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作成日 2011年08月24日
更新日 2015年11月26日

ケフィア

Kefir、kefir grains

ケフィアとは、乳酸菌と酵母の共生発酵によってできるアルコール発酵乳の一種で、ヨーグルトキノコとも呼ばれています。腸内環境を整える効果があり、便秘や下痢を改善します。また、悪玉菌の増殖を抑制することから、免疫力の向上や動脈硬化を抑制、老化を抑制する効果にも期待されています。

ケフィアの健康効果

◎腸内環境を整える効果
◎動脈硬化を予防する効果
◎免疫力を高める効果
◎老化を防ぐ効果

目次

ケフィアとは?

●基本情報
ケフィアとは、ロシアの南西部、コーカサス地方で常用される発酵乳で、乳酸菌と酵母の共生発酵[※1]によって生まれるアルコール発酵乳[※2]の一種です。
ケフィアはヒツジやヤギ、ウシの乳を一旦加熱、冷却したあとで、ケフィア種という種菌を加え、一昼夜20度で放置したまま発酵させます。そうすることで、「ケフィアグレイン」という黄色いカリフラワー状の塊ができるので、そこに加熱・殺菌しておいた冷却乳を加えて、さらに2~3日発酵させます。炭酸のような刺激と爽やかな酸味が特徴的です。
日本でも、10年ほど前からヨーグルトキノコの名前で親しまれ、その優れた腸内環境を改善する効果により評判の成分です。
ケフィアの名前の由来はいくつかの説がありますが、トルコ語の「ケイフ(keyif)」やアラビア語の「カイフ(keyf)」が語源になっているという説が有力といわれており、どちらも「健康」という意味があります。
ケフィアの発祥地であるコーカサス地方では、地域によってカフィールやカフェール、カファー、ケフェール、カーボン、キッペ、ケピーなど様々な呼び名が使われていますが、いずれも爽やかな味という意味で、ケフィアの風味がそのまま言葉として定着したといわれています。

●ケフィアの歴史
ケフィアはコーカサス地方発祥ということは知られていますが、いつ頃からつくられ始めたのかは定かではありません。ケフィアはつくろうとして生まれたのではなく、いつの間にか自然のうちに誕生したものだということだけは明らかです。
一説では、コーカサス地方では、古くから水分補給のためにヤギやウシ、ヒツジの乳を皮袋に入れて自然発酵させて飲む習慣があり、皮袋は家の出入口に吊るされていて、中身が減ってきたら新しい乳を足し、使用する時は中身を攪拌(かくはん)していた過程の中で、いつの間にかケフィアのもとであるケフィアグレインが誕生したといわれています。
また別の説では、山で絞ったヤギなどの乳を皮袋に入れ、馬に揺られて帰る間に日光で温められながら攪拌され、夕方に気温が下がり、冷やされることでケフィアグレインが生まれたともいわれています。

ケフィアは1970年~80年代にかけて世界各国で広く知られるようになりました。
そのきっかけとなったのが、1978年にパリで開かれた国際酪農会議[※3]です。この会議で、旧ソ連の総連邦酪農科学研究所のリパトフ教授が「ヨーグルト以外の発酵乳」という特別講演を行ったことから、ケフィアの有用性についての研究結果が発表されたのです
さらにその4年後の国際酪農会議には、旧ソ連の医学アカデミー栄養研究所のサムソノフ教授らが、ケフィアを使用した臨床試験を発表し、ケフィアは全世界中の酪農学者や専門家たちから大きな注目を浴びるようになりました。
1877年になると、ロシア帝国の学者が下痢や便秘などの消化器疾患や糖尿病に対するケフィアの改善効果を報告し、その後1908年に、ロシア生まれのフランス人でノーベル生理学・医学賞を受賞したメチニコフ博士がケフィアの長寿論を発表したことにより、世界中にその名が知られるようになったのです。

日本には10年ほど前に、ヨーグルトキノコという呼び名で普及しましたが、繰り返し牛乳で発酵させることによる雑菌の問題が出たため、一時その人気は下火となりました。しかし最近になって、ケフィアグレインをフリーズドライ[※4]にしたものが販売されるようになり、使い切りのケフィアがつくれるとして再び注目を浴びるようになっています。

●ケフィアとヨーグルトの違い
ケフィアもヨーグルトも、食品上の分類は同じ発酵乳ですが、その発酵メカニズムには大きな違いがあります。
発酵とは、酵母などの微生物によって、食材に含まれる有機酸[※5]が分解されることで有用な物質が生成される現象のことをいいます。
ケフィアとヨーグルトの大きな違いは、発酵に関係する微生物にあります。
ヨーグルトは単独発酵といわれる乳酸菌1~2種類のみの働きによって発酵するのに対し、ケフィアは共生発酵といわれる複数の乳酸菌と、酵母によって発酵します。このことから、ケフィアは乳酸発酵と、酵母によって行われるアルコール発酵の2つの発酵によってつくられる発酵乳であるということがわかります。
ヨーグルトは乳酸菌1~2種に対し、伝統的なケフィアは乳酸菌が約30種類、酵母が約25種類と多くの菌によってつくられているのです。

●ケフィアの性質と含まれる栄養素
ケフィアは、一般的なヨーグルトとは違い、非常に粘り気のある性質をしています。これは、ケフィアに含まれる微生物によってつくられる物質によるものです。
この粘り気は、乳酸桿菌(にゅうさんかんきん)[※6]のひとつによって多量に精製される粘性の多糖類ケフィランなのです。ケフィランは各種の糖質分解酵素やカビを含む様々な微生物からも分解されにくく、また水にも溶けないという特徴があります。そのため、この粘り気に乳酸菌などの微生物が棲みつき、繁殖します。その過程でまたケフィランがつくられ、ケフィアのもととなるケフィアグレインがどんどん大きくなっていくのです。
ケフィランには、血圧の上昇を抑制や、血中コレステロール値を低減、免疫力の向上、血糖値の低下、肝機能の向上など様々な働きが期待される成分です。

