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わかさの秘密トップ > 成分情報 > モリンガ

作成日 2013年08月26日
更新日 2013年08月28日

モリンガ

horseradish tree
ホースラディッシュ・ツリー ワサビノキ
Moringa oleifera

モリンガは、ほとんどすべての部分を食べることができる植物で、ハーブの一種として利用されています。また古代ギリシャ時代から治療薬としても使用されてきました。モリンガは、炎症を抑制する効果や抗菌効果が期待されています。

モリンガの健康効果
◎炎症を抑制する効果
◎抗菌効果

目次

モリンガとは?

●基本情報
モリンガは、ワサビノキ属ワサビノキ科の多肉質の落葉樹[※1]です。
モリンガは治療薬として古代ギリシャ時代から利用されていました。またインドの伝承医学であるアーユルヴェーダ[※2]でもメディカルハーブの1つとして記されています。
古代エジプトの香水キフィーには、モリンガの種子から採れるオイルが含まれていたといわれています。モリンガは病気を治す有益な植物として、当時、インドからアジア各国、アフリカなどの熱帯地方に広まっていきました。
モリンガは、非耐寒性で、栽培の最低気温は15~18℃です。日当たりが良く、水はけの良い砂質の土壌で栽培され、近年日本でも栽培されています。
モリンガは根にホースラディッシュのような刺激味があります。ホースラディッシュとは、根にワサビに似た辛味と香気を持つ植物です。モリンガは、ホースラディッシュの代用として用いられることがあるため、別名ホースラディッシュ・ツリーと呼ばれています。
モリンガの幹は、淡いグレーから銅色をしており、大きい羽状の複葉はマスタードのような香りがします。また香りのよい、黄色がかった白い5弁の花が咲き、大きくぶらさがった豆のようなさく果が実ります。このさやが45 cmにも達することから、ドラムスティックと呼ばれることもあります。

●モリンガの利用法
モリンガは、ほとんどすべての部分を食べられることが特徴です。
モリンガの葉、花、未熟な実は採れる時に集めて生で使用されます。葉には、貝や甲殻類の毒素を中和する効果があるとされ、料理にも使用されています。また葉は栄養豊富で、家畜の餌、堆肥としても利用されています。
熟した種子は、ふさから出してナッツのように炒って食べられます。モリンガの種子は、ベン・ナッツとも呼ばれ、これからとれるオイルをベンオイルと呼びます。このオイルは味、香り、色はなく、酸化しにくいため、その用途は幅広く、サラダ・ドレッシング、時計の潤滑油、画材、軟膏に利用されるなど、食品、薬剤の成分として使用されています。また長鎖脂肪酸[※3]が多く含まれていることから、肌に優しく、フランスでは高級化粧品として利用されています。
樹皮、根、根皮は必要に応じて集めて、ジュースにしたり、生または乾燥させて煎じ薬にしたりします。またレイヨン、セロファン製造などにも利用されます。

<豆知識>モリンガの浄水効果
モリンガは浄水効果を持っています。モリンガの種子油を搾り取ったしぼりかすを粉末にして、汚水に投入すると水が浄化できるといわれています。これは、モリンガの種子に含まれるたくさんのたんぱく質のうち、あるたんぱく質が水に溶け込んでいる異物を接着剤のような効果で固める働きがあるからです。

●モリンガに含まれる成分と性質
モリンガにはビタミンAやC、β-カロテンが豊富に含まれています。またミネラルとしてもカルシウムやカリウム、鉄を豊富に含んでいます。モリンガの葉は、栄養素が豊富でビタミンAの補給として貧困地域の乳児や妊婦、授乳婦の、栄養失調の治療と予防のために使用されています。

[※1:落葉樹とは、定期的に葉を完全に落とす樹木のことです。]
[※2:アーユルヴェーダとは、インドで古くから語り継がれている東洋医学のひとつです。「予防医学」の考え方を重視し、世界保健機構(WHO)が正式に奨励している医学です。]
[※3:長鎖脂肪酸とは、炭素数14以上の脂肪酸のことで、食用脂肪の構成脂肪酸もほとんどが長鎖脂肪酸です。]

