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作成日 2011年08月30日
更新日 2014年04月28日

海藻

seaweed

縄文時代から食べられている海藻には、ビタミン類やミネラル類をはじめ、フコイダンやフコキサンチン、食物繊維など様々な栄養素が豊富に含まれています。
近年は日本だけでなく、欧米などの海外でも海藻の豊富な栄養素が注目され、サプリメントやシャンプーなどに幅広く利用されています。

海藻の健康効果
◎免疫力を高める効果
◎胃を健康に保つ効果
◎動脈硬化を予防する効果
◎高血圧を予防する効果
◎糖尿病を予防する効果
◎貧血を予防する効果
◎骨粗しょう症を予防する効果
◎髪を健康に保つ効果
◎便秘・下痢を解消する効果
◎成長を促進する効果

目次

海藻とは?

●基本情報
日本は周囲を海に囲まれた小さな島国であるため、はるか昔から日本人は海藻を食用としてきました。
日本と違い、海外では日常的に海藻が食卓にのぼることは稀でしたが、最近では欧米でも海藻を海の野菜といい、海藻に含まれる豊富なビタミン類やミネラル類に注目が集まっています。

●海藻の歴史
島根県の猪目洞窟から出土された縄文時代・弥生時代の遺物の中から貝殻や魚の骨とともに、アラメやホンダワラなどの海藻の一部が発見されています。そのため、先史時代から日本人が数々の海藻を食べていたことがうかがえます。
また、大和時代の終わりに定められた大宝律令には、租税として29種の海産物のうちアマノリ(ムラサキノリ)やアラメ、テングサなどの8種類の海藻が記されています。さらに、神社の祭礼の際の供物なども大宝律令の中に定められており、コンブやワカメなどの数種類の海藻の名前が見られます。そのため、この時代にも数種類の海藻が日常的に食べられていたと考えられています。
710年には、平城京の東西の市に貢納の余剰分を売る海藻店(にぎめたな)やところてんを販売する心太店(こころふとたな)がつくられていました。
飛鳥・奈良時代の代表的な歌集である万葉集からも、当時の様子を知ることができます。万葉集には植物の名前がよく出てきますが、特定の海藻の名前は和海藻(ワカメ)や海松(ミル)、名告藻(ホンダワラ)程度です。しかし、種類にこだわらず「藻」や「玉藻」、「藻塩」という表現で海藻を詠んだ歌は多く、全てを合わせると100首近く存在し、人々の生活に海藻が深く入り込んでいたことが想像できます。
平安時代には貴族は主食に米を常食し、副菜として野菜の他に海藻が多く食べられていたと考えられています。また、930年に発刊された日本最古の漢和辞典として知られている和名抄には、19種の食用の海藻が紹介されています。
室町時代には食糧が豊かになってきたため、海藻は副食としてより嗜好食品として広まるようになりました。この時代には海藻を材料とした菓子などがつくられ、一般家庭にも少しずつ海藻が普及していきました。
しかし、日本全国に内乱が広がり戦国時代へ入ると、多くの食糧が戦争用に備蓄化されました。焼米や干魚に混ざりコンブやアラメ、ヒジキ、アマノリなどの干物も備蓄品として利用されていました。
江戸時代になると食物の流通が盛んになり、藻食の習慣も急速に庶民へ浸透していきました。江戸時代の中期には飢饉が全国を襲ったため、食糧を備蓄する必要性がでてきました。その際にも、雑穀や果実とともにコンブやワカメやヒジキなどの海藻が役立っていたといわれています。
また、江戸時代には産業が発展し、各地域の財政を向上させるために地域ごとに特徴的な地域産業がつくり出され、現在も残っているような陸奥の松前昆布、出雲や隠岐のワカメなどの名産品が生まれました。
江戸時代末期になると、隅田川の河口に流出する有機物が品川浦にまで広がり、岩石や流木にアマノリがよく育つようになりました。この地域の漁民は魚を捕るために、木の枝や竹を束ねた粗朶篊(そだひび)を浅海に立てていましたが、粗朶篊にノリがよく付くことに気付き養殖が始められたといわれています。これが現在の養殖技術の原型であるとされています。
近年日本は海外から多くの食材が輸入され、非常に豊かな食生活を送っていますが、海藻の需要は衰えるどころか一層盛んになってきています。
そのため、ノリやコンブ、ワカメ、テングサなどは天然のものだけでは足りず、養殖が盛んに行われています。海藻の養殖は北海道から九州にいたるまで様々な所で行われ、沿岸漁業の重要な地位を占めています。
また、最近では科学技術の進歩と相まって、海藻は食用だけでなく肥料や家畜用飼料、食品添加物、医薬品、化粧品などの材料や、石炭や石油に代わるエネルギー資源と幅広く利用されるようになりました。