ケフィアには、乳酸菌以外にも様々な栄養素が含まれています。
エネルギーをつくり出すのに必要なビタミンB群や、目に良いビタミンA、また乳酸とカルシウムが結びつき、吸収力の高い乳酸カルシウムが含まれていることから、ケフィアは腸内環境を整えるだけでなく、美容や健康にも良いことがわかります。

[※1:共生発酵とは、複数の乳酸菌による乳酸発酵と、酵母によるアルコール発酵が行われている状態のことをいいます。]
[※2:アルコール発酵乳とは、酵母によって糖質を分解し、エタノールと二酸化炭素を生成してつくられた発酵乳のことです。]
[※3:国際酪農会議とは、世界規模の酪農乳業関係者が共通の問題を解決し、考えや経験を共有する会議のことです。]
[※4:フリーズドライとは、水分を含んだ食品や食品原料を急速に凍結し、真空状態で水分を昇華させて乾燥すること。]
[※5:有機酸とは、酸の性質を持つ有機化合物の総称です。]
[※6:乳酸桿菌とは、棒のように細長い円筒形をした乳酸菌のことです。カゼイ菌やブルガイカス菌などが乳酸桿菌に分類されます。] 

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ケフィアの効果

●腸内環境を整える効果
ケフィアのもととなるケフィアグレインには、乳酸菌や酵母など多くの微生物により構成されています。
乳酸菌は腸内環境を整える善玉菌の代表ともいえる存在で、牛乳に含まれる乳糖やブドウ糖を分解し、大量の乳酸をつくりだします。
腸内には善玉菌、悪玉菌を合わせて100種類、100兆個以上もの微生物が存在しているといわれています。それぞれがバランスを取ることで腸内の環境は保たれていますが、悪玉菌が増えてしまうことで、便秘や下痢などの不調を引き起こしてしまいます。
悪玉菌は酸に対して弱いため、乳酸菌がつくり出す乳酸に弱いという性質があります。共生発酵という複数の菌からできているケフィアは、通常のヨーグルトと比較すると腸内環境を整える効果は高いといえます。【2】【3】【4】



●動脈硬化を予防する効果
ケフィアには、動脈硬化を予防する効果も期待できます。
動脈硬化とは、コレステロールや中性脂肪が溜まってしまうことで、血管が硬くなり、弾力性や柔軟性を失った状態のことをいいます。この状態が続くと、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす原因になってしまいます。
ケフィアには、コレステロールを低下させる働きがあるということが明らかとなっています。
ケフィアの乳酸菌は、胃や腸の中で死んでしまうものもあります。しかしそれらの死菌が、十二指腸の中で胆汁酸を吸着し体外へ排泄する働きを持ちます。胆汁酸とは、脂肪分の消化・吸収を助ける消化液のことで、通常その役割を終えた胆汁酸は再び肝臓へと戻ります。しかし、死菌が胆汁酸を外へ排出するため、新しく胆汁酸をつくり出します。この胆汁酸の材料として必要なのがコレステロールなのです。
このことからもケフィアはコレステロール値を低下させ、動脈硬化を予防する効果があることがわかり、ひいては心筋梗塞や脳梗塞などの疾病予防にもつながるといわれています。【1】

●免疫力を高める効果
ケフィアは腸内環境を整える働きがあり、それによって免疫力を強化することができます。それは、腸が重要な免疫器官の役割を果たしているからだといえます。
外部から侵入してくる細菌のほとんどは、食べ物と一緒に侵入するため腸に集まります。腸内ではその細菌を排除する必要があります。
このため、腸内環境を整えるということは、免疫機能の向上にもつながるのです。

●老化を防ぐ効果
ケフィアは老化を抑制する効果もあるといわれています。
ケフィアの発祥地、コーカサス地方の人々は長寿で、しかも健康に生活をしていることで知られています。これはケフィアによる効果だといわれています。腸内環境を整えることは、老化を防止し、長寿にもつながるのだといわれています。

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ケフィアはサプリメントで摂取できます

こんな方におすすめ

○腸内環境を整えたい方
○動脈硬化を予防したい方
○免疫力を向上させたい方
○老化を防ぎたい方

ケフィアの研究情報

【1】高コレステロール食を摂取したウサギに、ケフィアを8週間させたところ、大動脈の動脈硬化指数や肝臓コレステロール量および過酸化脂質量が減少してました。ケフィアには抗炎症作用、高コレステロール血症予防効果及び動脈硬化予防効果が示唆されています。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20543518

【2】大腸炎マウスにケフィアを摂取させたところ、炎症関連物質の産生が抑制され同時に抗炎症関連物質IL-10 の産生が促進され、腸での炎症が抑制されました。このことより、ケフィアは抗炎症作用を持つことが示唆されました。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22192184

【3】腸管上皮細胞にケフィアを投与すると、炎症関連物質であるIL-1βとTNF-α及びNF-κB のはたらきが抑制され、腸管における炎症作用が抑制されました。このことより、ケフィアが腸に対する保護作用を有することが確認されました。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20471126

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参考文献

・Silva KR, Rodrigues SA, Filho LX, Lima AS. 2009 “Antimicrobial activity of broth fermented with kefir grains.” Appl Biochem Biotechnol. 2009 Feb;152(2): 316-25.

・原山 建郎 著 久郷 晴彦監修 最新・最強のサプリメント大事典 昭文社

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