本文へ


わかさの秘密トップ > 成分情報 > アスパラギン

作成日 2011年10月13日
更新日 2012年09月14日

アスパラギン

asparagine
L-アスパラギン

アスパラギンはアスパラガスから発見されたアミノ酸の一種です。有害なアンモニアを体外へ排出し、中枢神経系を保護する働きがあります。また、神経伝達物質の材料になったり、筋肉や内臓のもととなるたんぱく質の合成にも使われます。さらに、アスパラギンはクエン酸回路に働きかけエネルギー代謝を促進するため、運動時の持久力を向上させる効果もあります。

アスパラギンの健康効果
◎運動時の持久力を向上させる効果
◎尿の排出を促進する効果
◎丈夫な体をつくる効果 

目次

アスパラギンとは?

●基本情報
アスパラギンとはアミノ酸の一種で、アスパラガスから発見されたため、アスパラギンと名付けられました。肉類などに含まれており、神経や脳組織の細胞機能の代謝[※1]に関わり、尿の合成を促進し、有害なアンモニアを体外へ排出する働きがあります。
アスパラギンは、筋肉や内臓のもととなるたんぱく質の合成にも使われます。また、肝臓を保護したり、新陳代謝を活発にさせる効果があるともいわれています。
さらに、アスパラギンは体内でエネルギーをつくり出す「クエン酸回路(TCA回路)」に関与し、エネルギーを効率良くつくり出すことで、疲労物質である乳酸の生成を抑制し、疲労回復や、スタミナを向上させます。
アスパラギンは、アスパラギン酸とアンモニアから「アスパラギンシンテターゼ」という酵素の働きによって生成されます。
そのため、アスパラギン酸の摂取不足がアスパラギンの不足を引き起こします。アスパラギンが生成されなくなると、アンモニアが処理されず、血中のアンモニア濃度が上がります。アンモニアは、特に中枢神経系に対し強い毒性を持つため、アスパラギンを十分に摂取することは脳や脊髄で働く神経を守ることにつながります。

●アスパラギンの歴史
1806年、フランスの化学者L・N・ボグランとP・J・ロビゲが、アスパラガスの芽の抽出物からアスパラギンを発見しました。アスパラギンは最初に発見されたアミノ酸です。

●アスパラギンを多く含む食品
アスパラギンはアスパラガスの根や茎、肉類や大豆などにも含まれていますが、特にもやしのように発芽した豆類などに多く含まれています。

●アスパラギンとアスパラギン酸の違い
アスパラギンを加水分解[※2]すると、アスパラギン酸が生成されます。
アスパラギンとアスパラギン酸は名前が似ていますが、それぞれ別の物質です。
アスパラギン酸は、エネルギーの代謝を高めたり、カルシウムカリウムといったミネラルを全身に運ぶ役割を持った非必須アミノ酸です。アスパラギン酸はアスパラギンと同様に、たんぱく質の合成材料に使われたり、疲労回復に働きかけたりと、スタミナの向上に役立つ成分です。
また利尿作用もあり、体内の毒素を排出する効果があります。
アスパラギン酸はアスパラガスのほか、豆類やさとうきび、牛肉などに含まれ、健康食品などにも配合されています。

●D-アスパラギンについて
アミノ酸は構造の違いによって、アスパラギンは「L」「D」に区別できます。
グリシン以外のアミノ酸には、右手と左手の関係のように、鏡に映った場合同じ構造を持つもの(光学異性体)が存在し、一方をL体、もう一方をD体と呼びます。
本来人間のたんぱく質を構成するアミノ酸は、すべてL-アスパラギンをはじめとするL型のアミノ酸であるといわれてきました。
しかし近年、人間の体内にもD型は存在し、老化に関連するということが明らかとなりました。たんぱく質の中にD型のアミノ酸が発生すると、たんぱく質の機能低下を招くことが分かりました。
研究の結果から、80歳代の人間の顔の皮膚にD-アスパラギンが存在しましたが、子どもの顔の皮膚にはD-アスパラギンの存在は認められなかったということが判明しました。
さらに、直接紫外線が当たる顔と当たらない腹部や胸部の皮膚では、顔の方が多くのD-アスパラギンが存在することも明らかになりました。
このことは、紫外線の照射がたんぱく質の中でのD-アスパラギンの生成を促進する可能性を示唆しています。

●アスパラギンの製造方法
アミノ酸はうま味成分や機能性成分として、様々な加工食品に活用されています。アスパラギンも例外ではありません。製品に利用するために、アスパラギンは主に抽出法という製造法を用いて製造されています。抽出法とは、じゃがいもや大豆などの天然のたんぱく質を加水分解した上で分離・精製を行い、目的とするアミノ酸の結晶を得る方法です。アミノ酸の製造法として最も多く用いられているのは、発酵法という微生物による分解を利用した製造法ですが、原料のたんぱく質に目的のアミノ酸が多く含まれている場合などは、抽出法が有効な製造法とされています。この抽出法では、アスパラギンのほかに、チロシンロイシンなどが製造されています。

