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わかさの秘密トップ > 成分情報 > リコリス

作成日 2011年09月28日
更新日 2016年03月03日

リコリス

Licorice
甘草(カンゾウ)  Liquorice

リコリスとは、和名で甘草(カンゾウ)と呼ばれ、世界でも古い伝統を持つハーブです。リコリスに含まれているグリチルリチンという成分は、消炎や抗潰瘍、鎮静、緩下などに優れた作用を発揮します。また、様々なストレスや炎症に対抗する副腎皮質ホルモンの働きを高め、解毒作用にも働きかけます。

リコリスの健康効果
◎美肌効果
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◎ダイエット効果
◎免疫力を高める効果
◎肝機能を高める効果
◎胃腸の機能を高める効果

目次

リコリスとは?


●基本情報
リコリスとは、ヨーロッパやアジアが原産で、地中海沿岸や中央アジア、北アフリカなどに広く自生するマメ科の多年草です。地方によって種類が異なる場合もありますが、高さ1~2mに成長し、夏に青~薄紫色の花を咲かせ、概ね3~4年で収穫されます。リコリスの採取は春と秋の2回で、秋物が良品とされています。
リコリスは、和名を甘草(カンゾウ)といい、このハーブが甘みを持つことに由来しています。リコリスの根に含まれるグリチルリチンという成分は、砂糖の約150倍もの甘みを持つといわれています。

●リコリスの歴史
リコリスの歴史は人類が手にした薬草の中で最も古いとされ、紀元前5世紀頃に編集されたというヒポクラテスの全集に記載がある程で、その後も世界中の薬典に記されています。
リコリスは、古くから伝統医学で利用されてきたハーブであり、特に漢方の処方においては頻繁に利用される生薬です。漢方で用いられるのは、ウラルカンゾウの根および根茎の部分を乾燥させたもので、消化器の機能を高める作用や呼吸器の潤肺(じゅんはい)[※1]作用、痛みを止める作用などが知られています。
紀元前200年頃に完成した「傷寒論」(しょうかんろん)[※2]ではリコリスは113処方中の約80処方に、現在の漢方処方の212処方中の約7割で使用されています。漢方では甘草は百薬の毒を解毒するものと考えられており、薬理作用や刺激を和らげ、生薬全体の調和を目的に配合されていました。
リコリスには解毒作用の他に、胃潰瘍や肝機能障害にも効果がありますが、その薬効に注目が集まったのは第2次世界大戦中の1946年に、オランダ人医師が消化性胃潰瘍に効果があるという臨床報告を行ってからのことです。
リコリスの根に含まれるグリチルリチンという成分には、抗炎症作用、肝機能補強機能があり、関節炎や気管支炎、アレルギー症状などに用いられます。ハーブ先進国であるドイツでは、胃や十二指腸炎の治療薬としての効果が認められており、コミッションE[※3]で承認されたハーブとなっています。
日本ではグリチルリチン製剤は、肝機能異常や湿疹、皮膚炎、口内炎を改善する医薬品として利用されています。また、食品添加物の甘味料としての使用も多く、醤油や漬物、水産加工品などに添加されています。リコリスは、日常生活に広く浸透し、化粧品や医薬部外品にも使用されています。

●リコリスを摂取する際の注意点
食品等に含まれる量であれば特に問題はありません。短期間の摂取は問題ありませんが、4週間以上の使用の場合は医師への相談が推奨されています。
リコリスには、過剰摂取による高血圧やむくみ、頭痛、嘔吐といった副作用が示唆されています。
そのため日本ではグリチルリチン(グリチルリチン酸)の1日の摂取量を200㎎までとして容量が定められています。また、ハーブの利用法に関して世界的に権威のあるドイツでは、リコリスを1日5~15g摂取する場合は、医師が監視する場合を除き、使用期間を4~6週間内としています。また、リコリスには特定のホルモン活性を変化させる作用があり、それによって電解質障害を起こし、不整脈や心臓発作、腎損傷などが引き起こされると考えられています。
したがって、リコリスを摂取する際には、うっ血性心不全、冠動脈心疾患、腎疾患、肝疾患などを患っている方や、妊娠中または授乳期の方も注意が必要です。

[※1:潤肺とは、空咳(からせき)など乾燥した肺の状態を改善することです。]
[※2:傷寒論とは、中国、漢末の200年頃に張仲景(中国後漢の官僚で医師)が撰したとされている中国の臨床医学の古典のことです。]
[※3:コミッションEとは、ドイツ連邦保健庁の薬用植物の評価委員会のことです。 医薬品としてハーブを利用する際、安全性・効果の評価の実施、医薬品として承認するための組織です。]

