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作成日 2011年08月25日
更新日 2014年05月21日

フコキサンチン

fucoxanthin

フコキサンチンは強い抗酸化力のあるカロテノイドの一種です。鮮橙色をしており、コンブやワカメなどの海藻類に豊富に含まれています。抗酸化作用だけでなく、抗肥満作用・抗糖尿病作用などがわかっており、非常に注目されています。

フコキサンチンの健康効果
◎老化や病気から体を守る効果
◎メタボリックシンドロームを予防する効果
◎糖尿病を予防する効果

目次

フコキサンチンとは

●基本情報
フコキサンチンとは、自然界に600種類以上もあるカロテノイドの一種で、鮮橙色をしています。カロテノイドは大きく分けると、アルコールに溶けるカロテン類とアルコールに溶けないキサントフィル類に分類されます。フコキサンチンはルテインやアスタキサンチンなどと同じく、アルコールに溶けないキサントフィル類に分類されます。
フコキサンチンは海藻では褐藻[※1]にのみ含まれています。野菜や果物には複数のカロテノイドが含まれていますが、褐藻のカロテノイドの大部分をフコキサンチンが占めています。フコキサンチンの含量は生の褐藻100gあたりおよそ、コンブで19mg、ワカメ11mg、アラメ7.5mg、ホンダワラ6.5mg、ヒジキ2.2mgです。乾物にすると含有量は減少するため、フコキサンチンは酸化[※2]に弱いと考えられます。また褐藻をエサとする貝類のカキやホヤにも多く含まれています。
フコキサンチンは、血液中でフコキサンチノールとして存在しています。他のカロテノイドに比べ強い抗酸化力[※3]を持っており、研究者の中でも注目を浴びています。

●フコキサンチンの歴史
フコキサンチンは1914年に発見され、1969年に化学構造が決定されました。また、1999年には抗ガン作用があるとして研究者の関心を集めました。その後抗肥満作用、抗糖尿病[※4]作用についても研究が進められ、その多機能性が非常に注目されています。

[※1:褐藻とは、藻類の一種です。藻類は色調により、緑藻類、褐藻類、紅藻類、藍藻類に分けられます。]
[※2:酸化とは、物質が酸素と化合し、電子を失うことをいいます。サビつきともいわれています。]
[※3:抗酸化力とは、たんぱく質や脂質、DNAなどが酸素によって酸化されるのを防ぐ力です。]
[※4:糖尿病は、インスリンの不足などによって糖代謝がうまくいかなくなる病気です。もともとインスリンが不足している場合と、年齢や生活習慣によってインスリンが不足していく場合があります。]

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フコキサンチンの効果

●老化や病気から体を守る効果
フコキサンチンが持つ抗酸化力は、体内に必要以上に発生した活性酸素[※5]の増加を抑えて老化を予防するほか、動脈硬化、脳卒中、心筋梗塞など心臓血管系の病気の予防に役立ちます。本来、活性酸素は体の中に入ってきた細菌やウイルスを退治する働きを持つため、人間の体にとって必要なものですが、増えすぎるとその強力な作用により細胞を傷付けてしまうため、生活習慣病や老化の原因となります。
活性酸素は、ストレス、紫外線、喫煙、過剰な運動などが原因で増加するといわれており、現代人の生活環境は、活性酸素によるダメージを受けやすいといえます。

●メタボリックシンドロームを予防する効果
フコキサンチンには、メタボリックシンドローム[※6]の予防にも効果があることがわかっています。脂肪組織には白色細胞組織と褐色脂肪組織の2種類があり、それぞれ異なった働きがあります。白色脂肪組織は過剰に摂取したエネルギーを脂質として溜めこむ働きがあります。一方褐色脂肪組織は脂肪を分解し、熱を発生することで体温の保持と余分なエネルギーを消費する働きがあります。
2005年に行われた研究では、ワカメから抽出した油をラットやマウスに投与すると白色脂肪が減少したという結果が出ています。ワカメから抽出した油には主に糖脂質とフコキサンチンが含まれていますが、これをそれぞれ分離して投与したところ、フコキサンチンを投与した場合のみ白色脂肪の減少がみられました。このことからも、フコキサンチンにメタボリックシンドロームを予防する効果があると考えられます。【1】【2】



