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わかさの秘密トップ > 成分情報 > クコ

作成日 2011年10月13日
更新日 2014年05月10日

クコ

・Lycium chinense
・枸杞

クコは、古くから食用や薬用として親しまれてきた植物です。ベタインやポリフェノール、ビタミンC、β-シトステロールなどを豊富に含んでおり、胃腸や肝機能の強化、老化や病気の予防、疲労回復、美肌作用まで多岐にわたる効果が期待されています。

クコの健康効果
◎胃の健康を保つ効果
◎肝機能を高める効果
◎ダイエット効果
◎生活習慣病の予防・改善効果
◎血流を改善する効果
◎感染症を予防・改善する効果
◎ストレスをやわらげる効果
◎美肌・美白効果
◎下痢を予防する効果
◎疲労回復効果
◎眼病を予防する効果

目次

クコとは?

●基本情報
クコとは、ナス科クコ属に属する落葉低木植物[※1]です。樹高は0.5~1.5mで、枝にはところどころトゲがあります。6月~7月と9月の2回に渡り直径1cm程の薄紫色の花を咲かせます。秋になると先のとがった楕円形の真っ赤な果実を実らせます。
クコは海岸や河原、空き地などの周りに高い木が生えず、ある程度湿り気のある水地や砂地でよく育ちます。虫による食害を受けても耐え抜く強い生命力を持っており、樹齢は最高100年といわれています。栽培が簡単で肥料も必要としないため、家庭の庭などで栽培されていることもあります。

クコの原産地は中国などの東アジアです。

●クコの名前の由来
クコは漢字で「枸杞」と表記されます。枸橘(からたち)[※2]のようにトゲがあり、杞(ヤナギ) [※3]のように枝がしなやかなため中国で枸杞と名づけられました。
また、クコの根が骨のような形をしているため、根皮は生薬名で地骨子(ジコツヒ)と呼ばれるようになったといわれています。

●クコの歴史
中国では3000~4000年もの昔からクコの果実や葉、根皮が漢方薬や民間薬として親しまれてきました。
日本には平安時代に伝えられたといわれ、文徳天皇はクコを栽培するための庭園を持っていたとされています。健康志向が高く食べ物に気を遣っていた江戸時代の将軍である徳川家康は、クコの愛用者としても有名です。現在でもクコは、中国医学において最も多く利用されている植物のひとつです。

●クコの利用
日本ではクコを漢方薬としてよく利用します。乾燥させた果実・根皮・葉は、それぞれ枸杞子(クコシ)・地骨皮(ジコツヒ)・枸杞葉(クコヨウ)と呼ばれ生薬として利用されています。枸杞子は肝臓に脂肪が蓄積することを防いだり、ホルモン分泌を盛んにするとされ、中国では薬膳料理[※4]にも用いられています。地骨皮は血圧や血糖値を下げたり、解熱作用があるといわれています。
中国では薬用だけでなく普段の食事にもよく取り入れられています。クコの果実は甘みがあるため、生のまま食べたり、ドライフルーツやスープ、お粥、お茶、お酒、デザートなどに用いたりと食べ方は様々です。

●クコに含まれる成分と性質
クコには、ルチンタンニンなどのポリフェノールビタミンC、色素成分であるゼアキサンチンが豊富に含まれており、これらの成分は強い抗酸化作用を持っています。
抗酸化作用とは、紫外線や喫煙、ストレスなど生活の様々な場面で発生する活性酸素[※5]を除去し、体が酸化することを防ぐ働きのことです。例えば、クギを放置し空気中にさらしておくとクギがサビついてしまいます。この現象が酸化であり、人間の体内で起こると、病気や老化、肌トラブルの原因となってしまいます。クコに含まれるこれらの成分が体内で強い抗酸化作用を発揮して酸化から体を守ることで、病気や老化、肌トラブルが予防されます。

他にもクコには、ベタインやβ-シトステロール、ビタミンB₁ビタミンB₂、リノレン酸、ミネラル類なども豊富に含まれています。

また、クコに豊富に含まれるビタミンCは、丈夫な血管や筋肉、骨、肌などをつくるコラーゲンの合成に必要不可欠な成分です。コラーゲンはたんぱく質の一種で体内のたんぱく質の約30%を占めており、体の組織や細胞をしっかりと結びつける接着剤のような働きをします。さらに、ルチンにはビタミンCの吸収率を高める働きがあります。コラーゲンの合成がサポートされることで壊血病[※10]の予防や骨の強化につながります。