●海藻の種類
食用とされている海藻は以下の種類です。

・緑藻類
食用とされるのは主にアオノリやヒトエグサで、どちらも養殖されています。アオノリは混ぜノリとして商品化されており、ヒトエグサはノリの佃煮として加工され、販売されています。

・褐藻類
コンブやワカメを筆頭に、ヒジキやマツモ、ハバノリ、モズク、アラメが食用とされています。
コンブやワカメ、ヒジキは古い時代から乾製品がつくられ、流通していました。その他のマツモやハバノリ、アラメは地域が限られており、主にそれぞれの産地の周辺で食用とされています。

・紅藻類
アマノリやウシケノリ、オゴノリ、オキツノリ、トサカノリ、イバラノリが食用とされています。アマノリは20種類ほど存在し、北海道から九州までの日本沿岸で親しまれています。アマノリ以外の種類はごく限られた地域でしか食べられていません。

●海外の海藻の食用状態
欧米諸国では海藻は肥料や飼料などとして利用されるものであり、あまり食用としては親しまれていません。ごく限られた地域には、古くから海藻を食用とする習慣が残されているところもありますが、一般的に欧米人は海藻が食べられることを知らない人が多いといわれています。例外として、ハワイ諸島では70種類もの海藻が食べられています。その他の国では多くても食用とされる海藻は2、3種類程度だといわれています。
中国や韓国では、約40種類の海藻が食用とされており、その多くは日本で食用とされているものと共通しています。これらの国では、ノリの養殖も盛んに行われています。

●海藻に含まれる成分
海藻は、生命の源である海の中の養分を存分に吸収して育った「シーベジタブル(海の野菜)」と呼ばれています。一般的な野菜のようにたんぱく質や脂質、糖質などを含んでいることに加え、野菜に比べ非常に多くのビタミン類やミネラル類、中でもカルシウムやカリウム、マグネシウム、ヨウ素、鉄、亜鉛など生きていく上で必要不可欠な成分を多く含んでいます。
他にも海藻は種類によってそれぞれ特徴的な生物活性を示す有効成分を持っています。例えば、コンブやワカメには動脈硬化に関係するアルギン酸やフコイダン、血圧の調節に役立つラミリンというアミノ酸や、コレステロールを減らし血栓の形成を抑制するフコステロール、EPA(エイコサペンタエン酸)などが豊富に含まれています。また、ノリはビタミンB群[※1]、中でもビタミンB₁₂の含有量が多いことが特徴的です。ノリにはEPAが食用とされる海藻の中で最も多く含まれており、良質の食物繊維も豊富に含まれています。

<豆知識>日本におけるノリの利用法
日本料理などで乾ノリを火であぶって手で揉んだモミノリが、納豆や澄まし汁など様々な料理にふりかけられることがよくあります。これは、料理を美味しくするために加え、ノリに豊富に含まれるビタミン類やミネラル類を手軽に補うためともいわれています。

[※1:ビタミンB群とは、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ナイアシン、葉酸、ビオチン、パントテン酸の総称です。]
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海藻の効果

海藻はたんぱく質や脂質、カルシウムやマグネシウム、カリウム、ヨウ素、鉄、亜鉛、ヨウ素(ヨード)などのミネラル類、β-カロテン、ビタミンB₁、ビタミンB₂、ビタミンC、ナイアシンなどのビタミン類、フコイダンやアルギン酸、食物繊維、フコキサンチンなどの有効成分を豊富に含むため、以下のような働きが期待できます。



