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作成日 2011年08月22日
更新日 2016年02月22日

馬油(ばーゆ)

Horse oil

馬油とは、昔から民間療法で火傷の特効薬として利用されてきた馬の油です。
馬油は人間の皮脂に非常に近い性質を持ち、強力な浸透力があるため、肌に塗るとすぐにサラサラになります。
近年になり、馬油の持つ多彩な働きが明らかになってきており、注目が集まっています。

馬油の健康効果
◎美肌効果
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◎髪を健康に保つ効果
◎火傷などの傷を治癒する効果
◎血流を改善する効果
◎かゆみを抑える効果
◎鼻づまりを改善する効果
◎打撲、捻挫を緩和する効果

目次

馬油とは?

●基本情報
馬油とは、古くから民間療法で火傷の特効薬として親しまれている馬の油のことです。
馬油は人間の皮脂に非常に近い性質を持ち、強力な浸透力があるため、肌に塗るとすぐにサラサラになります。馬油最大の特徴は、この浸透力であるといわれています。
馬油は高度不飽和脂肪酸を多く含むため、質の良い油であるとされ、近年では火傷の特効薬としての働き以外にも、馬油の持つ多彩な働きに注目が集まっています。
馬油には、抗酸化作用[※1]や抗菌作用、消炎作用、保湿作用、血液循環促進作用などの働きがあることが分かっています。

●馬油の歴史
馬油の歴史は古く、約4000年前の中国騎馬民族の時代から使用されていたと考えられています。5~6世紀頃の名医別録[※2]や16世紀頃の本草綱目[※3]などの書物には馬油の効能が記録されており、中国では5~6世紀頃から馬油が薬用として使用されていたといわれています。日本で馬油が知られるようになったのは、約400年前に中国大陸から渡来した唐の名僧のひとりが、奈良の都に北上する道中であった九州で馬油の効用を伝えたことが始まりであるといわれています。

●馬油の特性
馬油には、本来であれば植物性の油脂に多く含まれている不飽和脂肪酸が豊富に含まれています。
油脂は動物性と植物性の2種類に分類され、一般的に動物性油脂には飽和脂肪酸、植物性油脂には不飽和脂肪酸が多く含まれています。飽和脂肪酸はコレステロールを増やす脂肪酸であるのに対し、不飽和脂肪酸はコレステロールの沈着を防ぐ働きを持つ脂肪酸です。動物性の油の多量摂取は控えたほうが良いといわれるのは、コレステロールを増やす飽和脂肪酸が多量に含まれているためです。
馬の油である馬油は、動物性の油脂であることに違いはありませんが、ラード(豚の脂)など他の動物性の油脂に比べて多くの不飽和脂肪酸が含まれていることがわかっています。さらに、馬油には不飽和脂肪酸の中でも質の良い高度不飽和脂肪酸が多く含まれていることが明らかにされています。高度不飽和脂肪酸は、人間の体内ではつくることのできない必須脂肪酸[※4]であり、欠乏すると発育障害につながる可能性があると考えられています。

●馬油に含まれる成分と働き
馬油には、人間の体内でつくられることのない必須脂肪酸の一種である、高度不飽和脂肪酸が豊富に含まれています。また、馬油が抽出される馬は、エサとしてα-リノレン酸を多く含む牧草を食しているため、馬油にもα-リノレン酸が豊富に含まれています。
馬油は人間の皮膚に深く浸透することによって、抗酸化作用や消炎作用を発揮するといわれています。皮膚の酸化を防ぎ、炎症を沈めたり、患部の熱を速やかに取り去り、腫れや痛み抑えたりする働きが期待されています。

馬油には、殺菌作用もあると考えられています。馬油の脂肪酸構成は人間の皮脂と大変良く似ているため、人間の皮膚の毛穴の奥深い隙間まで浸透することができます。馬油によって皮膚に薄い膜がつくられることで、細菌が皮膚に入り込むことを防ぎ、すでに皮膚の中に入り込んでしまっている細菌を封じ込めることで、繁殖を抑えます。また、馬油によって皮膚の隙間の空気が押し出され、同時に外からの空気が入り込めなくなるため細菌の繁殖を抑えられます

さらに、高い浸透力により、皮膚の皮下組織にまで浸透した馬油によって細胞が刺激され、さらに皮膚上にある油膜の影響で保温性と保湿性が高まることで、血液循環促進作用が期待できます。

馬油の持つ高い栄養価と血液の循環を良くする働きによって、つやのある髪を保ち、抜け毛を予防することができます。馬油を頭皮につけ、揉み込むようにマッサージすることによって、頭皮に栄養と刺激が与えられ、さらに血液の循環も良くなるため、髪の健康を保つことができると考えられています。

馬油は副作用の心配がないため、赤ちゃんにも安心して使うことができます。例えば、おむつかぶれなどの際に馬油をぬると、赤ちゃんの肌に素早く浸透して回復を早めるといわれています。

<豆知識>ビタミンEが馬油の酸化を防ぐ
馬油は油脂の中でも酸化しやすく、腐りやすいという難点がありました。そこで注目されたのが、若返りのビタミンといわれ、強い抗酸化力を持つビタミンEの配合です。ビタミンEは強い抗酸化力に加え、老化防止や血液循環促進の働きもあるとして、馬油との相乗効果が期待されています。

[※1:抗酸化作用とは、たんぱく質や脂質、DNAなどが酸素によって酸化されるのを防ぐ作用です。]
[※2:名医別録とは、生薬について書かれた漢方の古典書物のことです。陶弘景によってつくられました。]
[※3:本草綱目とは、中国で分量や内容が最も充実した薬学著作のことです。]
[※4:必須脂肪酸とは、体内で他の脂肪酸から合成できないために食品から摂取する必要がある脂肪酸のことをいいます。] 

