zaporozhets TS, Besednova NN, Shevchenko NM, Zviagintseva TN, Mamaev AN, Momot AP. “[Immunostimulating and anticoagulating activity of fucoidan from brown algae Fucus evanescens of Okhotskoe sea].” Antibiot Khimioter. 2003;48(4):11-3.

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