パフィア

Pfaffia Paniculata、ブラジル人参、アマゾン人参、南米人参、スマ、パラトダ

パフィアはアマゾンを原産地とし、300年以上前から使用されてきた蔓植物です。万能薬ともいわれ、動脈硬化や糖尿病、更年期障害をはじめ、ほとんどの病気に効果があるといわれています。世界中で使用されているパフィアですが、近年、美容にも効果があるとされ、新たに注目されてきています。

パフィアとは?

●基本情報
パフィアは、ヒユ科パフィア属の低木の蔓植物です。南米の熱帯気候地帯に自生しており、その種類は約50種類とされています。根の部分が朝鮮人参に似ていることから、「アマゾン人参」「ブラジル人参」「南米人参」と呼ばれることもあります。一説では、朝鮮人参よりもその効果は強力であるといわれています。
パフィアはアマゾンの先住民によって利用されてきており、その根は不老長寿の薬とされてきました。
現在もパフィアは万能薬だと考えられています。エクアドルのハーブ医療では、心臓血管システムや中枢神経【※1】系統などの強壮剤とされており、動脈硬化【※2】、糖尿病【※3】などの治療に用いられています。またヨーロッパでも神経機能の回復やホルモンシステムのバランス、更年期障害【※4】、生理症状の改善のために使用されます。さらに北南米では、パフィアの根が免疫刺激剤として、また血糖値【※5】の低減や関節の炎症などの効果が期待され、利用されています。このように世界各国で利用されているパフィアは、安全で有益な生薬だとされています。

●パフィアの歴史
パフィアは「パラトダ」と呼ばれることもあります。これは南米の原住民であるインディヘナが呼び始めました。パラトダとは、「すべてに使える」ということを意味しています。その名のとおり、滋養強壮、若返りなどの効果をはじめ、ほとんどの病気に効果があるといわれています。そのためパフィアは、300年以上前から先住民にとってとても重要な民間治療薬として位置づけられてきました。

●パフィアに含まれる成分とその性質
パフィアの根には19種類のアミノ酸マグネシウム、二酸化ケイ素など微量のミネラルが含まれていると言われております。特にゲルマニウムが多く含まれていることが特徴です。ゲルマニウムには、体内で優れた触媒【※6】作用と細胞内の酸素量を増加する効果があるといわれています。そのため血液に酸素を送り込む働きや免疫強化の効果を期待してサプリメントに使用されています。
またパフィアはサポニンが豊富に含まれており、実に1割にも及ぶといわれております。サポニンには血糖値をコントロールする効果があると言われております。

【※1:中枢神経とは、脳と脊髄のことで、感覚、運動、意思、情緒、反射 呼吸など、体のあらゆることに関するコントロールしています。】
【※2:動脈硬化とは、動脈にコレステロールや脂質がたまって弾力性や柔軟性がなくなった状態のことです。血液がうまく流れなくなることで心臓や血管などの様々な病気の原因となります。】
【※3:糖尿病とは、インスリンの不足などによって糖代謝がうまくいかなくなる病気です。もともとインスリンが不足している場合と、年齢や生活習慣によってインスリンが不足していく場合があります。】
【※4:更年期障害とは、40歳代から60歳代の女性に起こりやすい症状です。女性ホルモンのバランスが乱れることによって、動悸、ほてり、イライラなどの症状が現れます。】
【※5:血糖値とは、血液中にブドウ糖がどれくらいあるのかを示すものです。ブドウ糖が血液中にあふれてしまうと血糖値が高くなります。】
【※6:触媒とは、自身は変化せず、接触する周りの物質の化学反応の速度を変化させる物質のことです。】

パフィアの効果

●筋肉を増強する効果
パフィアには、筋肉を増強する効果が期待できます。
パフィアには、大量にベータエクシステロンと3つのエクシステロイドという配糖体【※7】が含まれています。これには副作用がなく、筋肉増強に効果的であることが報告されています。そのためオリンピック選手肉体強化の目的で利用されることもあります。実際にアマチュア運動選手を対象とした調査では、パフィアを摂取すると、使用開始から数日で自覚症状が認められたとの研究報告がなされております。

●更年期障害の症状を改善する効果
パフィアには、更年期障害の症状を改善する効果があります。
女性は加齢に伴い体内でのエストロゲン【※8】の分泌が減っていき、ホルモンバランスが崩れて体の不調を起こしやすくなってしまいます。パフィアには、植物性ホルモンであるシトステロールとスティグマステロールが含まれています。この2つは、女性ホルモンであるエストロゲンによく似た特徴をもっています。このためパフィアは、ホルモンバランスを整えて、更年期障害の予防効果などが期待できると考えられております。【1】