<豆知識>白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞
脂肪細胞には白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞の2種類が知られています。白色脂肪細胞は全身に分布しており、脂肪をため込む細胞です。脂肪をため込んで肥大化することで、肥満の原因になります。
褐色脂肪細胞は、その名の通り褐色をしている脂肪細胞です。全身に分布している脂肪細胞のうちのほんのわずかしか存在していません。褐色脂肪細胞はエネルギーをつくり出すミトコンドリアが多数存在しており、エネルギーをつくり出し、熱を生み出す細胞です。平熱の維持やエネルギー補給のために大切な役割を持っています。

●糖尿病を予防する効果
フコキサンチンは糖尿病の予防効果があります。フコキサンチンは糖の代謝[※7]を促進し、血糖値[※8]を減少させる働きがあることが分かっています。また、フコキサンチンを投与することにより、血糖値の増大にかかわるアディポサイトカイン[※9]の分泌を抑制するという研究結果も出ています。フコキサンチンには糖の代謝を促進し、アディポサイトカインの分泌も抑制することから糖尿病を予防する効果があると考えられます。【3】


[※5: 活性酸素とは、普通の酸素に比べ、著しく反応性が増すことで強い酸化力を持った酸素のことです。ストレス、紫外線、喫煙などの要因によって体内で過剰に発生した場合、脂質やたんぱく質、DNAなどに影響し、老化などの原因になるとされます。]
[※6:メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪型肥満に高血糖、高血圧、脂質異常症のうち2つ以上を合併した状態をいいます。]
[※7:代謝とは、生体内で物質が次々と化学的に変化して入れ替わることです。また、それに伴ってエネルギーが出入りすることを指します。]
[※8:血糖値とは、血液中にブドウ糖がどれくらいあるのかを示すものです。ブドウ糖が血液中にあふれてしまうと血糖値が高くなります。]
[※9:アディポサイトカインとは、脂肪細胞が分泌するホルモンの一種です。]

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食事やサプリメントで摂取できます

フコキサンチンを含む食品

○コンブ
○ワカメ
○アラメ
○カキ
○ホヤ

こんな方におすすめ

○老化を防ぎたい方
○肥満を防ぎたい方
○糖尿病を予防したい方

フコキサンチンの研究情報

【1】褐色脂肪細胞内のミトコンドリアに存在する脱共役タンパク質であるUCP1は、脂質を燃焼し、体温の保持、カロリーの消費に役立つ重要なタンパク質です。ワカメから抽出されたフコキサンチンは、UCP1のはたらきを活性化させることから、抗肥満作用を有すると考えられています。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15896707

【2】3T3-L1脂肪前駆細胞を用いて、フコキサンチンおよびその代謝産物を添付した結果、脂肪前駆細胞から脂肪細胞への分化を抑制しました。フコキサンチンは、脂肪生成経路遺伝子のペルオキシソーム増殖活性化受容体γ(PPAR-γ)の発現を抑制するはたらきを持つから、抗肥満効果を持つと考えられています。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16786166

【3】糖尿病マウスを対象に、0.1%および0.2%フコキサンチン含有食品を4週間食べさせた結果、インスリンのはたらきを抑制し血糖値の上昇させるTNF-αの活性が抑制され、血糖値上昇が50% 抑制されたことから、フコキサンチンは血糖値上昇抑制効果ならびに糖尿病予防効果を持つと考えられています。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17715888

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参考文献

・宮下和夫 細川雅史 海藻に含まれる多機能性カロテノイド 日本水産学会誌

・宮下和夫 化学と生物 社団法人 日本農芸化学会

・金沢和樹 フコキサンチン 日本食品科学工学会誌

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