黄杞葉(こうきよう)

engelhardia roxburghiana

黄杞葉は中国南部に自生している植物であり、生活習慣病の予防やトイレに関する悩みを解消する効果などが期待されています。

黄杞葉(こうきよう)とは

●基本情報
黄杞は、中国南部に自生するクルミ科の常緑高木です。黄杞の葉には弱い甘味があることから、主にお茶などに利用されています。

●黄杞葉の歴史
黄杞葉にはほのかな甘味があり、原産地である中国南部では、古くから黄杞葉のお茶を解熱・肥満予防・解毒などを目的として飲用されてきたという歴史があります。

●黄杞葉に含まれる成分と性質
黄杞葉にはアスチルビンという成分が含まれています。アスチルビンはフラボノイドの一種であり、抗酸化作用[※1]や、抗アレルギー作用があることで知られています。

[※1:抗酸化作用とは、たんぱく質や脂質、DNAなどが酸素によって酸化されるのを防ぐ作用です。]

黄杞葉(こうきよう)の効果

●生活習慣病の予防・改善効果
黄杞葉に含まれているアスチルビンには、体内で活性酸素[※2]や過酸化脂質[※3]の生成を抑える抗酸化作用があります。活性酸素や過酸化脂質は動脈硬化や高血圧の原因にもなり得るため、生活習慣病を予防する効果も期待できます。
また、中性脂肪の分解を促し、コレステロール値を低下させるといった働きも知られており、肥満の予防効果も期待できます。【1】

●排尿障害を改善する効果
軽度の排尿障害を持つ人が黄杞葉を摂取したところ、摂取前と比較して残尿感、我慢のつらさ、尿の勢いが弱い排尿時にりきむ必要があるといった悩みが改善されたという結果が報告されています。

●美肌効果
黄杞葉には、老化を引き起こす物質の生成を加速させる原因となる炎症を抑える働きがあり、肌の糖化[※4]予防に役立つため、美肌効果が期待できます。
また、肌のキメの乱れを予防するなどの働きがあり、このような黄杞葉が持つ美肌効果を利用して、黄杞葉から抽出したエキスを配合した化粧品なども販売されています。

●アレルギーを抑制する効果
黄杞葉に含まれるアスチルビンが持つ抗アレルギー作用によって、アレルギー症状を抑える効果が期待できます。【1】

[※2:活性酸素とは、普通の酸素に比べ、著しく反応が増すことで強い酸化力を持った酸素のことです。体内で過度に発生すると、脂質やたんぱく質、DNAなどに影響し、老化などの原因になるといわれています。]
[※3:過酸化脂質とは、コレステロールや中性脂肪などの脂質が活性酸素によって酸化されたものの総称です。]
[※4:糖化とは、体内のたんぱく質と、食事から摂取した糖が結びつくことにより「AGEs(エージーイー)」という老化物質が体内にできる現象のことです。老化の原因のひとつです。]

黄杞葉はこんな方におすすめ

○生活習慣病を予防したい方
○排尿でお悩みの方
○美肌を目指したい方
○アレルギー症状を予防したい方

黄杞葉(こうきよう)の研究情報

【1】黄妃葉にはアスチルビンなどのフラボノイドが含まれています。両成分は炎症性物質IL-1βやIL-6 の発現を抑制した他、TNF-αやCOX-2の活性化阻害も見られたことから、黄妃葉は抗炎症作用を持つと考えられています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21476602

【2】黄妃葉は多くの機能性成分が含まれており、結核菌に対する抗菌作用を持つことから、黄妃葉は抗菌作用、感染症予防効果が期待されています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22818359

【3】黄妃葉には多くの機能性成分が含まれており、結核菌に対する抗菌作用を持つことから、黄妃葉は感染症予防効果が期待されています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17418287

【4】黄妃葉は、12種類の機能性成分を有することが既に知られていて、また、2種類の新しい機能性成分が発見されました。これらの成分は、結核菌に対する抗菌作用を持つことから、黄妃葉は感染症予防効果が期待されています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15729627

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参考文献

・原料辞典:黄杞|健康食品・化粧品原料なら丸善製薬株式会社
http://www.maruzenpcy.co.jp/jiten/sho_kino/kokiyo.html

・pdcニュースリリース 「キメキュート」商品紹介

・decencia ニュースリリース 「アヤナス」商品紹介
https://prtimes.jp/data/corp/2987/1fa3a812c3c900cf66efd33740c09772.pdf

・Huang H, Cheng Z, Shi H, Xin W, Wang TT, Yu LL. 2011 “Isolation and characterization of two flavonoids, engeletin and astilbin, from the leaves of Engelhardia roxburghiana and their potential anti-inflammatory properties.” J Agric Food Chem. 2011 May 11;59(9):4562-9.

・Wu HC, Cheng MJ, Peng CF, Yang SC, Chang HS, Lin CH, Wang CJ, Chen IS. 2012 “Secondary metabolites from the stems of Engelhardia roxburghiana and their antitubercular activities.” Phytochemistry. 2012 Oct;82:118-27.

・Wu CC, Peng CF, Tsai IL, Abd El-Razek MH, Huang HS, Chen IS. 2007 “Secondary metabolites from the roots of Engelhardia roxburghiana and their antitubercular activities.” Phytochemistry. 2007 May;68(9):1338-43.

・Lin WY, Peng CF, Tsai IL, Chen JJ, Cheng MJ, Chen IS. 2005 “Antitubercular constituents from the roots of Engelhardia roxburghiana.” Planta Med. 2005 Feb;71(2):171-5.

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