●免疫力を高める効果
ウイルスなどの異物が体内に侵入してきた際には免疫機能が働きます。
まず、体内に入ってきた異物は、白血球[※2] であるマクロファージにより有益なものか有害なものかが判断されます。その後、マクロファージは体内の免疫機能の指揮をとるヘルパーT細胞に、異物が侵入してきたことを伝えます。知らせを受けたヘルパーT細胞は異物を排除するため、ウイルスに感染した細胞を破壊するキラーT細胞や、腫瘍細胞[※3]などを傷害する作用があるナチュラルキラー(NK)細胞[※4]に命令を下します。また、ヘルパーT細胞はリンパ球の一種であるB細胞にも異物が侵入してきたことを伝えます。B細胞は伝えられた情報をもとに、異物を捕まえるための特別なたんぱく質(抗体)をつくります。
この3種類の細胞により、体内に異物を侵入させないための免疫機能が働いています。
海藻のネバネバ成分であるフコイダンには、NK細胞を活性化させる働きがあることが報告されています。海藻を摂取することは、免疫機能を高めることにつながると考えられます。【2】【3】【5】【13】

●胃を健康に保つ効果
ピロリ菌が胃壁の弱っているところに付着することで胃潰瘍が発病します。
海藻に含まれるフコイダンにはピロリ菌が胃壁に付着することを阻止し、胃潰瘍や胃炎を予防するだけでなく、できてしまった胃潰瘍を修復する働きがあります。

●動脈硬化を予防する効果
海藻に含まれている水溶性食物繊維の一種であるアルギン酸は、人間の消化液では消化されず、腸内細菌によってわずかに分解される程度です。アルギン酸には、一緒に摂取した食物中のコレステロールを包み込み、そのまま体外へ送り出す働きがあります。この働きにより、腸でのコレステロール吸収が妨げられ血中のコレステロール値が下がります。
海藻には、カロテノイドの一種であるフコキサンチンが含まれています。フコキサンチンには体内の活性酸素[※5]を除去する働きがあり、血液中の脂質の酸化を抑える効果があります。また、海藻にはEPAも豊富に含まれているため、血液をサラサラにする効果があります。
豊富な栄養素を含んでいる海藻を摂取することにより、動脈硬化の予防効果が期待できます。【14】【16】

●高血圧を予防する効果
海藻に含まれるアルギン酸は、体内のナトリウムと結合しアルギン酸ナトリウムとなり体外へ排出されます。高血圧の原因となるナトリウムを排出するため、血圧を安定させる効果が期待されます。
また、食塩の過剰な摂取などによりナトリウムが血中に多く存在すると、体内で水分の移動が正常に行われなくなり、高血圧を招いてしまいます。
海藻に含まれるカリウムには、余分なナトリウムを体外に排出する働きがあるため、アルギン酸と協力して血圧を下げ高血圧を予防する効果が期待できます。【14】【16】

●糖尿病を予防する効果
海藻に含まれるフコイダンとアルギン酸には、体内に入ると糖質の吸収を緩やかにする働きがあります。この働きにより、海藻には血糖値の急激な上昇を抑える効果があります。【16】

●貧血を予防する効果
近年、過度なやせ志向や偏食などが原因となり貧血患者が増加していることが問題視されています。
海藻にはほうれん草の2~10倍もの鉄が含まれており、重要な鉄の供給源と考えられています。
呼吸をした際に、肺に取り込まれた酸素を全身の組織に運んで供給する役割を果たしているヘモグロビンの材料となる鉄に加え、海藻には鉄の吸収を高めるビタミンCも含まれているため、効率良く鉄が補えます。
特に鉄が豊富に含まれている海藻は、アオノリやアオサ、ヒジキです。

●骨粗しょう症を予防する効果
骨粗しょう症とは、骨密度が低下することにより骨がもろくなり、骨折しやすくなる病気です。年齢や閉経、カルシウム不足など様々な原因があり、日本では65歳以上の女性の2人に1人が骨粗しょう症であるといわれています。
骨粗しょう症を予防するためには、日常的に十分な量のカルシウムを摂取する必要があります。
カルシウムは海藻に最も多く含まれているミネラルです。中でもヒジキやワカメ、アラメにはゴマに匹敵する程のカルシウムが含まれています。
また、海藻には骨を構成しているコラーゲンを形成する働きがあるビタミンCも含まれています。カルシウムとビタミンCが含まれる海藻には、より丈夫な骨を生成する効果があるといえます。

●髪を健康に保つ効果
海藻に含まれるネバネバ成分であるフコイダンには、毛母細胞[※6]を活性化させる働きがあります。毛母細胞が活性化すると、発毛の新陳代謝が正常に行われ、健康で美しい髪がつくられます。
また、海藻の成分が含まれたシャンプーを使うと、太く元気な毛髪が生えるようになるといわれています。アルギン酸は水との相性が良く、非常に高分子であるため瞬時に髪に吸着し、髪全体に薄い皮膜状となって広がります。この働きにより、傷んだ髪表面のキューティクルを補修する効果があるといわれています。

