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作成日 2011年08月25日
更新日 2014年04月30日

フィーバーフュー

feverfew
ナツシロギク コシロギク
Tanacetum parthenium.L

フィーバーフューとは、古くからハーブとして親しまれてきたキク科の植物です。
その香りは独特で、片頭痛や関節リウマチなどに効果があるとされています。


フィーバーフューの健康効果
◎片頭痛を改善する効果
◎炎症を抑える効果

目次

フィーバーフューとは?

●基本情報
フィーバーフューとは、高さ30~80cmのキク科ヨモギキク属の多年草[※1]で、葉や茎はハーブとして利用されています。葉はそのまま食べたり、茎と一緒に乾燥させ、ハーブティーに利用されたりしています。
原産地は、バルカン半島や南西アジア、カフカス地方で、現在はヨーロッパ東部からアジア西南部にかけて分布しており、北米、チリなどでは野生化したものが見られます。日本では、園芸用や観賞用として親しまれ、白い花が夏にかけて開花することから、ナツシロギク(夏白菊)と呼ばれています。
葉は緑から黄緑色で、ヨモギに似た形状をしており、強い芳香を持っています。
また、花は6~7月に花径1.5~2cmの淡黄色、あるいは白い小さな多弁の花が咲きます。その姿から、ゴールデンボールやスノウボールとも呼ばれています。
フィーバーフューという名前は、ラテン語の「fevrifuga(フィブリフューガ)」に由来しており、解熱作用を示す物質という意味を持っています。発熱の際に使用していたこともありましたが、現在では頭痛の鎮静などに用いられています。
また、学名のTanacetum parthenium.Lは、ギリシャ語の「不滅」を意味する「athanasia(アタナシア)」と、女性の月経困難症を緩和したことから、若き乙女を意味する「parthenos(パルテノス)」に由来しています。また、花が長持ちすることから、変わらぬものの象徴とされることもあります。

●フィーバーフューの歴史
フィーバーフューは、その薬用から古くからハーブとして親しまれており、古代ギリシャの時代から、炎症や月経困難、腫れのための治療薬として用いられてきました。古代ギリシャのパルテノン神殿から転落した人の命を救ったという伝説も残っているほど、ハーブの世界では有名で、ハーブ愛好家であるハーバリストの間でも人気の植物です。
1600年代のイギリスの医師たちの間では、発熱や関節炎の治療の際の鎮痛剤として使用されており、非常に効果があるといわれていました。
1978年には、イギリスの新聞に、一人の女性がフィーバーフューの葉を使用して片頭痛を治したという記事が掲載されたことにより注目され始め、本格的に研究が始まったといわれています。
その後、1980年代にイギリスの医学誌Lancet(ランセット)に片頭痛に悩む方を対象にした試験で、フィーバーフューの葉を噛んだ方の約70%が、片頭痛の回数が減り、痛みがなくなったことが報告されました。
1988年、フィーバーフューの主成分パルテノライドが片頭痛の一因であるセロトニン[※2]、プロスタグランジン[※3]などの物質を抑制することが発見され、ハーバリストの間では何世紀も前から常識とされていたことが、ついに医学界でも認められたのです。

●フィーバーフューに含まれると性質
フィーバーフューには、有効成分として、葉の中に様々な種類のセスキテルペンラクトン類が含まれており、これらが相互的に働き効果を発揮しているといわれています。
特にセスキテルペンラクトン類のひとつ、パルテノライドは片頭痛に働きかける物質として有名です。
セスキテルペンとは、イソプレンといわれる二重結合2つからなる炭化水素[※4]が3つ組み合わさっているものをいい、植物や動物、菌類などによってつくり出される生体物質のことです。テルペンとは、精油の主成分で、天然の香料成分を指すため、セスキテルペンとは、イソプレンが3つ組み合わさった精油を意味します。
パルテノライドは、片頭痛をはじめ、片頭痛に伴う吐き気や光過敏症[※5]、また生理痛への効果も期待される成分です。

<豆知識>虫の天敵とされるフィーバーフュー
フィーバーフューは、鎮静などの目的で使われるのが一般的ですが、強い芳香によりハチやアリを近づけない防虫剤のような目的でも使用されていました。
そのため、人間にとっても適量を超えると不快感や、頭痛を生じさせる匂いであるため、使用の際には注意が必要です。

[※1:多年草とは、茎の一部、地下茎、根などが枯れずに残り、複数年にわたって生存する草のことです。]
[※2:セロトニンとは、精神を落ち着かせる働きのある神経伝達物質のことです。]
[※3:プロスタグランジンとは、体内に細菌が侵入した時に、体内でつくられるホルモン様物質のことです。炎症、発熱を引き起こす原因と言われています。]
[※4:炭化水素とは、炭素原子と水素原子だけでできた化合物の総称です。]
[※5:光過敏症とは、わずかな光にも反応し、短時間でも日光にさらされると、その部分の皮膚がヤケドをした状態になり、炎症を起こす病気を指します。] 

