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作成日 2011年09月28日
更新日 2014年05月16日

とうもろこし

corn 
Zea mays L. 

とうもろこしには不溶性食物繊維のひとつであるセルロースが含まれています。セルロースには、腸内環境を整えて便通を良くする働きがあるといわれています。とうもろこしは年間生産量が世界的に高く、世界三大穀物のひとつとして知られています。

とうもろこしの健康効果
◎便秘を解消する効果
◎腸内環境を整える効果
◎動脈硬化を予防する効果
◎疲労回復効果
◎血行を促進する効果

目次

とうもろこしとは

●基本情報
とうもろこしはイネ科トウモロコシ属に属する、一年生植物です。原産地はアメリカ大陸です。
とうもろこしの年間生産量は世界的に高く、米や麦と並ぶ世界三大穀物のひとつとして知られています。日本では野菜感覚で食べられていますが、南米では主食として食べられている重要な穀物です。
とうもろこしの名は、中国の「唐」から伝えられた、きびを意味する「もろこし」から名づけられたといわれています。とうもろこしは日本に伝わってきた当時、最も似ている植物がきびであったことから、とうきび、なんばんきび、とうみぎなど地方によって様々な呼び方をされています。
とうもろこしの頭の先には茶色いひげのようなものが生えていますが、これはとうもろこしの雌しべに当たります。雌しべの本数は実(粒)の数と同じ数になっています。

●とうもろこしの品種・種類
とうもろこしの品種はデント種やフリント種、スイート種、ポップ種など、特性によって分けられています。デント種やフリント種は子実用、青刈[※1]用に用いられます。子実は食用やでんぷん、油、飼料などに利用されます。スイート種は缶詰などに、ポップ種はポップコーンに多く利用されています。

とうもろこしの種類にはハニーバンタムやホワイトコーン、ベビーコーン、ウッディコーンなどがあります。
ハニーバンタムは甘みが強く、日本で最も多く出回っている種類です。昭和40年代から全国で栽培されるようになりました。
ホワイトコーンはハニーバンタムの白粒種で、シルバーコーンとも呼ばれています。小粒で乳白色をしています。皮が柔らかく、甘みが濃いことが特徴です。
ベビーコーンはヤングコーンとも呼ばれており、幼果(ようか)[※2]です。缶詰に加工されています。
ウッディコーンは黄色や茶色の粒が混じっている種類です。粒がしっかりとしており、歯ごたえが良くモチモチとした食感が特徴です。

<豆知識>ポップコーン
ポップコーンには、とうもろこしの一種である爆裂種とも呼ばれる、硬い皮が特徴的なポップ種が使用されています。
ポップコーンはポップ種を乾燥させた粒を、油やバターをひいたフライパンなどで数分間炒り続けてつくります。乾燥させた粒といっても、粒の中には微量の水分が含まれています。この水分は加熱すると水蒸気になり、しばらくは硬い皮で覆われている粒中で膨らみ続けます。そして、膨らみ続ける水蒸気に耐え切れなくなった皮が破れ、風船が割れるようにポンっと一瞬で膨らむことで、フワフワとしたポップコーンができ上がります。

●とうもろこしの歴史
とうもろこしは紀元前2000年前に栽培され、南北アメリカ大陸で早い時期から重要な作物とされていました。ヨーロッパへの伝播は1492年頃で、コロンブスがキューバからスペインに持ち帰ったことがきっかけだといわれています。
日本へは1579年頃、ポルトガル人によって長崎に伝えられました。明治時代にとうもろこしの栽培が本格的に始まり、主に北海道で大量に栽培されました。第二次大戦後には新しい品種であるスイート種がアメリカから導入され、未熟とうもろこし用の栽培が急増しました。

●とうもろこしの生産地
とうもろこしの主な生産地は北海道、千葉県、茨城県です。6月~9月頃に旬を迎えます。冷凍とうもろこしはアメリカやオーストラリア、中国、ニュージーランド、台湾などから、乾燥または粉末状にしたとうもろこしはアメリカやベトナム、台湾、中国、タイなどから輸入されることが多くあります。

●とうもろこしの選び方
とうもろこしはひげと皮の色に着目して選びます。
とうもろこしのひげは茶色が濃く、たっぷりついているものが良いとされています。ひげの茶色が濃いほど良く熟しており、たっぷりついているものは実がぎっしり詰まっています。
とうもろこしの皮は緑色が濃いものが良いといわれています。変色しているものは鮮度が落ちている印です。

●とうもろこしの保存方法
とうもろこしは収穫後、時間が経つほど鮮度が落ち、風味が損なわれます。そのため、収穫されたその日のうちに茹でて、冷凍保存するようにします。
また、外皮とひげを取り除き、ラップに包んでポリ袋に入れ冷蔵庫のチルド室で保存することも可能です。

●とうもろこしの調理方法
とうもろこしは茹でる、蒸す、焼くなどの調理方法を用いて食べる他、生のまま食べることも可能です。
とうもろこしを炒め物や揚げ物にする時は実をはずして調理しますが、手で実をはずすと芯のかたい部分がついてくることが多く、調理効率も悪くなります。実をはずす時はとうもろこしを扱いやすい長さに切り、まな板に立てて置き、包丁をまっすぐに当ててそいでいきます。芯と実の境目のぎりぎりの部分から垂直に包丁をおろせば、無駄なくそぎとることができます。

