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作成日 2011年08月24日
更新日 2014年05月10日

ギムネマ

gymnema

ギムネマはインド原産のハーブの一種で、葉を噛むと甘味を感じにくくさせる作用があることで知られています。血糖値の上昇や脂肪の蓄積を抑える効果があるため、肥満予防のためのハーブティーやサプリメントとして利用されています。

ギムネマの健康効果
◎血糖値を下げる効果
◎肥満を予防する効果
◎便秘を解消する効果
◎虫歯を予防する効果

目次

ギムネマとは?

●基本情報
ギムネマとはガガイモ科のツル状の多年草[※1]であり、学名はギムネマ・シルベスタです。
ギムネマは、原産地であるインドの中南部のほか、タイやインドネシア、中国南部、アフリカの亜熱帯地域の標高1000mくらいまでの丘陵地や、山岳地の水はけの良い土壌にも自生しています。
ギムネマの葉は、卵型や楕円形の形をしており、長さ3~8cm、幅1.5~4cmほどの大きさがあります。
雨期が始まる頃に芽を出し、成長するとツル状となってほかの木に絡み付くようになります。このツルの長さは3~4mにも達するといわれています。

●ギムネマの歴史
古くから、ギムネマの葉を噛むと砂糖の甘味を感じにくくなることが知られており、ギムネマはヒンズー語で「グルマール(砂糖を壊すもの)」とも呼ばれていました。
インドの伝統医学であるアーユルヴェーダ[※2]では、2000年以上も前から、ギムネマが糖尿病の治療薬や、健胃・利尿・強壮作用がある薬草として用いられてきました。
19世紀の半ばには、インドに駐在していたイギリス人将校が、ギムネマの甘味を消す不思議な作用について本国に報告したことをきっかけに、ギムネマが研究者たちの注目を集めることとなりました。
その後、イギリスの化学者であるフーパーが、ギムネマの葉から甘味を抑える物質の抽出に成功し、その物質を「ギムネマ酸」と名付けました。

●ギムネマの働き
ギムネマの葉を噛むことで、一時的に砂糖などの甘味を感じにくくなる作用は、ギムネマに含まれる有効成分である、ギムネマ酸によるものだと考えられています。
ギムネマ酸には、グルクロン酸[※3]というブドウ糖によく似た構造の物質が含まれるため、舌の味蕾(みらい)[※4]にある甘味を感じる部分に結合して、その感覚を麻痺させるという仕組みがあります。
また、ギムネマ酸は甘味に対してのみ作用し、苦味や酸味、塩味には影響しないという特徴があります。
さらに、ギムネマは小腸での糖の吸収を抑える働きもあります。このような特性から、ギムネマは肥満を予防するための食品素材として用いられています。
主なギムネマの利用法としては、ギムネマの葉を乾燥させたハーブティーや、ギムネマから抽出された成分を配合したサプリメントがあります。

●ギムネマを摂取する上での注意
ギムネマは食事に含まれる糖質の吸収を抑える働きがあるため、食前に摂取すると効果的です。
また、ギムネマは血糖値をコントロールする作用があるため、糖尿病患者がギムネマを摂取する際には、医師への相談が必要です。

[※1:多年草とは、茎の一部、地下茎、根などが枯れずに残り、複数年に渡って生存する草のことです。]
[※2:アーユルヴェーダとは、インドで古くから語り継がれている東洋医学のひとつです。「予防医学」の考え方を重視し、世界保健機構(WHO)が正式に奨励している医学です。]
[※3:グルクロン酸とは、体内に入った有害物質を尿中に排出する解毒作用を持つ成分です。ヒアルロン酸などのムコ多糖類を構成する成分でもあります。]
[※4:味蕾とは、味を感じるための器官であり、花の蕾(つぼみ)のような形をしています。主に舌の上面に存在しており、人間の場合は約1万個あるといわれ、甘味・酸味・苦味・塩味をそれぞれ別の味蕾が受容しています。]

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ギムネマの効果


●血糖値を下げる効果
ギムネマには、血糖値を下げる効果があると期待されています。
血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖の量を表す数値です。
肥満や運動不足などの生活習慣が原因で、血糖値が正常に保てなくなると、糖尿病が引き起こされます。
糖尿病が悪化すると、全身の血管や神経などに悪影響を及ぼし、合併症や動脈硬化を引き起こしてしまいます。
食事中の糖質が体内に吸収されると、血糖値の急激な上昇を抑えるために、インスリンという血糖値を正常に保つホルモンが必要な量だけ分泌されます。しかし、糖尿病になると、インスリンの分泌が遅れるため、血液中のブドウ糖が処理されず、食後に血糖値が急激に上昇することがあります。
ギムネマは、小腸での糖の吸収を抑えるという働きがあり、血糖値の上昇を抑える効果があります。
また、8人の糖尿病患者にギムネマ葉粉砕物を摂取させた所、8人中2人は血糖値が正常に戻ったという試験結果が報告されています。【1】【2】【3】【4】