●美容効果
パフィアには美肌効果が期待できます。
コラーゲンは皮膚のハリや弾力をつくります。パフィアには、コラーゲンの体内量の増加と保持する効果があるといわれ、現在美容や食品業界では注目されています。
またパフィアの効果については多くの研究報告がなされています。
老化を起こさせたラットに、パフィアを投与すると、コラーゲンの合成能が上がるということが確認されています。さらに紫外線をあてて老化を引き起こしたマウスの皮膚を調べると、パフィアを摂取させたマウスでは、皮膚のざらざら感の原因ともなる肥厚がやや抑えられていました。また、皮膚の水分率やコラーゲン量の低下もパフィアの摂取では抑えられていたという報告があります。
これらの結果から、パフィアが皮膚の老化の改善に役に立ち、美容への効果が期待できることが考えられます。

【※7:配糖体とは、糖と様々な種類の成分が結合した有機化合物のことです。生物界に広く分布し、植物色素であるアントシアニンやフラボン類などがあげられます。】
【※8:エストロゲンとは、女性ホルモンの一種で、卵胞や黄体から分泌される女性らしい体つきを促進するホルモンのことです。】

こんな方におすすめ

○筋肉を強化したい方
○更年期障害でお悩みの方
○美肌を目指したい方

パフィアの研究情報

【1】パフィアの根には植物ステロールであるβ-シトステロールとスティグマステロールが含まれており、ほかにはサポニンなどが含まれています。パフィア根の粉末をマウスに30日間摂取させたところ、性ホルモンであるエストラジオール17-βやプロゲステロンならびにテストステロンが上昇していることが確認されました。このことから、パフィアにはホルモンバランスの乱れによって起こる更年期障害の予防に役立つ可能性が示されました。また投与期間中に有害事象は確認されなかったことから、パフィアの有用性に注目が集まっております。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/14967943

参考文献

・伊藤英里, 深谷幸隆, 今井昇治. “パフィアのコラーゲン合成促進作用.” 和漢医薬学雑誌 20 (2003): 140.

・Oshima M, Gu Y. (2003) “Pfaffia paniculata-induced changes in plasma estradiol-17beta, progesterone and testosterone levels in mice.” J Reprod Dev. 2003 Apr;49(2):175-80.

・Eberlin S, Del Carmen Velazquez Pereda M, de Campos Dieamant G, Nogueira C, Werka RM, de Souza Queiroz ML. (2009) “Effects of a Brazilian herbal compound as a cosmetic eyecare for periorbital hyperchromia (“dark circles”).” J Cosmet Dermatol. 2009 Jun;8(2):127-35.

・Schwontkowski, Donna L. Herbs of the Amazon: Traditional and common uses. Science Student BrainTrust Pub., 1995.

・Hobbs, Christoper, 1996. “Adaptogens – Herbal Gems to Help Us Adapt.” Let’s Live Magazine.

・Anuario Naturista, 1992. Los Productos Naturales, 5th Ed., Mundo Naturista, Quito, Ecuador

・Bartram, Thomas., Encyclopedia of Herbal Medicine, 1995. Ed Grace Publishers, Dorset England

・Flynn, Rebecca & Roest, Mark., 1995 Your Guide to Standardized Herbal Products. One World Press, Prescott, AZ

・Lucas, Richard, M., 1991., Miracle Medicine Herbs, Parker Publishing, USA

・Heinerman, John, 1996. Heinerman’s Encyclopedia of Healing Herbs & Spices. Parker Publishing Co. USA.

・Powerful and Unusual Herbs from the Amazon and China, 1993. The World Preservation Society, Inc.

・Balch J.F. & Balch, P.A., 1990, Prescription for Nutritional Healing. Avery Publishing Group, USA

・Dr. Donna Schwontkowski., 1994, 1995. “Herbal Treasures from the Amazon”, A series of three articles published in Healthy & Natural Journal 1994, 1995.

・Antitumor pfaffosides from Brazilian carrots. Japanese Patent Number (84 184,198) Oct. 19, 1984 by Rohto Pharmaceutical Co., Ltd.

・Pfaffic acid and its derivatives., Japanese Patent Number (84 10,548) Jan 20, 1984 by Rohto Pharmaceutical Co., Ltd.

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