本文へ


わかさの秘密トップ > 成分情報 > エルゴチオネイン

作成日 2011年10月29日
更新日 2014年05月08日

エルゴチオネイン

ergothioneine
L-エルゴ  チアジン

エルゴチオネインとは、キノコなどの菌類や一部の細菌のみが合成できる成分で、抗酸化作用が強く、DNAの損傷や過酸化脂質の生成を防ぐ働きが期待されています。また抗酸化作用に加え、光による肌の老化を抑制する効果があるといわれており、美容の面からも注目されている成分です。

エルゴチオネインの健康効果
◎活性酸素を除去する効果
◎美肌効果

目次

エルゴチオネインとは

●基本情報
エルゴチオネインとは、キノコ類などの菌類や一部の細菌のみが合成できる成分で、含硫アミノ酸[※1]の一種です。水に溶ける性質を持ち、熱や酸に強く、120℃に2時間置いたとしてもほとんど影響を受けないといわれています。
エルゴチオネインは元々多くの生物に存在しますが、動植物では自身で合成ができず、キノコなどの菌類と一部の細菌のみしか生み出すことができません。エルゴチオネインを生み出すことができない植物は、土壌細菌がつくりだしたエルゴチオネインを根から吸収し、また動物は植物を摂取することによってエルゴチオネインを体に貯蔵します。同様に、人間も自身で生成することができないため、食べ物からエルゴチオネインを摂取することで、肝臓や腎臓、赤血球、皮膚などに貯蔵しています。
キノコに含まれるエルゴチオネインは、菌床や石づきなど普段は捨てられるような部分にもあります。
エルゴチオネインは、抗酸化作用が強く、DNAの損傷や過酸化脂質[※2]の生成を防ぐ働きが期待されています。また抗酸化作用に加え、エルゴチオネインには、光による肌の老化を抑制する効果があるといわれており、美容面からも注目されている成分です。

●エルゴチオネインの歴史
エルゴチオネインは1909年にM.C.Tanretによって麦角[※3]から発見されたアミノ酸です。チオとは、硫黄(イオウ)原子を意味します。その後、1911年にG.BargerとA.J.Ewinsによって、化学構造が決定されました。1920年には動物の血液中にも存在するということがわかりました。

●エルゴチオネインを含む食品
エルゴチオネインはシイタケやヒラタケなどのキノコ類に多く含まれており、人間は、エルゴチオネインを生成することができない人間は、食物から積極的に摂取する必要があります。エルゴチオネインを特に多く含む食材に、ササクレヒトヨタケがあります。
ササクレヒトヨタケは円柱型の白い絹のようなカサを持ち、白くささくれた毛皮のような鱗片に覆われた美しい姿をしています。マシュマロのような口当たりで美味しく、特に油との相性が良いといわれています。

[※1:含硫アミノ酸とは、硫黄を含んだアミノ酸のことです。]
[※2:過酸化脂質とは、コレステロールや中性脂肪などの脂質が活性酸素によって酸化されたものの総称です。]
[※3:麦角(ばっかく)とは、イネ科植物の穂につく、黒色がかった組織のことです。麦角菌という菌が植物に寄生してつくられます。]

このページのトップへ

エルゴチオネインの効果

●活性酸素を除去する効果
エルゴチオネインには強い抗酸化作用があるため、活性酸素によるDNAの損傷や過酸化脂質の生成を防ぎます。エルゴチオネインの抗酸化力は非常に高く、その力はL-システイン[※4]やビタミンC(アスコルビン酸)などの他の抗酸化成分よりも強いといわれています。
DNAの損傷により遺伝子にエラー(ミス)が生じ、ガンなどの病気を引き起こされるといわれています。
また、過酸化脂質が体内で増加しすぎると、血管の内壁にとどまり、動脈硬化などの生活習慣病を引き起こす危険があります。血管の老化現象ともいわれる動脈硬化は、40歳以上の方に多く見られる症状で、動脈硬化によって血流が悪くなると、さまざまな臓器の働きに弊害が生じます。その結果、脳梗塞や心筋梗塞などを引き起こす危険性が高くなります。
このように、エルゴチオネインには活性酸素の働きを抑制する効果があります。【1】

●美肌効果
エルゴチオネインは、しわやたるみを防ぐエラスターゼ[※5]活性阻害作用やシミの原因をつくらないチロシナーゼ[※6]活性阻害作用があるといわれています。
エラスターゼは肌のハリや弾力を保つために必要なエラスチンを分解する酵素です。エルゴチオネインは、このエラスターゼの活性を阻害することでエラスチンを守り、肌のハリを回復させたり、維持する効果が期待されています。
また、エルゴチオネインはシミやそばかすの原因となるメラニンを生み出すチロシナーゼの活性を阻害します。
さらにエルゴチオネインは光がもたらすダメージから目を守る働きがあります。紫外線によって皮膚の表皮や真皮を構成する細胞がダメージを受け、シミ、しわなどの皮膚の老化を促進します。エルゴチオネインには活性酸素の働きを抑える効果があるため、光による肌の老化を抑制します。
このように、エルゴチオネインには美肌を生み出す効果があります。【2】【3】



●その他の効果
エルゴチオネインは強い抗酸化作用を持つことから、活性酸素による神経細胞へのダメージを緩和することが報告されています。神経細胞、特に脳神経細胞がダメージを受けると、認知症やアルツハイマー病などの様々な病気が生じることから、エルゴチオネインは脳神経を保護し、アルツハイマー病予防効果が期待されています。【4】【5】

[※4:L-システインとは、非必須アミノ酸の一種で、毛髪や皮膚、爪の多くに存在し、肌の生まれ変わりを促進します。]
[※5:エラスターゼとは、エラスチンを分解する酵素です。]
[※6:チロシナーゼとは、アミノ酸であるチロシンを酸化して、メラニンをつくる酵素のことです。この酵素を阻害することにより、メラニンの生成をくいとめ美白効果が働きます。]

このページのトップへ

食事やサプリメントで摂取できます

エルゴチオネインを含む食品

○ササクレヒトヨタケ
○シイタケ
○ヒラタケ

こんな方におすすめ

○老化を抑制したい方
○美肌を目指したい方

エルゴチオネインの研究情報

【1】エルゴチオネインは、鉄、銅イオンや過酸化水素による活性酸素に対するラジカル捕捉作用を持ち、エルゴチオネインは高い抗酸化作用を持つと考えられています。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/1654816

【2】皮膚繊維芽細胞を用いて試験した結果、エルゴチオネインはコエンザイムQ10 よりも、過酸化脂質の抑制ならびに紫外線照射による活性酸素を抑制したことから、エルゴチオネインは皮膚老化予防に役立つと考えられています。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17760697

【3】培養繊維芽細胞を用い、エルゴチオネインを投与したところ、紫外線照射による炎症関連物質TNF-αやMMPの活性化が抑制されたことから、エルゴチオネインは紫外線照射に対する抗炎症作用や老化予防効果を持つと考えられています。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15744438

もっと見る

このページのトップへ

参考文献

・大島敏明, 2011 "エルゴチオネインの食品の酸化的変色防止効果" 食品と容器. 2011 vol.52(7): 432-8.

・日本健康食品・サプリメント情報センター 編 健康食品・サプリメント(成分)のすべて 同文書院

・Akanmu D, Cecchini R, Aruoma OI, Halliwell B. 1991 "The antioxidant action of ergothioneine." Arch Biochem Biophys. 1991 Jul;288(1):10-6.

もっと見る

このページのトップへ

この成分を見た人はこんな成分も見ています