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モリンガの効果

●炎症を抑制する効果
モリンガには、炎症を抑える効果があります。
関節炎を発症したラットを用いた研究では、モリンガの根および葉、またはその両方のメタノール抽出液を与えて、痛みについて評価したところ、非ステロイド性鎮痛剤であるインドメタシンと同様に作用することが報告されています。さらにモリンガの種子には、β-シトステロールが含まれています。β-シトステロールは、不飽和脂肪の一種で、高等植物[※4]に含まれるコレステロールと非常によく似た構造をしています。β-シトステロールには、喘息モデル動物での気道の炎症を抑える効果が報告されています。これは、β-シトステロールが、免疫系細胞の反応を抑制してT細胞[※5]からの放出・合成を阻害することで、喘息に対して効果があるとされています。またモリンガの根のジュースは、炎症性疾患に効果があるとされ、利用されています。【2】【6】

●抗菌効果
モリンガは、強い抗細菌成分を含みます。
モリンガの種子に含まれる水およびエタノール抽出物が、食中毒原因菌であるコレラ、大腸菌、黄色ブドウ球菌の3種の細菌に対し、抗菌作用を示したことが報告されています。
またモリンガに含まれるイソチオシアネート類には、胃炎、胃潰瘍・十二指腸潰瘍[※6]の原因ともなるピロリ菌[※7]に対する効果も報告されています。そのためモリンガには、抗菌効果があるとされています。【4】【5】

[※4:高等植物とは、体制の発達した植物のことです。一般に、根・茎・葉に分化し、維管束をもつ種子植物とシダ植物をさします。]
[※5:T細胞とは、免疫機能に関わる細胞であり、B細胞が抗体をつくる力を促進し、侵入してきた異物を攻撃します。]
[※6:胃潰瘍、十二指腸潰瘍とは、胃や腸の粘膜が傷つき、進行すると穴があいてしまう病気のことです。]
[※7:ピロリ菌とは、正式にはヘリコバクター・ピロリ菌といい、胃粘膜に感染するらせん状の細菌です。]

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モリンガは食事やサプリメントで摂取できます

こんな方におすすめ

○炎症を抑えたい方
○免疫力を向上させたい方

モリンガの研究情報

【1】ラットに、モリンガ葉水抽出物 (200 mg/mL) を高脂肪食と併用して30日間投与したところ、併用しなかった群と比べて、肝臓中と腎臓中のコレステロール値が低いことが分かりました。このことから、モリンガは、コレステロールの吸収を抑える働きがあることが考えられました。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10661880

【2】I型アレルギーの遅発相マウスモデルに対し、モリンガ葉を3種の混合比(0.3%,1.0%および3.0%)で混ぜた粉末飼料を摂取させ、好酸球の集積および血清中の総IgE量に対する影響を調べた結果、白血球、抗酸球およびIgEの有意な低下が認められました。このことから、モリンガは、Ⅰ型アレルギーを抑制する働きがある可能性が考えられました。
http://ci.nii.ac.jp/naid/10030333557

【3】高血圧自然発症ラット(SHR)にモリンガ葉の10倍水抽出物を強制経口投与し、血圧上昇抑制効果について検討した結果、投与後25日目以降有意な血圧上昇抑制作用が認められました。このことから、モリンガは高血圧予防に役立つ可能性が考えられました。
http://ci.nii.ac.jp/naid/10021178595

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参考文献

・デニー バウン著 ハーブ大百科 誠文堂新光社

・レスリー ブレムネス著 ハーブの写真図鑑 日本ヴォーグ社

・Ghasi S, Nwobodo E, Ofili JO. (2000) “Hypocholesterolemic effects of crude extract of leaf of Moringa oleifera Lam in high-fat diet fed wistar rats.” J Ethnopharmacol. 2000 Jan;69(1):21-5.

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