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作成日 2013年08月23日
更新日 2015年11月26日

ベタイン

betaine
トリメチルグリシン(TMG) ベタイングリシン

アミノ酸の一種であるベタインは植物や水産物などに含まれる天然物質で、高脂血症や肝機能の改善に効果があります。甘味や旨味に関わる成分で食品添加物では調味料に分類されています。また天然アミノ酸系保湿在として化粧品やシャンプーなどにも使用されています。

ベタインの健康効果
◎肝機能を高める効果
◎動脈硬化・糖尿病を予防する効果
◎胃の健康を保つ効果
◎肌や髪の健康を保つ効果

目次

ベタインとは

●基本情報
ベタインはアミノ酸の一種の天然成分です。化学的にはアミノ酸の中のアミノ基に3つのメチル基が付いた化合物の総称で、トリメチルグリシン(TMG)やベタイングリシンとも呼ばれます。またベタインは吸湿性が高いことから、純粋なものは無水ベタインといわれます。
甜菜糖蜜由来のベタインは既存添加物名簿に収載されており、調味料に分類されています。甘味と旨味に関わる成分で、カニ風味かまぼこなどの水産加工食品の呈味増強に用いられる他、塩味や酸味の強い食品の味をまろやかにする働きがあることから、イカ塩辛などにも添加されます。
ベタインは生体内では主にコリンの代謝産物として存在しており、ホモシステインからメチオニンへの変換に関わることから、ホモシステインが原因で引き起こされる動脈硬化[※1]に効果があるといわれています。ベタインが塩酸と結合した塩酸ベタインには胃の健康を保つ効果がある他、脂肪肝や肝硬変[※2]の改善効果も期待されています。
化粧品の原材料としてはトリメチルグリシンとして知られており、保湿効果があることから天然アミノ酸系保湿剤として化粧水、乳液、ボディケア製品、シャンプー、コンディショナーなど多くの化粧品に用いられています。

●ベタインが多く含まれる食品
ベタインは水産物ではタコ、イカなどの頭足類、エビ、カニなどの甲殻類、貝類に多く含まれます。植物ではほうれん草や甜菜などのヒユ科の植物やイネ科の植物、キノコなどに多く含まれています。ベタインが浸透圧[※3]調整物質となり、植物が高い浸透圧に耐えることができるようになるため、耐凍性、耐塩性のある植物に多く含まれています。

●ベタインの歴史
ベタインは1866年にC.Scheibler(シャイプラー)によって初めて甜菜から分離され、続いていくつかの有機物からも発見されました。ベタイン(Betaine)という名称は甜菜(ビート)の学名Beta vulgarisに由来しています。

[※1:動脈硬化とは、動脈にコレステロールや脂質がたまって弾力性や柔軟性がなくなった状態のことです。血液がうまく流れなくなることで心臓や血管などの様々な病気の原因となります。]
[※2:肝硬変とは、肝臓が固くなり、本来の機能がきわめて減衰した状態のことです。]
[※3:浸透圧とは、溶液中で溶媒が浸透していく力のことです。]

 

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ベタインの効果



●肝機能を高める効果
通常食事で摂った脂肪は、小腸で脂肪酸に分解された後に肝臓に送られますが、糖分や脂質の摂り過ぎにより肝臓に送られる脂肪酸の量が増えた場合や、アルコールの飲みすぎなどが原因で中性脂肪が肝臓にたまると、脂肪肝になります。特にアルコールが原因の脂肪肝の場合、肝硬変に進行こともあります。ベタインには肝臓へ脂肪が沈着するのを防ぐとともに、脂肪の排出を促進する作用があることから、脂肪肝を予防する効果があります。さらに、ベタインには脂肪肝の肝臓に対して解毒作用のあるグルタチオンの産生を維持し、酸化ストレスを除去する働きがあることから、肝硬変や肝炎、肝ガンへの進行を抑制する効果が期待できます。【1】【2】【3】

●動脈硬化・糖尿病を予防する効果
動脈硬化の原因のひとつとしてホモシステインがあります。ホモシステインは肝臓でのアミノ酸代謝の際に中間体として作られる物質で、通常代謝酵素の働きによってシステインやメチオニンへと代謝されます。しかし、体質や食習慣により血液中のホモシステイン量が過剰になることがあります。血液中の過剰なホモシステインは血管拡張の阻害や血栓の進行促進、血管の肥厚と硬化の促進などを引き起こす原因となります。ベタインはホモシステインがメチオニンへと代謝される際に必要な物質であることから、ホモシステイン濃度を低く抑える働きが期待できます。【4】
また、ベタインには糖が小腸から吸収されるのを防ぎ、血糖値の急激な上昇を抑える働きやコレステロール値の上昇を抑制する働きもあることから、糖尿病[※4]や動脈硬化の予防に効果があります。

●胃の健康を保つ効果
ベタインが塩酸と結合した塩酸ベタインには、胃液の酸度を調節する働きがあります。この働きにより、食物の胃での消化をサポートし胃の健康を保つ効果があり、医薬品としても用いられています。【6】

●肌や髪の健康を保つ効果
ベタインは陽イオンと陰イオンを持つ天然の両性界面活性剤[※5]です。吸湿性と保湿性が高く、浸透性に優れるため、化粧品などに用いられ肌や髪に弾力と潤いを与えます。また、帯電を防止する効果もあることから、特にヘアケア化粧品には必要な成分といえます。刺激も少ないため敏感肌にも使用することができます。
【5】

[※4:糖尿病とは、インスリンの不足などによって糖代謝がうまくいかなくなる病気です。もともとインスリンが不足している場合と、年齢や生活習慣によってインスリンが不足していく場合があります。]
[※5:界面活性剤とは、界面張力を著しく低下させる物質のことです。水に対しては、せっけん・油・アルコールなどが挙げられます。]

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ベタインは食事やサプリメントから摂取できます


ベタインを多く含む食品

○タコ
○イカ
○エビ
○カニ
○貝類
○甜菜
○ほうれん草
○麦類
○キノコ

こんな方におすすめ

○肝臓の健康を保ちたい方
○糖尿病を予防したい方
○血流を改善したい方
○胃の健康を保ちたい方
○肌のハリや弾力を保ちたい方
○髪の潤いを保ちたい方


ベタインの研究情報

【1】ベタインはかねてからの研究でアルコールによる肝臓の損傷を妨げる効果があります。今回ラットを使った実験よりHMGB1/TLR4のシグナルを阻害することでその効果を得ることがわかりました。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23861108

【2】ベタイン、カルノシン、ビタミンEの組み合わせで、肝臓、心臓、脳の年齢に関する抗酸化作用をラットを用いて調べたところ、ベタインは肝臓で抗酸化作用を発揮したことがわかりました。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23701646

【3】アルコールによる肝臓病に対して、ベタインを摂取することで改善効果があることが示されました。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23232418

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参考文献

・Zhang W, Wang LW, Wang LK, Li X, Zhang H, Luo LP, Song JC, Gong ZJ. (2013) “Betaine Protects Against High-Fat-Diet-Induced Liver Injury by Inhibition of High-Mobility Group Box 1 and Toll-Like Receptor 4 Expression in Rats.” Dig Dis Sci. 2013 Jul 17.

・Coban J, Bingül I, Yeşil-Mızrak K, Doğru-Abbasoğlu S, Oztezcan S, Uysal M. (2013) “Effects of Carnosine plus Vitamin E and Betaine Treatments on Age-Induced Oxidative Stress in Liver, Heart and Brain Tissues of Rats.” Curr Aging Sci. 2013 May 20.

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