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作成日 2011年08月25日
更新日 2016年03月03日

グルタミン酸

glutamic acid

グルタミン酸は体内で合成することができる非必須アミノ酸の一種で、リラックス成分であるGABA(ギャバ)を生成します。アンモニアを解毒し、尿の排出を促進する効果や脳の機能を活性化する効果があります。また、日本で最初に発見されたうま味物質として調味料などに活用されています。

グルタミン酸の健康効果
◎アンモニアの解毒作用・利尿効果
◎脳を活性化する効果
◎脂肪の蓄積を抑える効果
◎美肌効果
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◎血圧を下げる効果

目次

グルタミン酸とは?

●基本情報
グルタミン酸とは体内で合成することができる非必須アミノ酸[※1]の一種で、興奮系の神経伝達物質[※2]としても働きます。グルタミン酸には脳の機能を活性化する効果やアンモニアの解毒・利尿効果があり、筋肉や免疫力を強化するたんぱく質を構成する働きを持つため、人間の生命維持に大切な役割をしています。また脳の興奮を鎮めるGABA(ギャバ)を生成する働きもあります。
グルタミン酸は最初に発見されたうま味物質であり、調味料などにも活用されています。

●グルタミン酸の歴史
グルタミン酸は1866年、ドイツの化学者リットハウゼンによって、小麦のたんぱく質であるグルテン[※3]の加水分解物[※4]から発見されました。1908年、東京帝国大学(現東京大学)教授であった池田菊苗は、グルタミン酸がうま味物質であることを発見し、それまで考えられていた「甘味、塩味、酸味、苦味」の4つの基本味に加え、5番目の基本味として「うま味」が存在することを発表しました。
その後研究が進められ、グルタミン酸はナトリウムと結びついた形にすることで、水に溶けやすく、よりうま味を増すことがわかりました。池田菊苗のすすめもあり、鈴木三郎助がグルタミン酸ナトリウムの商品化に取り組み、1909年に世界初の化学調味料が発売されました。現在では世界中にうま味物質の存在が知れ渡り、英語で「umami」として国際的な認識も得ています。
グルタミン酸やグリシンアラニンなどのアミノ酸は1969年にオーストラリアのマーチソンに落ちた隕石からも発見されており、宇宙にもグルタミン酸をはじめとするアミノ酸が存在すると考えられています。

●グルタミン酸を含む食品
グルタミン酸は昆布などの海藻や白菜、緑茶トマトなどの植物性食品にうま味成分として含まれています。化学調味料のグルタミン酸はナトリウムと結びついた形であるグルタミン酸ナトリウムとして配合されています。また化学調味料に含まれるグルタミン酸の多くは、さとうきびやでんぷんを微生物によって発酵させたものから生成されます。

●グルタミン酸の過剰症・欠乏症
天然のグルタミン酸を過剰に摂取すると、睡眠障害や神経症、幻覚などが生じる恐れがあるといわれています。また、化学調味料であるグルタミン酸ナトリウムを過剰に摂取すると、頭痛やのぼせ、手足のしびれが起きるといわれています。
またグルタミン酸が不足すると、脳の働きの低下や排尿阻害などが引き起こされます。しかしグルタミン酸は身近な食品に多く含まれるため、日本人の食生活において不足することは基本的にないといわれています。



<豆知識①>うま味成分が持つ働き
グルタミン酸などのうま味成分は、うま味を食品に与えるだけでなく風味を増加させ、食欲をかきたてる働きもあります。
また、うま味は消化を促進する効果があるといわれています。ロシア科学アカデミーによる研究で、イヌのエサにグルタミン酸を含むうま味物質を添加すると、胃液の分泌が促進されることが判明されました。消化能力が低下した慢性萎縮性胃炎の患者にグルタミン酸ナトリウムを摂取させると、胃液の分泌が促進されることも明らかになっています。
また、うま味物質同士を組み合わせることで、うま味を格段に強く感じられることも特徴のひとつです。例えば、日本料理ではグルタミン酸の豊富な昆布と、同じくうま味物質であるイノシン酸[※5]が豊富に含まれているかつお節を組み合わせることで、うま味の相乗効果を発揮しています。

<豆知識②>納豆に含まれるポリグルタミン酸
ポリグルタミン酸とは、グルタミン酸が5000個以上もの数で結合したもので、納豆のネバネバのもととなる成分です。納豆のポリグルタミン酸に放射線を照射すると、納豆樹脂が生成されます。納豆樹脂は1gで5リットルものを蓄えられるため、乾燥地帯の給水にも活用できるのではないかと考えられています。