●肥満を予防する効果
肥満は、カロリーの高い食事による摂取エネルギーの増加のほかに、朝食を抜く、夜食を食べるといった不規則な食生活や、運動不足が原因となって引き起こされます。
肥満には、皮下脂肪が厚くなる「皮下脂肪型肥満」と、内臓の周りに脂肪が溜まる「内臓脂肪型肥満」があります。
内臓脂肪型肥満は、一見肥満には見えない体型でも、内臓に脂肪が溜まっている「隠れ肥満」のケースにも当てはまり、生活習慣病にかかりやすくなるといわれています。
肥満になると、コレステロールなどの脂質が血液中に流れ出し、動脈硬化を引き起こします。
また、動脈硬化が進むと血液の流れが悪くなり、高血圧につながります。
動脈硬化で細くなった血管には、血栓ができやすくなるため、心筋梗塞や脳梗塞などの命に関わる病気が発生する危険性が高まります。
ギムネマは、摂りすぎた糖を中性脂肪として体に蓄積されにくくする働きがあります。糖を吸収する小腸の受容体[※5]にギムネマ酸が先回りして、吸収を抑えることによって、余分な糖を体の外へと排出させることができるため、肥満を予防する効果があります。【5】【6】

●便秘を解消する効果
便通は1日1回が理想的とされています。しかし、不規則な生活によって排便の習慣が定着していないことや、食生活の欧米化による食物繊維の摂取量の減少によって、便秘が引き起こされやすくなっています。
また、食事量が少なくなると、便をつくる量が不足して便秘になることがあるため、ダイエットも便秘の大きな原因となります。
便秘になると、おなかの張りや痛みを感じるほか、肌トラブルが発生してしまいます。
ギムネマが糖の吸収を抑えた際に、吸収されなかった未消化物が食物繊維と似た働きをするため、便の量を増やして便秘を改善する効果があります。

●虫歯を予防する効果
砂糖の摂りすぎが原因となって発生する虫歯は、最も身近な生活習慣病のひとつといわれています。
虫歯が進行すると、痛みを感じたり歯を失うだけではなく、長期間放置することによって、敗血症[※6]などの病気を引き起こすことがあります。
虫歯は、口の中のストレプトコッカス・ミュータンス菌に由来するグルカンスクラーゼという酵素が、砂糖から歯垢(しこう)[※7]のもととなるグルカンを合成することによって発生します。
グルカンは食べかすなどを材料にして歯垢をつくり、口の中で細菌が増殖します。そして、歯垢の中で細菌により酸がつくられ、歯の表面にあるエナメル質の内側からカルシウムやリン酸などが溶かし出され、虫歯が進行します。
つまり、虫歯を予防するためには、グルカンの働きを抑えることが重要となります。
ギムネマは、虫歯菌によるグルカンの合成を抑え、虫歯の発生を予防する効果があります。

[※5:受容体とは、細胞表面や内部に存在している物質です。ホルモン・神経伝達物質・ウイルスなどと結合することにより、細胞の機能に影響を与えます。]
[※6:敗血症とは、傷やできものなどから細菌が血管に入り、血液の中をめぐることにより起こる病気のことです。高熱が出たり、呼吸困難や意識障害など、重度な症状が引き起こされます。]
[※7:歯垢とは、食べかすに虫歯や歯周病を引き起こす口の中の細菌が結合したもので、プラークとも呼ばれます。歯の表面に付着し、長期間経つと石灰化して歯石となり、口臭や歯周病、歯肉炎の原因となります。]

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ギムネマはこんな方におすすめ

○糖尿病を予防したい方
○肥満を防ぎたい方
○便秘でお悩みの方
○虫歯を予防したい方

ギムネマの研究情報

【1】ギムネマは小腸上皮から分泌されるインスリン分泌刺激ホルモン、GIP(gastric inhibitory peptide)の分泌を低下させました。GIPにはインスリン分泌を促進させるとともに、脂肪組織への脂肪の取り込みを促進する働きがあるため、肥満を引き起こします。ギムネマはGIPの分泌抑制効果を通じて、脂肪細胞への脂肪や栄養素の取り込みを抑制することで、抗糖尿病効果を示すと考えられます。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/1453221

【2】インスリン依存性Ⅰ型糖尿病患者64名において、インスリン治療に追加してギムネマ抽出物を1日あたり400mg 、12カ月間摂取させるとインスリン投与量が減少し、糖尿病の指標である空腹時血糖値や糖化ヘモグロビン(HbA1c)が減少しました。この結果より、ギムネマは抗糖尿病効果が確認されました。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/2259216

【3】ギムネマの抗糖尿病効果が期待される成分、gymnemic-tri-acetate を1日20mg/kg 、45日間摂取させると、糖尿病の指標となる糖化ヘモグロビン(HbA1c)、組織のグリコーゲン量、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、アルカリホスファターゼ(ALP)および酸性ホスファターゼ(ACP) において改善が認められ、さらにトリグリセリド、総コレステロール、LDL-コレステロール、HDL-コレステロールに改善が認められました。従って、gymnemic-tri-acetate には抗糖尿病効果が期待されます。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19703537

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参考文献

・NPO日本サプリメント協会 サプリメント健康バイブル 小学館

・CMPジャパン「ハーブ」プロジェクトチーム 編 薬用ハーブの機能性研究 健康産業新聞社

・原山 建郎 著 久郷 晴彦監修 最新・最強のサプリメント大事典 昭文社

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