[※1:落葉低木植物とは、定期的に葉を完全に落とし、成長しても樹高が約3m以下の植物のことです。]
[※2:枸橘とは、ミカン科カラタチ属の落葉低木植物のことです。枝には、葉が変形した鋭いトゲが互生しています。]
[※3:杞とは、ヤナギ科ヤナギ属の樹木を指します。]
[※4:薬膳料理とは、健康保持のための食事として、中国の医食同源(薬食同源)の考えから生まれた漢方薬の材料を使った中国料理のことです。]
[※5:活性酸素とは、普通の酸素に比べ、著しく反応が増すことで強い酸化力を持った酸素のことです。体内で過度に発生すると、脂質やたんぱく質、DNAなどに影響し、老化などの原因になるといわれています。]

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クコの効果

クコには、ベタインやルチン、タンニン、ビタミンC、ゼアキサンチン、β-シトステロール、ビタミンB₁、ビタミンB₂などが含まれており、これらの成分は以下のような健康に対する効果が期待されます。クコにはベタインが豊富に含まれています。



●胃の健康を保つ効果
ベタインはアミノ酸の化合物で、胃液の酸度を調整し、胃の負担を減らしています。

●肝機能を高める効果
クコに豊富に含まれているベタインには、肝臓への脂肪の蓄積を防ぐ働きがあり、脂肪肝の予防や肝機能の向上に効果があります。【2】【3】

●ダイエット効果
クコには、ベタインやビタミンB₂が豊富に含まれています。
ベタインは肝臓に脂肪が蓄積することを防ぐ働きがあります。さらに、クコに含まれるビタミンB₂には脂質や糖質を効率よくエネルギーに変え脂肪の燃焼をサポートする働きがあるため、ダイエットに効果的です。

●生活習慣病の予防・改善効果
血液中の悪玉(LDL)コレステロールが増加すると、血管の内壁が脂質で分厚くなり、こぶのようにせり出して血管を狭めるため、高血圧や動脈硬化などの生活習慣病が引き起こされます。クコに豊富に含まれるビタミンCには、血中の悪玉(LDL)コレステロールを減少させ血液をきれいにする働きがあります。
さらに、クコに含まれているβ-シトステロールには、血中のコレステロールを減少させる働きがあります。
食事から摂取したコレステロールは、胆汁酸と結合して腸で吸収されます。β-シトステロールはコレステロールとよく似た構造を持っており、先に胆汁酸[※6]と結合することで腸でのコレステロールの吸収を抑え、血中のコレステロールを減少させます。また、ルチンには血管を強化し血流をスムーズにする働きや血圧を下げる働きがあります。そのため、クコには高血圧や動脈硬化を予防、改善する効果が期待できます。【6】

●血流を改善する効果
クコに豊富に含まれるルチン、ヘスペリジンなどのフラボノイドには、血管を強化し血流をスムーズにする働きがあるため、血行不良から引き起こされる冷え性や肩こり、腰痛の改善に効果が期待できます。【5】

●感染症を予防・改善する効果
クコにはビタミンCが豊富に含まれています。
ビタミンCは、血液中の白血球、特に好中球[※7]を活性化し、体外から侵入してきた細菌やウイルスなどを撃退します。ビタミンCは白血球の働きを高め、ビタミンC自体も細菌やウイルスと闘う力を持っています。さらに、ルチンはビタミンCの吸収率を高めるため、クコを積極的に摂取することは免疫力を高め、風邪などの感染症を予防したり、病気の回復を早める効果があります。【5】

●ストレスをやわらげる効果
クコに豊富に含まれるビタミンCには、心地良さなどの感情をつくり出すドーパミンや気持ちを落ち着かせるGABAなどの神経伝達物質[※8]と、ストレスを和らげる副腎皮質[※9]ホルモンの合成をサポートする働きがあります。ビタミンCが含まれるクコには、ストレスに対する抵抗力を高めたり、イライラを鎮める効果があります。

●美肌・美白効果
クコに豊富に含まれるビタミンCやタンニンには、シミ・そばかすを予防し、ハリのある若々しい肌を保つ効果があります。
シミ・そばかすの原因となるメラニン色素は、アミノ酸の一種であるチロシンから生成されます。ビタミンCにはチロシンからメラニンをつくり出す、チロシナーゼという酵素の働きを抑制し、メラニン色素の沈着を防ぐ働きも期待できます。

