本文へ


わかさの秘密トップ > 成分情報 > 冬虫夏草

作成日 2011年08月22日
更新日 2014年04月19日

冬虫夏草

中華虫草

冬虫夏草は古来より滋養強壮、不老長寿のための高級食材として重宝されてきたキノコの一種です。
現在は人工培養が可能となったため、免疫力を向上させ老化を防止してくれるものとしてサプリメントや漢方などに使用され、注目を集めています。

冬虫夏草の健康効果
◎免疫力を向上させる効果
◎老化を防ぐ効果
◎生活習慣病の予防・改善効果
◎ガンを予防および抑制する効果
◎骨粗しょう症を予防する効果
◎ストレスをやわらげる効果

目次

冬虫夏草とは?

●基本情報
冬虫夏草とは、バッカク菌科に属するキノコの一種です。昆虫に寄生して養分を吸収し、子実体[※1]を伸ばしたものです。冬は虫の姿で過ごし、夏になると草になることから冬虫夏草と名付けられました。
世界中には約300種類の冬虫夏草があるといわれており、その内名前が付けられているものは226種で、その3分の2が日本で発見されたものです。
中国で冬虫夏草というと、チベットや四川、雲南、西康、ネパール、ヒマラヤなどの3,000~4,000ⅿ級の高山帯に6~8月頃発生する、コウモリガの幼虫に寄生したキノコだけを指します。
冬虫夏草の寄生する宿主には、鱗翅目(りんしもく:チョウやガの仲間)の幼虫や鞘翅目(こうちゅうもく:コガネムシやテッポウムシなど)の幼虫や成虫が多く、その他にハチやアリ、セミ、トンボ、ダニなども知られています。
中国では、紀元前の時代にキノコは植物として考えられていたため「虫草」と表現されたといわれています。
セミに寄生する冬虫夏草はよく目につき、あまり珍しくないということからやや価値が低くみられていたといわれていますが、コウモリガの幼虫に寄生する冬虫夏草はとても珍しく、高値で取り引きされていました。現在は人工培養が可能となったため、安定供給が可能になり手に入りやすくなりました。

●冬虫夏草の成長
冬虫夏草はキノコの中でも傘のない子嚢菌類(しのうきんるい)[※2]の活物寄生菌[※3]です。冬虫夏草は胞子を飛散させて繁殖をしますが、生きている昆虫を宿主とするため、自分に合った昆虫の体内に入り込みます。
昆虫の中に入った胞子は栄養をどんどん吸収していき、成長します。昆虫はやがて死んでしまい、そのままの姿で冬を越します。そして、夏になると昆虫の皮膚で最も弱い部分から子実体を表します。
このような生育をするキノコが総称して冬虫夏草と呼ばれ、宿主により名称が変わります。例えば、宿主である昆虫がチョウのサナギであればサナギタケ、ハチであればハチタケ、カメムシであればカメムシタケなどです。

●冬虫夏草の歴史
冬虫夏草は中国では殷の時代から滋養強壮、不老長寿のための食材として有名でした。
秦の始皇帝は、不老長寿の薬を求めた歴史的人物としてよく知られています。中でも焼酎につけた冬虫夏草を金一匁(きんいちもんめ)という高価な金額と交換した話や、美女の場貴妃が若返りの薬として飲んでいた話が伝えられています。冬虫夏草は滋養強壮の他に、アヘン中毒の解毒剤としても使用されていたことがあります。
また、中国女子陸上チームの馬軍団の連続優勝の陰に冬虫夏草があると報道され、スポーツ関係者の注目を集めたこともありました。
冬虫夏草の名が世界的に知られたのは1722年といわれており、日本には1728年に寧波(にんぽ)の船主である尹心宜が長崎に持ち込んだことがきっかけで入ってきたといわれています。1768年に青木昆陽が書いた『昆陽漫録補』に冬虫夏草のことが記載されています。
明治時代に入ると菌学者である南方熊楠によって冬虫夏草の研究が進められました。近年では、冬虫夏草の様々な働きが徐々に明らかにされてきており、注目を集めています。

●日本の冬虫夏草
中国ではコウモリガの幼虫に寄生したもののみが冬虫夏草と呼ばれますが、日本ではチョウやアリ、セミ、ハエなど様々な昆虫に寄生したものを全てが冬虫夏草と呼ばれています。
日本で発見されたものは日本冬虫夏草と呼ばれ、200種類以上が発見されています。同じ日本でも、北から南まで地域によって異なる種類が育つことや、昆虫ごとにそれぞれ特有の胞子が寄生することが明らかにされています。