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フィーバーフューの効果


●片頭痛を改善する効果
フィーバーフューは古くから、片頭痛に良いとされてきました。
1988年に行われた研究では、片頭痛に悩む方に対し、フィーバーフューの葉抽出物が入ったカプセルと、キャベツの乾燥粉末のカプセルとをそれぞれ4ヵ月間摂取させた所、フィーバーフューを摂っていた群の片頭痛の起こる回数が減少し、痛みの軽減、嘔吐や視覚の乱れがなくなったという報告があります。

片頭痛とは、頭痛の一種で、偏頭痛とも表記され、頭の片側にのみ発作的に発生し、脈を打つように痛みを生じるのが特徴です。片頭痛は、軽度のものから、吐き気を伴う重度のものに分類されます。
片頭痛の明確な原因は未解明ですが、一般的に知られている原因として、脳の動脈が収縮した後に広がり、この際に血管の近くの痛みを感じる器官が刺激されることが挙げられます。
セロトニンとは、神経伝達物質の一種で、脳血管収縮作用を持っています。また、感情のコントロール、生体リズムの調節、睡眠、体温調節などに関与しています。また、ドーパミン[※6]やノルアドレナリン[※7]などの神経伝達物質をコントロールすることで、心のバランスをとる働きもあります。
セロトニンの分泌を原因とする片頭痛は、ストレスや飲酒、過労、睡眠不足などの外的要因が誘因となり、脳内の血管が膨張し、それを鎮めるためにセロトニンという物質が多量に分泌され、血管が収縮します。その後、セロトニンが急激に減少することにより、脳内の血管が再度拡張し、血管周囲の神経が圧迫されます。このことが刺激となって血管の周りを取り巻く神経を通って脳に伝わり、痛みとして認識されるのです。
フィーバーフューに含まれるパルテノライドは、血流を改善する働きや、セロトニンの放出を抑制する働きがあることが明らかとなっています。【1】【2】【3】

●炎症を抑制する効果
フィーバーフューに含まれるパルテノライドは、炎症の原因物質であるプロスタグランジンを抑制する効果があるといわれています。
プロスタグランジンとは、生理活性物質の一種で、人間の様々な生体機能を調節する重要な役割を行っています。
しかし、一方、炎症や痛み、腫れ、発熱などを起こしてしまいます。
フィーバーフューは、プロスタグランジンの生成をパルテノライドによって阻害するため、炎症を抑制する効果があるといわれています。このことからイギリスでは慢性関節リウマチの痛みをやわらげるために使用されています。【3】

[※6:ドーパミンとは、中枢神経に存在する神経伝達物質の一種です。運動調節、ホルモン調節、快の感情、意欲、学習などに関わっています。]
[※7:ノルアドレナリンとは、交感神経末端や中枢神経などに広く分布する神経伝達物質の一種です。怒りに関係する興奮物質であると考えられています。] 

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食事やサプリメントで摂取できます

こんな方におすすめ

○片頭痛でお悩みの方
○関節リウマチでお悩みの方

フィーバーフューの研究情報

 
  【1】60名の片頭痛患者を対象にフィーバーフューおよびしょうがを1ヵ月間舌下投与し、片頭痛の症状の抑制効果を見たところ、頭痛の頻度が減少し、また、口内のしびれおよび吐き気の減退が見られました。フィーバーフューおよびしょうがは、激しい頭痛の発症前の軽い頭痛が起こりやすい片頭痛患者に対し有効で、フィーバーフューには片頭痛を抑える効果があることが示唆されました。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21631494

【2】24名の女性(19~61歳)を対象に30~60日間、1日1回、フィーバーフュー5 mlを投与しました。結果として、8名において片頭痛指数の有意な減少を確認しました。このことは、フィーバーフューが片頭痛予防に有益である可能性を示唆しました。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10719691

【3】マウスとラットに対してフィーバーフューを経口投与し、効果を調査しました。投与量が多いほど痛みを抑え、消炎作用も持っていました。さらに、フィーバーフューを40 mg/kgあるいは60 mg/kgを与えたグループで、運動能や睡眠に影響は与えないこともわかりました。このことから、フィーバーフューは動物の通常の行動を変えずに、痛みを抑え、抗炎症効果を持つことが示唆されました。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10624885

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参考文献

・「ハーブ」プロジェクトチーム 薬用ハーブの機能研究 株式会社健康産業新聞社

・Cady RK, Goldstein J, Nett R, Mitchell R, Beach ME, Browning R. 2011 “A double-blind placebo-controlled pilot study of sublingual feverfew and ginger (LipiGesic™ M) in the treatment of migraine.” Headache. 2011 Jul-Aug;51(7): 1078-86.

・Prusiński A, Durko A, Niczyporuk-Turek A. 1999 “[Feverfew as a prophylactic treatment of migraine].” Neurol Neurochir Pol. 1999;33 Suppl 5:89-95.

・Jain NK, Kulkarni SK. 1999 “Antinociceptive and anti-inflammatory effects of Tanacetum parthenium L. extract in mice and rats.” J Ethnopharmacol. 1999 Dec 15;68(1-3): 251-9. 

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