[※1:非必須アミノ酸とは、体内で合成が可能なアミノ酸のことです。グリシン、アラニン、セリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、アルギニン、システイン、チロシン、プロリンの11種類です。]
[※2:神経伝達物質とは、神経細胞の興奮や抑制を他の神経細胞に伝達する物質のことです。]
[※3:グルテンとは、小麦などから生成されるたんぱく質の一種です。]
[※4:加水分解物とは、反応物における水の反応によって、得られた分解物を指します。]
[※5:イノシン酸とは、ヌクレオチドの一種で、かつお節のうま味成分です。]

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グルタミン酸の効果

●アンモニアの解毒作用・利尿効果
グルタミン酸は、脳の機能にダメージを与えるアンモニアをとらえ、グルタミンを合成することでアンモニアを無毒化し、それらを含む尿の排出を促進する効果があります。
アンモニアはたんぱく質の分解によって生じ、血液中に溶けて肝臓で無毒化された後、尿として体外へ排出されます。アンモニアが体内に蓄積されると、神経伝達物質の働きが阻害され、さらには脳症などを引き起こしてしまいます。また、アンモニアは細胞の中に入りこみ、エネルギーをつくり出す器官であるミトコンドリアの働きを衰えさせます。そのため、アンモニアの量が過剰に増えることで、エネルギーがうまくつくり出せず、疲労の蓄積や組織の老化、免疫力の低下まで引き起こしてしまうのです。
グルタミン酸はアンモニアを取り込みグルタミンに変換することで、アンモニアを無毒化し、尿の排出を促進する効果があります。



●脳を活性化する効果
体内に取り込まれたグルタミン酸は、主に興奮系の神経伝達物質として働き、脳機能を活性化させます。そのため、認知症の予防効果や記憶力や学習能力などを高くするともいわれています。
ただし、とりすぎると逆に脳細胞に障害を与える可能性があるので注意が必要です。

●脂肪の蓄積を抑える効果
高脂肪の食事のみで飼育されたラットが、グルタミン酸を摂取することで皮下また内臓での脂肪の蓄積を抑制するということが明らかとなっており、このことからグルタミン酸は脂肪の蓄積を抑制する効果が期待されています。

●美肌効果
グルタミン酸は肌の美しさにも働きかけます。
人間の皮膚は、厚さが約2㎜で表面から表皮層、真皮層、皮下組織の3層に分かれており、さらに表皮層の一番表面は角質層と呼ばれます。わずか0.01mmの薄い角質層がウイルスや細菌などの異物から体を守り、肌のダメージを抑えます。その上、肌の水分が逃げないように水分を保持してくれます。
角質層の細胞はケラチン繊維[※4]と線維間物質から構成されており、線維間物質に肌の潤いを保持する天然保湿成分(NMF)が存在します。グルタミン酸をはじめとするアミノ酸は、天然保湿成分(NMF)の約40%を占めています。肌荒れを起こしやすい人は角質層に含まれるアミノ酸が不足しているという研究結果もあります。

●血圧を下げる効果
グルタミン酸には血圧を下げる効果があることが最近の研究により解明されました。
日本、中国、アメリカ、イギリスの4ヵ国4680人を対象とした食事に関する研究データを分析した結果、摂取するたんぱく質の総摂取量に占めるグルタミン酸の割合が4.72%増加すると、最大血圧が1.5~3.0mm、最小血圧1.0~1.6mm低下したことがわかりました。この血圧の低下によって、脳卒中による死亡率が6%、心疾患による死亡率が4%減少するといわれています。

[※4:ケラチン繊維とは、肌の角質層に存在するハリと弾力を保つ物質です。]

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食事やサプリメントで摂取できます

グルタミン酸を含む食品

○海藻
○白菜
○緑茶
○イワシ
○トマト

こんな方におすすめ

○体内の毒素を排出したい方
○脳を活性化したい方
○脂肪の蓄積が気になる方
○美肌を目指したい方
○血圧が高い方

グルタミン酸の研究情報

【1】グルタミン酸の摂取は、抗がん剤であるビンクリスチンに誘発される神経障害を軽減させるという報告があります。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/2897788

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参考文献

・櫻庭雅文 アミノ酸の科学 その効果を検証する 講談社

・船山信次 アミノ酸 タンパク質と生命活動の化学 東京電機大学出版局

・中村丁次監修 最新版からだに効く栄養成分バイブル 主婦と生活社

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