●とうもろこしの成分とその性質
とうもろこしの実を包んでいる皮には、食物繊維の一種であるセルロースが含まれています。その含有量はさつまいもの4倍といわれています。
食物繊維は人間の消化酵素で消化されない成分であり、以前までは栄養にならないと考えられていたことから「食べ物のカス」といわれていました。しかし、その後の研究により、食物繊維が持つ効用が明らかとなり、今では五大栄養素[※3]に次ぐ第六の栄養素と呼ばれています。
食物繊維には働きの異なる不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類があります。
不溶性食物繊維は水に溶けない性質を持つ食物繊維のことをいいます。不溶性食物繊維は大腸で水分を吸収し、数倍から十数倍に膨らみ便のかさを増やすとともに、腸のぜん動運動[※4]を高める働きをします。
水溶性食物繊維は水に溶ける性質を持つ食物繊維のことをいいます。水溶性食物繊維は、腸内で水分を抱えヌルヌルとしたゲル状の成分となり、有害成分を吸着して排出させます。
とうもろこしの実の皮に含まれているセルロースは、不溶性の食物繊維です。
また、とうもろこしの胚芽部分には必須脂肪酸[※5]であるリノール酸が含まれています。
他にもとうもろこしには主成分であるでんぷんや、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンEなどのビタミン類、カリウム、食物繊維などがバランス良く含まれています。

[※1:青刈りとは、飼料や肥料にするため、作物をまだ青いうちに刈り取ることをいいます。]
[※2:幼果とは、年数の経っていない樹木のことです。]
[※3:五大栄養素とは、炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルの5つの成分のことです。]
[※4:ぜん動運動とは、腸に入ってきた食べ物を排泄するために、内容物を移動させる腸の運動です。]
[※5:必須脂肪酸とは、体内で他の脂肪酸から合成できないために食品から摂取する必要がある脂肪酸のことをいいます。] 

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とうもろこしの効果

とうもろこしには、不溶性食物繊維の一種であるセルロースをはじめ、リノール酸やビタミン類などの栄養素が含まれており、以下のような健康に対する働きが期待できます。




●便秘を解消する効果
便秘とは便の水分が減り硬くなり、便が1週間近く排出できない状態のことをいいます。便秘は慢性的なものですが腹痛や頭痛、食欲不振などの症状が現れることもあります。
とうもろこしに含まれている不溶性の食物繊維であるセルロースが腸内で水分を吸収して膨らみ、腸管を刺激して腸のぜん動運動を高めることで便の排出が促されます。

●腸内環境を整える効果​
とうもろこしに含まれている不溶性食物繊維のセルロースには、腸内環境を整える効果があります。
私たちが食べた物は、胃で消化され、腸で吸収された栄養素が血液にのって全身へと行き届きます。腸内環境が乱れていると、体にとって悪いものまで吸収され、血液が汚れます。その結果、様々な体の不調や病気が引き起こされます。
腸内には善玉菌や悪玉菌と呼ばれる細菌が存在しており、これらの細菌が腸内環境を左右しています。
腸内に悪玉菌が増殖すると、消化されていない物の腐敗が進み、腐敗物が吸収されてしまうため血液やリンパ液が汚れ、免疫力が低下します。一方、善玉菌が増殖すると、便通が良くなり栄養の吸収率が高まります。
したがって、腸内環境を整えることにより免疫力の向上や便通の改善、肌がきれいになるなど全身に良い効果が期待できます。
不溶性食物繊維のセルロースには腸内の善玉菌を増やす働きがあります。そのため、腸内環境を整えることが期待されています。

●動脈硬化を予防する効果
とうもろこしの胚芽部分に豊富に含まれているリノール酸には、動脈硬化を予防する効果があります。
動脈硬化とは血管が硬くなり、弾力性が失われた状態をいいます。進行すると血管の中にコレステロールが溜まり、血液の流れがスムーズにいかなくなります。血管の老化現象ともいわれており、悪化すると脳出血や脳梗塞、眼底出血[※6]などの病気に発展する可能性があります。
コレステロールには悪玉(LDL)コレステロールと、善玉(HDL)コレステロールがあります。悪玉(LDL)コレステロールは生活習慣病の原因となり、善玉(HDL)コレステロールは血中の余分なものを肝臓に運び代謝を促進する働きがあります。
とうもろこしに含まれているリノール酸は悪玉(LDL)コレステロール値を下げる働きがあるといわれており、動脈硬化を予防する効果に期待ができます。
ただし、過剰に摂取してしまうと悪玉(LDL)コレステロールとともに善玉(HDL)コレステロールも減少させてしまうため、注意が必要です。【1】

●疲労回復効果
とうもろこしに含まれているビタミンB1には疲労を回復させる効果があります。
ビタミンB1は食事から摂った糖質をエネルギーに変えるために必要不可欠な栄養素です。糖質をエネルギーに変える力が低下してしまうと、体内の疲労物質である乳酸が溜まり、疲れやすくなります。

●血行を促進する効果
とうもろこしに含まれているビタミンEが末梢血管を広げ血行を促進します。
また、全身の血行が良くなることで、細胞の生まれ変わりである新陳代謝が活発になり、肌にハリがでます。

[※6:眼底出血とは、眼底(瞳から入ってきた光が突き当たる眼球の奥の部分)から何らかの原因で出血した状態をいいます。]

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とうもろこしはこんな方におすすめ

○便秘でお悩みの方
○風邪をひきやすい方
○動脈硬化を予防したい方
○疲労を回復したい方

とうもろこしの研究情報

【1】正常健常者およびコレステロール血症者にトウモロコシを摂取させると、HDLコレステロール、トリアシルグリセロール値、グルコース濃度に変化は認められませんでしたが、LDLコレステロール値を下げました。これらのことから、トウモロコシの摂取は、高コレステロール血症患者のLDLコレステロール値を低下させる働きがあると考えられます。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10999015

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参考文献

・野間佐和子 旬の食材 春‐夏の野菜 講談社

・荻野善之 野菜まるごと大図鑑 主婦の友社

・則岡孝子 栄養成分の事典 新星出版

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