●冬虫夏草に含まれる栄養素
冬虫夏草には、滋養強壮の作用を持つコルディセピンや免疫細胞を活性化させるβ-D-グルカンが豊富に含まれています。その他にも利尿作用やカルシウム拮抗剤[※4]としての働きも持つD-マンニトールや、血中のコレステロール値を低下させる働きのあるキチン・キトサンという食物繊維の一種も含まれています。

[※1:子実体とは、きのこの上の部分、つまり傘と太い柄のような部分のことです。]
[※2:子嚢菌類とは、傘のないキノコの総称です。傘のついた種類は坦子菌類と呼ばれます。]
[※3:活物寄生菌とは、マツタケや冬虫夏草のように生きている植物や動物に寄生する菌のことです。他にはシイタケのように死んでいる植物に寄生している死物活性菌や、腐った動物の死骸や植物に寄生している腐食寄生菌があります。]
[※4:カルシウム拮抗剤とは、細胞内へカルシウムイオンを流入する働きを持つカルシウムチャネルに結合し、カルシウムの流入を拮抗(阻害)することにより、血管拡張作用を示す薬剤のことです。]

このページのトップへ

冬虫夏草の効果

冬虫夏草には、コルディセピンやβ-D-グルカン、D-マンニトール、メラトニン、キチン、キトサンなどの有効成分が豊富に含まれているため、以下のような健康に対する効果が期待できます。



●免疫力を高める効果
​ウイルスなどの異物が体内に侵入してきた際には免疫機能が働きます。
まず、体内に入ってきた異物は、白血球[※5] であるマクロファージにより有益なものか有害なものかが判断されます。その後、マクロファージは体内の免疫機能の指揮をとるヘルパーT細胞に、異物が侵入してきたことを伝えます。知らせを受けたヘルパーT細胞は異物を排除するため、ウイルスに感染した細胞を破壊するキラーT細胞や、腫瘍細胞[※6]などを傷害する作用があるNK(ナチュラルキラー)細胞に命令を下します。また、ヘルパーT細胞はリンパ球の一種であるB細胞にも異物が侵入してきたことを伝えます。B細胞は伝えられた情報をもとに、異物を捕まえるための特別なたんぱく質(抗体)をつくります。
この3種類の細胞により、異物が体内に侵入しないための免疫機能が働いています。
冬虫夏草には、β-D-グルカンや多糖類などの成分が組み合わさって、免疫機能を活性化させる効果があるといわれています。【2】【5】

●老化を防ぐ効果
老化を防ぐためには、体内の酵素の働きが重要であるといわれています。
酵素は、体内で起こる様々な化学反応の触媒であり、食べ物を分解する消化酵素とエネルギーをつくり出すための代謝酵素に分かれます。
人間の体の中には酵素をつくるシステムが存在していますが、酵素の生産量はあらかじめ決まっており、その酵素を使い切ってしまうと新たに産生ができなくなるといわれています。
老化を促進する原因には様々な説がありますが、体内の酵素の不足によって起こるという説もあります。
外から酵素を産生するのに必要な栄養素を補給することや、酵素を含む食べ物を摂取することで、酵素を補うことができます。
冬虫夏草には、酵素の産生に必要なアミノ酸が豊富に含まれています。また、体全体を活性化する働きもあるので、酵素の産生を活発にする働きがあります。
冬虫夏草を摂取することにより酵素の材料となるアミノ酸が補え、産生を活発にすることができるため、老化を防ぐ効果があるといわれています。

●生活習慣病の予防・改善効果
体内で発生した活性酸素は、血中の脂肪と結合し動脈硬化の原因となります。
血中の脂肪と結合しなかった活性酸素は細胞内の遺伝子を傷つけ、ガンや生活習慣病などの様々な病気を引き起こします。
人間の体内には活性酸素を消去する酵素が存在しますが、この酵素の生成能力は年齢と共に衰えていきます。
冬虫夏草には、活性酸素を消去する酵素の働きを助ける作用がある亜鉛が含まれていることに加え、他にもミネラル類やビタミン類が種類豊富に含まれています。
また、冬虫夏草に含まれるメラトニンにも、活性酸素を消去する働きがあります。
これらの成分の相乗効果により、冬虫夏草には抗酸化作用があるとして、動脈硬化などの生活習慣病の予防に効果があると注目されています。
他にも、冬虫夏草には優れた血圧調節効果があるといわれています。血圧調整効果とは高すぎる血圧を下げ、低すぎる血圧を上げる働きのことです。また血糖値上昇を抑制するはたらきも報告されており、糖尿病予防効果ならびに高血圧予防効果など、生活習慣病の予防・改善効果が期待されています。