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馬油の効果

馬油には、高度不飽和脂肪酸や必須脂肪酸であるα-リノレン酸が豊富に含まれており、以下のような健康に対する効果が期待できます。



●美肌効果
馬油の持つ血行促進作用により、美肌効果が期待されています。馬油を肌にぬり、指でマッサージすることにより血液の巡りが改善され、新陳代謝が活発になるため、シワの予防につながります。また1カ月間、馬油マッサージを続けることにより、肌のターンオーバーの周期を保つことができると考えられています。
シミの箇所には馬油をよくすりこみます。シミがだんだんと薄くなり、やがて目立たなくなります。その他、乾燥肌やニキビ肌にも効果的です。また日焼けをしてヒリヒリする肌を保護するためにも、馬油がよいといわれています。

●髪を健康に保つ効果
馬油には髪の健康を維持する効果が期待されています。髪の毛は絶えず再生を繰り返しており、1日約50本の髪が生えかわっているといわれます。しかし、パーマなどにより髪の酸素が取り除かれてしまったり、アルコールや塩分の摂りすぎなど偏った食生活の影響により、髪にしっかりと栄養が行き届かない状態になると、白髪や抜け毛が発生します。馬油を頭皮につけ、もみこむようにマッサージすることによって、頭皮に栄養と刺激を与え、血行が促進されることにより、白髪や抜け毛を防ぐ効果があると期待されています。

●火傷などの傷を治癒する効果
火傷をした際は、すぐに水で冷やすことが良いと一般的に知られていますが、馬油をぬり、その上にガーゼをあてて水で冷やすとさらに効果的であると考えられています。火傷とは皮膚が燃えている状態と同じことです。燃えるためには酸素が必要とされ、水で冷やしている間も皮膚にある酸素は燃え続けています。そこで、まず患部に馬油をぬり、皮膚に残っている酸素を追い出し、かつ酸素の供給を断つことで、燃焼は最小限にくい止められます。そのため、馬油には火傷などの傷を治癒する効果があると考えられています。

●血流を改善する効果
馬油には血液の循環を良くする働きがあります。皮膚の皮下組織にまでしみ込んだ馬油による刺激と油膜により、保温性と保湿性が高まるため、血液の循環が促進されます。そのため、血液の循環が悪いために引き起こされる肩こりや冷え、リウマチ、神経痛、筋肉痛などの改善に効果があります。【1】【2】【3】

●かゆみを抑える効果
馬油には、アトピーや老人性の湿疹で起こるかゆみを抑える効果があります。かゆいところに馬油をぬると、すぐに染み込み、血行を促進して新陳代謝を活発にするため、かゆみが抑制されます。患部をシャワーや入浴などで清潔にし、タオルで肌表面の水分を良く吸いとってから馬油を使用するようにします。【2】

●鼻づまりを改善する効果
風邪のひきはじめで、鼻がうずうずし始めた際、馬油を綿棒で鼻の粘膜に塗ると素早く鼻づまりを改善できるといわれています。

●打撲、捻挫を緩和する効果
打撲やねんざをした際は、まず幹部をよく冷やして熱をとります。ある程度腫れがひいてきたら、馬油を塗ります。寝る前には、馬油をたっぷりぬったガーゼを幹部にあて、テープでとめて寝ると、より効果的であると考えられています。 

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馬油はこんな方におすすめ

○美肌を目指したい方
○乾燥肌やにきびでお悩みの方
○血流を改善したい方
○白髪・脱毛を予防したい方
○火傷のダメージを抑えたい方
○かゆみを緩和したい方
○手足の荒れが気になる方
○鼻づまりの方


馬油の研究情報

【1】馬の肝臓の脂質には、α-リノレン酸が豊富に含まれ、ヘキサデセン酸が多く、ステアリン酸が少ないことが特徴です。馬脂は、植物性油脂に多くみられる不飽和脂肪酸が豊富に含まれているのが特徴で、抗酸化作用を持つ脂肪酸が豊富に含まれています。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/13018246

【2】糖尿病ラットに、馬油の成分であるα-リノレン酸 を1日あたり500μg/kg の量で4週間摂取させたところ、炎症関連物質のTNF-αやIL-6ならびに活性酸素の上昇を抑制されたことから、馬油が心血管保護作用を持つと考えられています。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21722811

【3】馬油の成分であるα-リノレン酸をマウスに摂らせると、血小板凝集、血小板y活性化因子ならびにトロンビンを阻害するはたらきが見られ、馬油が血栓防止効果と心血管保護作用を持つと考えられています。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21571683

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参考文献

・Shorland FB, Bruce LW, Jessop AS. 1952 “Studies on the composition of horse oil. II. The component fatty acids of lipids from fatty tissues, muscle and liver.” Biochem J. 1952 Nov;52(3):400-7.

・Xie N, Zhang W, Li J, Liang H, Zhou H, Duan W, Xu X, Yu S, Zhang H, Yi D. 2011 “α-Linolenic acid intake attenuates myocardial ischemia/reperfusion injury through anti-inflammatory and anti-oxidative stress effects in diabetic but not normal rats.” Arch Med Res. 2011 Apr;42(3):171-81.

・Holy EW, Forestier M, Richter EK, Akhmedov A, Leiber F, Camici GG, Mocharla P, Lüscher TF, Beer JH, Tanner FC. 2011 “Implications of dietary α-linolenic acid in bone health.” Arterioscler Thromb Vasc Biol. 2011 Aug;31(8):1772-80.

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