●下痢を予防する効果
クコの葉に含まれるタンニンが持つ抗菌効果によって腸内の悪玉菌[※11]が減少し、悪玉菌による大腸の炎症によって起こる下痢の予防に効果的です。

●疲労回復効果
クコには糖質の代謝に必要不可欠なビタミンB₁が豊富に含まれています。
体内で糖質の代謝が正常に行われないと、疲労物質である乳酸が蓄積し疲れを感じます。ビタミンB₁には、体内で糖質を効率よくエネルギーに変えるサポートをする働きがあるため、乳酸の蓄積を抑制し疲れを防いだり、疲労回復を早める効果があります。

●眼病を予防する効果
クコにはゼアキサンチンが豊富に含まれています。
ゼアキサンチンはヒトの目の網膜に存在し、紫外線などが原因で目が酸化することを防ぐ働きがあります。そのため、視力低下や白内障、緑内障などの予防に効果的です。また、ゼアキサンチンには目の網膜を保護する働きもあるため、加齢に伴う目の病気を防ぐ効果もあります。

[※6:胆汁酸とは、胆汁に含まれている物質です。消化管内で食物の脂肪や脂溶性ビタミンをより吸収しやすくする働きをします。]
[※7:好中球とは、体内に存在する白血球の40%~60%占める白血球の一種です。急性的な炎症に対して中心となって血液中の細菌やウイルスと闘います。]
[※8:神経伝達物質とは、神経細胞の興奮や抑制を他の神経細胞に伝達する物質のことです。]
[※9:副腎皮質とは、腎臓の上に位置する臓器である副腎の周辺部分のことです。副腎皮質からはアドレナリンなどの様々なホルモンが分泌され、生命を維持するために欠かせない臓器です。]
[※10:壊血病とは、ビタミンCの不足によって体内の各器官に出血性の障害が生じる疾患のことです。]
[※11:悪玉菌とは、ヒトの腸内に住む細菌の一種です。増えすぎると体に悪い影響を及ぼすと考えられており、ウェルシュ菌、ブドウ球菌、緑膿菌などが悪玉菌といわれます。]

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クコはこんな方におすすめ

○胃、肝臓の健康を保ちたい方
○スリムな体型を目指したい方
○生活習慣病を予防したい方
○血流を改善したい方
○ストレスをやわらげたい方
○美肌を目指したい方
○疲れやすい方
○目の健康を維持したい方

クコの研究情報

【1】薬物誘導認知機能低下ラットに、クコを摂取させたところ、脳の海馬における記憶力に関連する酵素コリンアセチルトランスフェラーゼの機能を維持することで、記憶力を維持することが明らかになりました。クコに記憶力および認知機能維持効果が示唆されました。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22110372

【2】肝障害動物に、事前にクコの実を摂取させておくと、肝臓障害の指標となるASTやALT、アルカリホスファターゼの上昇が抑制されたことから、クコに肝臓保護作用が示唆されました。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15619574

【3】クコにはゼアキサンチンの一種ゼアキサンチン誘導体(ゼアキサンチン二パルミチン酸)が含まれており、肝臓保護作用が知られています。ゼアキサンチン誘導体は細胞の酸化度合いをしめすMDAを低下させ、肝線維化の原因であるコラーゲンの産生を抑制します。また炎症関連物質である一酸化窒素(NO)や炎症関連細胞マクロファージのはたらきを緩和させることにより、クコが肝臓保護作用を持つことが示唆されています。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9387190

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参考文献

・Park HJ, Shim HS, Choi WK, Kim KS, Shim I. 2011 “Neuroprotective Effect of Lucium chinense Fruit on Trimethyltin-Induced Learning and Memory Deficits in the Rats.” Exp Neurobiol. 2011 Sep;20(3): 137-43.

・Ha KT, Yoon SJ, Choi DY, Kim DW, Kim JK, Kim CH. 2005 “Protective effect of Lycium chinense fruit on carbon tetrachloride-induced hepatotoxicity.” J Ethnopharmacol. 2005 Jan 15;96(3):529-35.

・Kim HP, Kim SY, Lee EJ, Kim YC, Kim YC. 1997 “Zeaxanthin dipalmitate from Lycium chinense has hepatoprotective activity.” Res Commun Mol Pathol Pharmacol. 1997 Sep;97(3): 301-14.

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