●便秘・下痢を解消する効果
海藻には2種類の食物繊維が含まれています。
水溶性食物繊維は体内で水分を抱え込んでヌルヌルとしたゲル状になり、余分なものの吸収をやわらげる役割をします。一方、不溶性食物繊維は、水に溶けない食物繊維で、水分を吸収して数十倍に膨らみ、体内を刺激して余分なものを押し出す腸のぜん動運動を活発にします。ぜん動運動が活発になると、不要なものが排出されやすくなります。
また、海藻に含まれる水溶性食物繊維の一種フコイダンには、便秘気味の人に作用するだけでなく、習慣的に下痢の症状を繰り返す人に対しても、排便回数の抑制と便を硬化させることにより、下痢の症状を緩和する効果があるといわれています。

●成長を促進する効果
海藻に含まれるヨウ素は体内に吸収されると、主にホルモンであるチロキシンやトリヨードチロキシンの材料になります。このホルモンの働きは明確にされていませんが、主にたんぱく質の合成や酵素の作用に関係すると考えられています。海藻に含まれているヨウ素には、基礎代謝を促したり、酸素消費量を増加させたりと細胞の新陳代謝を活発にするため、成長期には発育を促進する効果や、成人では基礎代謝を促進し美しい肌に導いたり疲れを解消する効果があります。
また、海藻にはカルシウムが豊富に含まれているため、骨の形成を助ける働きもあります。
海藻の中でもコンブには最も多くのヨウ素が含まれています。

[※2:白血球とは、血液に含まれる細胞のひとつです。体内に侵入したウイルスや細菌などの異物を排除する役割があります。]
[※3:腫瘍細胞とは、組織、細胞が生体内の制御に反して過剰に増殖することによってできる細胞組織のことです。]
[※4:ナチュラルキラー(NK)細胞とは、リンパ球に含まれる免疫細胞のひとつで、生まれつき(ナチュラル)外敵を殺傷する(キラー)能力を備えています。ガン細胞やウイルス感染細胞などの異常細胞を発見して退治してくれます。]
[※5:活性酸素とは普通の酸素に比べ、著しく反応性が増すことで強い酸化力を持った酸素のことです。体内で過剰に発生すると、脂質やたんぱく質、DNAなどに影響し、老化などの原因になるとされます。]
[※6:毛母細胞とは、毛乳頭周辺の組織細胞です。毛乳頭から栄養素や酸素を受け取り、細胞分裂を繰り返すことで髪の毛を生成しています。]
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海藻は食事やサプリメントで摂取できます

こんな方におすすめ

◎免疫力を向上させたい方
◎胃の健康を保ちたい方
◎動脈硬化を予防したい方
◎高血圧を予防したい方
◎糖尿病を予防したい方
◎貧血でお悩みの方
◎骨粗しょう症を予防したい方
◎髪や爪、肌の健康を保ちたい方
◎便秘・下痢でお悩みの方
◎成長期のお子様

海藻の研究情報

【1】メカブに含まれるアルギン酸はルコースなどの糖と比較しても腸内細菌による消化が極めて悪いため、食物繊維としての機能が評価されています。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/7562111

【2】マウス白血病細胞において、メカブフコイダンを1% 含有している餌を40日間摂取させたところ、免疫細胞のT細胞やNK細胞を活性化するはたらきがあります。メカブには免疫力向上作用が期待されています。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17054048

【3】マウスにメカブフコイダンを1日あたり 50mg/kg 、4日間腹腔内投与したところ、T細胞の働きを調節して、炎症関連物質IL-4, 5, 13の産生が抑制され、肺炎が抑制されました。このはたらきにより、メカブフコイダンには抗炎症作用、抗アレルギー作用を持つことが示唆されました。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15970637

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参考文献

・吉田企世子、 松田早苗 安全においしく食べるための あたらしい栄養学 高橋書店

・西澤一俊、村杉幸子 海藻の本―食の源をさぐる 研成社

・Togari N, Ogawa N, Sakata T. (1995) “Poor fermentability of "mekabu" (sporophyll of Undaria pinnatifida) alginic acid in batch culture using pig cecal bacteria.” J Nutr Sci Vitaminol (Tokyo). 1995 Apr;41(2):179-85.

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