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リコリスの効果


●美肌効果
リコリスに含まれるフラボノイドには、シミやそばかすの原因となるメラニン産生抑制や肌荒れ予防の抗酸化作用などが注目されています。また、グラブリジン[※4]という成分に美白作用があることがわかり、化粧品等にも積極的に活用されています。【6】

●ダイエット効果
リコリスは、古くから低カロリーでダイエットに役立つ甘味料として使用されてきた歴史がありますが、ダイエットにも効果のある成分を含んでいることがわかりました。
2008年10月に日本肥満学会が、リコリスには内臓脂肪を減らす効果があるということを発表しています。リコリスに含まれるグラブラポリフェノールという成分が肝臓に働きかけて、肝臓内の脂肪を分解する働きを促進し、脂肪をつくり過ぎないように働いてくれるため、体脂肪・内臓脂肪が減少した研究結果が報告されています。【3】

●免疫力を高める効果
リコリスに含まれるグリチルリチン酸には、ウイルスに対する抵抗力を高める働きがあり、食中毒や細菌の予防に役立ちます。そのため、うがい薬や歯磨き粉などにも配合されています。解熱作用やせきをしずめ、去痰作用(きょたんさよう)もあります。
また、免疫力を強化する作用があり、様々なストレスや炎症に対抗する副腎皮質ホルモンの働きを高める作用もあります。さらには、強い抗ヒスタミン・抗アレルギー作用があるので、炎症やかゆみなどを抑えるのに有効で、接触性皮膚炎、湿疹などの症状に効果があります。

●肝機能を高める効果
リコリスに含まれるグリチルリチン酸は、優れた強肝解毒作用を持つことで、慢性肝炎の治療やウイルス性肝炎の予防などにも高い期待が寄せられています。
グリチルリチン酸には、C型肝炎の炎症を抑え、肝細胞障害の指標であるALT[※5]の数値を低下させる効果があります。【8】

●胃腸の機能を高める効果
リコリスに含まれるグリチルリチン酸には、胃腸の粘膜を保護して胃の細胞を増殖させ、胃腸の粘膜を保護し、肉芽形成の促進作用があることから、胃潰瘍などの症状を改善します。特にストレス性の潰瘍に効果を発揮するなど潰瘍抑制作用があります。【10】

[※4:グラブリジンとは、リコリス、または、その同属植物の根から抽出した油溶性のエキスを、油溶性甘草エキスといい、その主成分のことです。フラボノイド類の物質で、メラニン色素をつくるチロシナーゼの活性阻害作用や紫外線吸収作用、過酸化脂質の生成を抑制する抗酸化作用などがあることから、美白に効果を発揮します。]
[※5:ALTとは、アミノ酸をつくり出す酵素で、そのほとんどが肝臓に存在しています。肝臓の細胞が障害を受けると、血液中に酵素が流れ出すことでALTの数値が上がるため、肝臓に異常があることを示しています。]

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リコリスは食事やサプリメントで摂取できます

こんな方におすすめ

○美肌を目指したい方
○スリムな体型を目指したい方
○炎症やかゆみが気になる方
○肝臓の健康を保ちたい方
○胃潰瘍の方 

リコリスの研究情報

【1】二重盲検無作為化プラセボ比較試験6報を検討したメタ分析において、機能性消化不良患者に対する10%リコリス含有製剤の投与は、胃酸の逆流や上腹部痛、筋けいれん、吐き気、嘔吐などの症状を減少させることがわかりました。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15606389

【2】リコリスを含む製剤は、非滲出性アトピー性湿疹の赤みや皮膚損傷を改善する作用が考えられました。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/1536784

【3】健康な男女 (男性7名、女性8名、22~26歳) を対象とした比較試験において、市販のリコリス抽出物を3.5 g/日 (グリチルリチン酸0.25 g含む) 、2ヶ月間摂取させたところ、体脂肪が減少しました。このことから、リコリスは肥満抑制効果がある可能性が示唆されました。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/14594116

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参考文献

・日経ヘルス 編 サプリメント大事典 日経BP社

・則岡孝子 栄養成分の事典 新星出版

・田中平三 健康食品のすべて-ナチュラルメディシンデータベース- 同文書院

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