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作成日 2011年08月24日
更新日 2014年07月08日

キチン・キトサン

Chitin and Chitosan

キチン・キトサンは、カニやエビなどの甲殻類に含まれる動物性の食物繊維です。
コレステロールや有害物質を吸着して、体の外に排出させる働きがあり、肥満の予防や、免疫力を高める効果があります。

キチン・キトサンの健康効果
◎コレステロール値を下げる効果
◎脂肪の蓄積を防ぐ効果
◎高血圧を予防する効果
◎免疫力を高める効果
◎解毒効果

目次

キチン・キトサンとは?

●基本情報
キチン・キトサンは、カニの甲羅やエビの殻に存在する多糖類[※1]の一種で、甲殻類の他に、昆虫の外皮やキノコの細胞壁などに含まれています。
これらの生物によって年間約1千億トンものキチン・キトサンが地球上でつくられており、地球の自然環境や、動物、植物などの生態系を保つ上で欠かせない成分です。

●キチンとキトサンの違い
キチンは、甲殻類の殻からたんぱく質カルシウムなどの成分を取り除いて精製されたものです。
キチンを熱した濃いアルカリ溶液に浸して、化学処理を施すことによってキトサンへと変化します。
処理する過程で、キチンとキトサンが混じり合った状態になるため、この2つの物質名は合わせてキチン・キトサンと呼ばれています。
キチンは水や酸に溶けない性質を持っていますが、キトサンに変化すると、水には溶けないままで、酢や胃酸には溶ける性質を持つようになります。

●キチン・キトサンの歴史
キチンという成分名は、ギリシャ語で「封筒」の意味を持つ言葉であり、フランスの科学者であるA.オジールによって名付けられました。
かつて、キチン・キトサンについての研究は、一部の研究者によって行われていただけでしたが、1970年代にアメリカで始まった「未利用生物資源の活用」のひとつとして、キチン・キトサンが注目されるようになりました。
1980年代に入ると、日本でもキチン・キトサンに関する研究が進められるようになりました。
カニやエビなどの甲殻類を加工品として中身を利用した後に、残った殻を有効に使う方法が研究され、その中で、キチン・キトサンの価値が認められるようになったのです。
以後、キチン・キトサンは、畜産や漁業用の餌料、殺虫・殺菌剤、汚水処理、医療用の人工皮膚、手術用の縫合糸など、広い分野で利用されています。
特に、キチン・キトサンは人間の細胞となじみが良く、皮膚の病気の治癒効果が高いため、医療分野において欠かせない存在となっています。

●キチン・キトサンの働き
キチン・キトサンを食品として摂取すると、腸内でコレステロールや脂肪、毒素を吸着し、体の外へ排出するという働きがあります。
このような働きから、キチン・キトサンは健康食品の原料としても普及しており、キチン・キトサンの配合商品には、厚生労働省からの特定保健用食品(トクホ)[※2]として認可されているものもあります。

●キチン・キトサンを摂取する上での注意
食物繊維であるキチン・キトサンは、消化されにくい性質があるため、胃腸の弱い人が摂りすぎると下痢や腹痛などを引き起こすことがあります。
また、キチン・キトサンは水分を保持する作用が強く、水分が不足すると便秘につながります。そのため、キチン・キトサンと一緒に水分を摂ると良いといわれています。
加えて、キチン・キトサンには、脂溶性 [※3]のビタミン類であるビタミンEビタミンAビタミンDビタミンKの吸収を妨げることがあるため、キチン・キトサンを摂取する際には、合わせて脂溶性ビタミンや必須脂肪酸[※4]を補う必要があります。
さらに、甲殻類の食品アレルギーの人がカニやエビ由来のキチン・キトサンを摂取した場合、アレルギー症状が現れる可能性があるため、摂取を避けることが推奨されています。