[※1:代謝とは、生体内で、物質が次々と化学的に変化して入れ替わることです。また、それに伴ってエネルギーが出入りすることを指します。]
[※2:加水分解とは、反応物における水の反応によって、分解物を得ることです。]

このページのトップへ

アスパラギンの効果

●運動時の持久力を向上させる効果
アスパラギンは、体内でエネルギーを生み出すクエン酸回路に働きかけ、エネルギーの代謝を促進させます。
クエン酸回路は、疲労物質をエネルギーに変換する回路です。クエン酸回路がうまく回らないと、乳酸が蓄積し、疲労が溜まります。乳酸は筋肉疲労の原因となり、大量に蓄積されると、体の冷えや頭痛などを引き起こします。
アスパラギンがクエン酸回路に働きかけることで、乳酸の生成を抑制し、疲労回復に働きかけます。また、アスパラギンは筋肉を動かすグリコーゲンの生成を促します。
グリコーゲンは、運動時の大切なエネルギー源であり、必要に応じて糖に変換します。エネルギー源であるグリコーゲンが不足すると、長時間の運動に耐えることができなくなります。この2つの要因により、アスパラギンは運動時の持久力を高めます。【1】【2】【4】

●尿の排出を促進する効果
アスパラギン酸は体内でアンモニアと結合してアスパラギンになるため、アンモニアを安全な形で貯蔵します。このことにより、体内でアンモニアが悪影響を与えないようにする働きがあります。アンモニアはたんぱく質の分解によって生じ、神経伝達物質[※3]の働きを阻害したり、脳症[※4]などを引き起こす有害な働きを持っています。また、アンモニアはエネルギーの代謝に関わる細胞の中のミトコンドリアの働きを阻害します。そのため、アンモニアの量が過剰に増えると、疲労や組織の老化、免疫力の低下を引き起こします。アスパラギンには、尿の合成を促進し、有害なアンモニアを外に排出する効果があります。

●丈夫な体をつくる効果
アスパラギンは、筋肉や内臓をつくるたんぱく質合成に使われます。
アスパラギンをはじめとするアミノ酸は、自然界に500種類も存在しているといわれています。
その中でもヒトの体を構成するのはアスパラギンを含む20種類のアミノ酸です。
たんぱく質が不足すると、人体を構成するたんぱく質が分解され、不足分を補おうとします。その結果、体力や免疫力が低下し、血管がもろくなってしまいます。アスパラギンは、たんぱく質を合成し、丈夫な体をつくるために必要な成分であることがわかります。

[※3:神経伝達物質とは、神経細胞の興奮や抑制を他の神経細胞に伝達する物質のことです。]
[※4:脳症とは、疫病や高熱で脳が機能不全となる状態のことです。] 

このページのトップへ

アスパラギンは食事やサプリメントから摂取できます

アスパラギンを含む食材

○肉類
○大豆
○牛乳
○じゃがいも

こんな方におすすめ

○運動能力を向上したい方
○スポーツをする方
○疲れやすい方
○体内の毒素を排出したい方

アスパラギンの研究情報

【1】食事摂取後などの血糖値が高い状態のラットに、アスパラギンとアスパラギン酸を摂取させると、筋肉のグリコーゲン濃度が高まりました。また高脂肪食ラットに、アスパラギンとアスパラギン酸を摂取させると、インスリン感受性の低下を抑制しました。このことから、アスパラギンとアスパラギン酸は筋肉でのグルコース利用を高めるとともに、インスリンの感受性を維持しました。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19821260

【2】ラットに激しい運動をさせる際に、事前にアスパラギン350mM 及びアスパラギン酸400mM を7日間摂取させたところ、運動疲労による筋肉と肝臓でのグリコーゲンの分解が緩やかになりました。アスパラギンとアスパラギン酸には運動疲労改善効果が示唆されました。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12660406

【3】男女各10名に、アスパラギンを90日間摂取させたところ、男性では体重の減少および脳、腎臓、精巣の相対臓器重量が増大し、女性では血糖値や血漿リン脂質やカリウムとALTが増加したことから、アスパラギンは体幹維持に関係があり、さらに過剰に摂取した場合は、血漿の因子に変化を与えることが示唆されている
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18508175

【4】適度な運動時に、アスパラギンとアスパラギン酸及びカルニチンを摂取すると、筋肉内での遊離脂肪酸の使用が高まり、グリコーゲンの生成が増加しました。疲労時間の短縮が見られたことから、アスパラギンには運動時の持久力維持効果が期待されます。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/7716217



このページのトップへ

参考文献

・櫻庭雅文 著 アミノ酸の科学 その効果を検証する 講談社

・船山信次 著 アミノ酸 タンパク質と生命活動の化学 東京電機大学出版局

・渡邉早苗監修 暮らしの栄養学 日本文芸社

もっと見る

このページのトップへ