●腎機能を高める効果
冬虫夏草には腎臓の線維化を防ぎ、また腎臓の炎症を抑制するはたらきが報告されており、腎臓障害予防効果など腎臓保護作用が期待されています。

●ガンを予防および抑制する効果
冬虫夏草に含まれるβ-D-グルカンには、腫瘍を防止する働きがあることが動物実験で証明されています。さらに、冬虫夏草には他のキノコには見られないメラトニンが豊富に含まれています。メラトニンは非常に強い抗酸化力を持ち、細胞を健康な状態に導く働きをするため、ガンを抑制する効果があるとされています。
また冬虫夏草には紫外線による遺伝子やDNAの損傷を和らげるはたらきも報告されており、皮膚がん予防など皮膚に対する保護効果が期待されています。【3】

●骨粗しょう症を予防する効果
カルシウムは骨の材料になるだけでなく、血液内で様々な生理作用に関係しています。血中のカルシウムが不足すると、骨からカルシウムが溶け出すことにより血中のカルシウム濃度が一定に保たれています。
冬虫夏草にはカルシウム自体も含まれています。また、カルシウムと協力して働く他のミネラルも豊富に含まれているため、相乗効果で健康に役立つと考えられています。

●ストレスをやわらげる効果
冬虫夏草に含まれているメラトニンには、体内時計を整え自然な睡眠を導くことをサポートする働きがあります。メラトニンは、脳から分泌されるホルモンの一種で自然な眠りを導きますが、加齢や生活リズムの乱れにより正常に分泌できなくなったり、分泌量が減少します。メラトニンを補うことにより体内時計が正常になり、質の良い睡眠をとることができストレスを感じにくくなるといわれています。
また脳神経伝達系であるアドレナリン系やドーパミン系神経にはたらきかけ、抗うつ作用を示すことも報告されており、抗ストレス効果や抗うつ効果が期待されています。【6】

[※5:白血球とは、血液に含まれる細胞のひとつです。体内に侵入したウイルスや細菌などの異物を排除する役割があります。]
[※6:腫瘍細胞とは、組織、細胞が生体内の制御に反して過剰に増殖することによってできる細胞組織のことです。]

このページのトップへ

冬虫夏草は食事やサプリメントで摂取できます

こんな方におすすめ

○免疫力を向上させたい方
○老化を防ぎたい方
○生活習慣病を予防したい方
○腎臓の健康を保ちたい方
○ガンを予防したい方
○骨粗しょう症を予防したい方
○睡眠でお悩みの方

冬虫夏草の研究情報

【1】腎臓疾患マウスに冬虫夏草エキスを2g を摂取させたところ、Ⅳ型コラーゲンやフィブロネクチンの腎臓への沈着が抑制され、炎症促進物質であるTGF-β1やCTGF の活性化が抑制されました。このことから、冬虫夏草には腎臓疾患や腎線維化を抑制するはたらきが示唆されています。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22135152

【2】マウスにおいて、冬虫夏草抽出物を1日当たり50, 100, 200mg/kg 、4日間摂取させ、放射性コバルトに暴露させたところ、放射線暴露による免疫細胞の減少が抑制され、抗酸化酵素SOD の活性が維持されました。またIL-4, 5, 17の分泌が調節されたことから、冬虫夏草には免疫力維持効果が示唆されました。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22001898

【3】ヒトの肌細胞(培養繊維芽細胞)に、冬虫夏草抽出物を投与したところ、紫外線照射によるDNAの損傷が緩和されたことから、冬虫夏草に皮膚がんや皮膚疾患予防効果が確認されました
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21198539

もっと見る

このページのトップへ

参考文献

・田中平三 健康食品のすべて-ナチュラルメディシンデータベース- 同文書院

・蒲原聖可 サプリメント事典 平凡社

・NPO日本サプリメント協会 サプリメント健康バイブル 小学館

もっと見る

このページのトップへ

この成分を見た人はこんな成分も見ています