<豆知識>キチン・キトサンの意外な可能性
現在では様々な分野で欠かせない素材となっているキチン・キトサンですが、その働きは古くから人々に利用されていました。
中国の明の時代に記された漢方薬の書物「本草綱目(ほんぞうこうもく)」において、「腫れものやできものにカニの殻の粉が利用されていた」という記述があります。
また、イタリアの世界的なバイオリン製造者であるストラデバリーは、キトサンが含まれる昆虫の殻を楽器に塗ることによって、音響の質を高めるという製造方法を用いていました。

[※1:多糖類とは、糖質の最小単位である単糖が、多数結合したものです。]
[※2:特定保健用食品(トクホ)とは、特定の保健の目的が期待できることを表示した食品のことです。身体の生理学的機能などに影響を与える保健機能成分(関与成分)を含んでいます。その保健効果が当該食品を用いたヒト試験で科学的に検討され、適切な摂取量も設定されています。また、その有効性・安全性は個別商品ごとに国によって審査されています。]
[※3:脂溶性とは、油に溶けやすい性質のことです。]
[※4:必須脂肪酸とは、体内で他の脂肪酸から合成できないために食品から摂取する必要がある脂肪酸のことをいいます。] 

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キチン・キトサンの効果

●コレステロール値を下げる効果
キチン・キトサンには、コレステロールを原料としてつくられる胆汁酸[※5]を吸着して、排出するという働きがあります。
この働きによって、胆汁酸をつくるためにコレステロールが肝臓へと運ばれるため、キチン・キトサンには、血液中のコレステロールを低下させる効果があります。
キチン・キトサンを用いた臨床試験では、総コレステロールの低下ならびにHDLコレステロールが上昇したという結果が得られており、キチン・キトサンは高脂血症の予防に役立つと考えられています。【1】【3】【7】【9】

●脂肪の蓄積を防ぐ効果
カロリーの高い食事による摂取エネルギーの増加のほかに、朝食を抜く、夜食を食べるといった不規則な食生活や、運動不足が原因で、余分な脂肪が増えてしまいます。このような状態が続くと、肥満につながりやすくなります。
肥満には、皮下脂肪が厚くなる「皮下脂肪型肥満」と、内臓の周りに脂肪が溜まる「内臓脂肪型肥満」があります。
内臓脂肪型肥満は、一見肥満には見えない体型でも、内臓に脂肪が溜まっている「隠れ肥満」のケースにも当てはまり、生活習慣病にかかりやすくなるといわれています。
キチン・キトサンは、小腸を通る時に、腸内に残っている食物の脂肪を吸着して、体の外へと排出する働きがあります。これにより、余分な脂肪の蓄積を防ぐことができるため、キチン・キトサンには肥満を予防する効果が期待できます。【2】

●高血圧を予防する効果
心臓が血液を全身に送り出すときに、血液が動脈の壁にかける圧力のことを血圧といいます。
血圧が高くなる原因には、ストレスや喫煙、運動不足と並んで、食塩の摂りすぎが挙げられます。
食塩の主成分であるナトリウムは、カリウムと一緒に細胞の水分を調節する働きがあります。食塩を摂りすぎるとナトリウムの量が必要以上に多くなり、水分のバランスが崩れ、血管の壁が膨張します。
また、ナトリウムの過剰摂取によって血管が収縮しやすくなり、血管の通り道が狭くなるため、血圧が高くなってしまいます。
血圧が高い状態が続くと、血管がもろくなり、動脈硬化や脳卒中などの原因となります。
キチン・キトサンには、高血圧の原因となる塩分を吸着し、体の外へ排出する働きがあり、血圧の上昇を防ぐ効果があります。【5】【8】

●免疫力を高める効果
キチン・キトサンは、マクロファージ[※7]を活性化させる働きがあります。
マクロファージとは、免疫に大きく関わる細胞です。体内に入ってきた細菌やウイルスを発見すると、すぐに免疫系全体に警報を発信する役目と、細菌やウイルスをマクロファージの中に取り込み、酵素で殺菌処理する2つの役目を担っています。
キチン・キトサンは、このマクロファージの働きを活性化させることによって、自然治癒力を高め、病気にかかりにくい体をつくることができます。

