オレンジ

orange

オレンジはインドのアッサム地方原産のミカン科の植物で、「バレンシアオレンジ」、「ネーブルオレンジ」、「ブラッドオレンジ」の3種類に大別できます。オレンジはビタミンCやカロテノイドを豊富に含み、さらにフラボノイドの一種であるヘスペリジンを含有し、美肌効果や血管を丈夫に保つ効果があります。

オレンジとは

●基本情報
オレンジはインドのアッサム地方原産のミカン科の植物で、「バレンシアオレンジ」、「ネーブルオレンジ」、「ブラッドオレンジ」の3種類に大別できます。バレンシアオレンジはオレンジ類の中でも最も生産量が多く、世界中で栽培が行われています。ネーブルオレンジはへたの反対側の部分がへそ(ネーブル)に似ているのでこの名前が付けられたといわれています。
オレンジは南アフリカ、オーストラリア、特にアメリカなどから輸入されています。バレンシアオレンジはカリフォルニア産が3~7月、南アフリカ産のものは8~10月ごろに市場に出回ります。ネーブルオレンジは国産のものもあり、広島県や和歌山県、愛媛県などで栽培されており、国産ネーブルオレンジは12~3月ごろに出回るといわれています。
オレンジはビタミンCカロテノイドを豊富に含み、フラボノイドの一種であるヘスペリジンも含有しています。

●オレンジの歴史
インドのアッサム地方を原産とするオレンジは、15世紀の末頃に中国の広東からヨーロッパに伝わり、地中海沿岸諸国に広まったとされています。日本には明治時代に導入されました。
オレンジの中でもネーブルオレンジは1870年にブラジルからワシントンを経てカリフォルニアで栽培されるようになったのが始まりです。

●オレンジの選び方と保存方法
新鮮なオレンジは果皮の色が鮮やかで、手に持つと重みを感じます。重みのあるものの方が水分が多く、ジューシーです。しかし、果皮のキメが粗いものや形がいびつなものは味が良くないといわれています。
オレンジの保存方法としては、風通しが良い冷暗所で保存する必要があります。常温では、乾燥をしてしまうため、1個ずつ新聞紙で包むと長持ちします。新鮮なオレンジは1週間程度もつといわれています。夏場などの温度が高くなる時期には、ポリ袋に入れて野菜室に入れておく必要があります。
箱にオレンジが入っている場合、下に入っているものは傷みやすいため、底にあるものから優先的に食べる必要があります。

オレンジの効果

●美肌効果
オレンジにはビタミンCが豊富に含まれ、コラーゲン生成を促すため、美肌に効果があります。
また、ビタミンCはシミ、そばかすなどの予防にも効果があります。
人間の皮膚は、紫外線の影響によってチロシンというアミノ酸がチロシナーゼという酵素によってメラニンという黒い色素に変化します。シミ・そばかすは、このとき生成されたメラニン色素が沈着することで発生します。ビタミンCは、チロシナーゼの働きを阻害することで、メラニン色素の沈着(シミ)を予防し、透明感のある肌を維持する効果があるため美肌に効果があるといわれています。

●血管を丈夫に保つ効果
オレンジにはヘスペリジンという成分が含まれ、血管を丈夫にする効果があります。
ヘスペリジンは末梢血管を強化する効果があるため、血流を改善するといわれています。末梢血管には、毛細血管と呼ばれる血管が多く存在しており、細胞はこの末梢血管から酸素や栄養素を与えられることで、健康な状態を維持しています。
末梢血管を強くしなやかに保つためには、血管の構成成分であるコラーゲンを十分に生成することが重要であり、コラーゲンを生成する役割はビタミンCが担っています。
ヘスペリジンには、ビタミンCの働きを補強する作用があるため、コラーゲンの生成を促進し、末梢血管のように細く弱い血管を丈夫にすることができると考えられています。【1】

●脂肪の蓄積を抑制する効果
オレンジにはイノシトールが含まれるため、脂肪の蓄積を抑える効果があります。オレンジに含まれるイノシトールは、コレステロールの流れを円滑にして、さらに肝臓に脂肪が蓄積しないように働きかけます。【2】【3】

オレンジは食事やサプリメントで摂取できます

こんな方におすすめ

○美肌を目指したい方
○血管を丈夫にしたい方
○ついつい食べ過ぎてしまう方

オレンジの研究情報

【1】動脈硬化病態マウスを対象に、オレンジジュースをはじめとするかんきつ類ジュースを摂取させたところ、LDLコレステロールの酸化が抑制され、動脈硬化も改善されたことから、オレンジは動脈硬化予防ならびに循環器疾患予防効果が期待されています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/12083455

【2】高脂血症患者25名を対象に、オレンジジュースを1日あたり750mL の量で4週間摂取させたところ、血中コレステロールの状態が改善されたことから、オレンジは高脂血症予防効果が期待されています
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/11063434

【3】朝食後の一杯のオレンジジュースを摂取することで、血中脂質の酸化が抑制されたことから、オレンジは高脂血症予防効果が期待されています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22798004

参考文献

・佐藤秀美 イキイキ!食材図鑑 日本文芸社

・五明紀春 食材健康大事典 時事通信社

・中嶋 洋子 著、阿部 芳子、蒲原 聖可監修 完全図解版 食べ物栄養事典 主婦の友社

・成瀬宇平 監修 食材図典 小学館

・Kurowska EM, Spence JD, Jordan J, Wetmore S, Freeman DJ, Piche LA, Serratore P. (2000) “HDL-cholesterol-raising effect of orange juice in subjects with hypercholesterolemia.” Am J Clin Nutr. 2000 Nov;72(5):1095-100.

・Vinson JA, Liang X, Proch J, Hontz BA, Dancel J, Sandone N. (2002) “Polyphenol antioxidants in citrus juices: in vitro and in vivo studies relevant to heart disease.” Adv Exp Med Biol. 2002;505:113-22.

・Stookey JD, Hamer J, Espinoza G, Higa A, Ng V, Tinajero-Deck L, Havel PJ, King JC. (2012) “Orange juice limits postprandial fat oxidation after breakfast in normal-weight adolescents and adults.” Adv Nutr. 2012 Jul 1;3(4):629S-635S. doi: 10.3945/an.112.001990.

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