●解毒効果
現代人は、科学文明の発達に伴って、ダイオキシンや重金属をはじめとする環境汚染物質や、食品添加物などの体に悪影響を及ぼす有害物質に接する機会が増えたといわれています。
体に有毒物質が溜まると、さまざまな不調が現れるほか、病気の原因にもつながります。
キチン・キトサンは、このような毒素を吸着して体の外へ排出し、体の様々な不調を改善する効果があります。【6】

[※5:胆汁酸とは、胆汁に含まれている物質です。消化管内で食物の脂肪や脂溶性ビタミンをより吸収しやすくする働きをします。]
[※6:Ⅱ型糖尿病とは、食事や運動などの生活習慣が誘因となりインスリン作用が低下する糖尿病のことをいいます。日本人の糖尿病患者の9割以上はⅡ型糖尿病です。]
[※7:マクロファージとは、白血球の一種です。免疫機能を担う細胞のひとつで、生体内に侵入したウイルスや細菌、または死んだ細胞を捕食し、消化する働きを持ちます。]

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食事やサプリメントから摂取できます 

キチン・キトサンを含む食品

○カニの甲羅
○エビの殻
○シャコの甲羅
○イカの軟骨
○キノコ類
○チーズ

こんな方におすすめ

○コレステロール値が気になる方
○肥満を防ぎたい方
○血圧が高い方
○免疫力を向上させたい方
○体内の毒素を排出したい方

キチン・キトサンの研究情報

【1】マウスでキトサンオリゴ糖(COS)がコレステロール逆輸送(RCT)に及ぼす作用を検討しました。(3)H ‐コレステロールを含んだマクロファージを注入されたマウスに対し、COS(250, 500, 1000 mg/kg)を摂取させました。血漿脂質濃度、および(3)H ‐コレステロールの取り込みを血漿、肝臓、胆汁および便で測定しました。また、COSが肝臓中の水酸化酵素(CYP7A1)およびスカベンジャー受容体BI(SR-BI)の発現に及ぼす作用を検討しました。その結果、COS投与群は、血漿総コレステロールおよびLDLコレステロールの減少が見られ、(3)H -コレステロールは肝、胆、糞便で増加していました。CYP7a1、SR-BIおよびLDL受容体(LDL-R)の肝臓での発現は、COS -投与されたマウスでは改善されました。
このことから、LDLの血中濃度はCOS投与によって改善される可能性が考えられました。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22302708

【2】無作為化二重盲検臨床試験を糖尿病のない12名の肥満患者に対し行い、3ヶ月間、プラセボまたはキトサン(3回/日、750 mg)を摂取させました。血清グルコース、総コレステロール、HDLコレステロールおよびトリグリセリド(TG)およびインスリン感受性を測定しました。キトサン投与群では、インスリン感受性が増加し、また、体重、ウエスト周囲径、BMI、TGがプラセボと比較して有意に減少していました。このことから、キトサンの摂取は食後のインスリン感受性を増加させ、肥満予防につながると考えられました。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20650346

【3】水溶性キトサンが酸化ストレスの指標に及ぼす作用について検討しました。4週間のキトサン治療は血漿グルコース、アテローム誘発性指数の量の有意な減少を引き起こすHDLを増大させました。また、キトサンは酸化アルブミンを減少させ、血漿中の抗酸化活性を増加させました。このことから、キトサンは、血漿中の酸化ストレスをやわらげる働きがあることがわかりました。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18996432

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参考文献

・中村丁次 からだに効く栄養成分バイブル/主婦と生活社

・則岡孝子 栄養成分の事典 新星出版社

・サプリメント健康バイブル/日本サプリメント協会(NPO)小学館

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