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わかさの秘密トップ > 成分情報 > レシチン

作成日 2011年08月26日
更新日 2016年03月01日

レシチン

Lecithin
ホスファチジルコリン

レシチンとは、ホスファチジルコリンとも呼ばれ、リン脂質と呼ばれる脂質の一種です。脳や神経組織などに多く含まれ、細胞膜の主要な構成成分です。体内ではあらゆる細胞の膜に含まれており、生理機能を担い、神経伝達物質のアセチルコリンをつくる際にも必要とされます。学習や記憶、睡眠、脂質の代謝にも関わっており、肝臓を保護する働きもあります。

レシチンの健康効果
◎記憶力や学習能力を高める効果
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◎アルツハイマー病や認知症を予防する効果
◎動脈硬化を予防する効果
◎肝機能を高める効果
◎美肌効果
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目次

レシチンとは?


●基本情報
レシチンとは、約150年前にフランスで発見された成分です。卵黄から発見されたことにちなんで、ギリシャ語で卵黄を意味する「レシトス」に由来し、レシチンと名付けられました。
レシチンは卵黄や大豆、酵母やカビ類などに含まれるリン脂質[※1]の一種で、ホスファチジルコリンとも呼ばれています。リン脂質は他の脂質と異なり、エネルギー源になるだけでなく、体内で様々な働きをしていることが知られています。
レシチンは人間の体内に存在するリン脂質としては最も多く、人間の体を構成する約60兆個といわれる細胞のすべての細胞膜を構成している主成分です。脳神経系や血液、骨髄、心臓、肺、肝臓、腎臓、胃腸などの主要な細胞組織に多く含まれています。体内ではあらゆる細胞の膜に含まれており、生理機能を担ったり、神経伝達物質のアセチルコリンの材料としての働きも知られています。副交感神経の刺激を伝え、学習や記憶、睡眠に関わっています。また、脂質の代謝にも関わっており、肝臓を保護する働きもあります。

●レシチンの乳化作用
レシチンの特徴は、水と油の両方の性質を併せ持っていることです。レシチンはリン酸、コリン、グリセリン、脂肪酸の4つの要素で構成されていますが、リン酸とコリンは親水性で水になじみやすく、グリセリンと脂肪酸は親油性で油になじみやすいため、どちらともなじみやすいレシチンは水と油を混ざり合わせる乳化作用を持っています。乳化作用によって、細胞内の水溶性物質と脂溶性物質を溶け合わすことができます。細胞内に栄養を取り入れたり、細胞から老廃物などを排出することが可能になります。また、乳化作用が脂質の代謝を活性化するため、高脂血症の改善や動脈硬化の予防にも効果があると期待されています。
この乳化作用を活かし、食品添加物(乳化剤)としてマーガリン、ケーキ、アイスクリーム、チョコレート、キャラメル、ドレッシングなどの脂肪分を多く含む食品を筆頭に、化粧品の乳液やクリーム、さらには医薬品の加工分野で利用されています。

●レシチンの種類と特徴
レシチンは、大豆レシチンと卵黄レシチンの大きく2つに大別されています。両方とも同じレシチンのため、働きや効果には大きな違いはありませんが、目的によって使い分けされています。
・大豆レシチンの特徴
大豆に含まれる大豆レシチンは、血液中に長く留まることができる特徴を持つため、動脈硬化や脳卒中、高脂血症や心臓病などへの予防、さらにはダイエット効果に優れています。
・卵黄レシチンの特徴
卵黄に含まれる卵黄レシチンは大豆レシチンに比べ、神経系に関与する成分のホスファチジルコリンが多く含まれていることから、脳機能改善への効果を得意としています。

●レシチンを摂取する際の注意点
レシチンは通常の食材に含まれる成分のため、非常に安全性が高いのが特徴で、問題となる健康被害や副作用などは報告されていません。また、他の医薬品との相互作用においても報告されていません。しかし、大量に摂取すると下痢や腹痛などが生じることがあります。
常用薬を服用中の人や、何らかの医薬品と同時に摂取する場合には、医師への相談が必要です。

[※1:リン脂質とは、細胞膜を構成する主要な成分です。体内で脂肪が貯蔵・運搬される際に、たんぱく質と結び付ける役割を持っています。情報伝達にも関与している必要不可欠です。]

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レシチンの効果




●記憶力や学習能力を高める効果
脳内では、神経細胞の間を情報伝達物質が活発に行き来しながら、記憶や判断などの働きを行っています。レシチンの構成要素のひとつであるコリンは、体内に吸収されると脳まで届き、脳内の神経伝達物質であるアセチルコリンをつくる材料になります。レシチンであるホスファチジルコリンは血液脳関門を通り抜けて脳細胞に到達し、記憶や認識の機能、筋肉の動きのコントロールなど様々な生化学的なやりとりをサポートしています。レシチンが不足することでイライラや不眠症、記憶力の低下が起こる可能性があります。よって脳のアセチルコリン濃度が記憶保持や脳機能向上を左右しているともいえます。【1】

●アルツハイマー病や認知症を予防する効果
人間の脳内には、約30%ものレシチンが存在し、約140億個ともいわれる脳細胞の活動を支えているため、レシチンは「脳の栄養素」とも呼ばれています。しかしながら人間の細胞は20歳を過ぎる頃から1日に2万~3万個ずつ破壊され、年を重ねるごとに減少していく細胞の数が増加していきます。脳細胞の破壊や減少も同様に起こります。
また、脳の神経線維はレシチンでできたミエリン鞘という絶縁質で覆われています。このミエリン鞘が傷つくと神経線維が大きなダメージを受け、認知症やアルツハイマー病の原因になります。
したがって、日頃からレシチンをしっかり補給することで、アセチルコリンという記憶に関係した神経伝達物質の生成を促進し、アルツハイマーや認知症の予防や、記憶力を維持して学習能力を向上させるとともに、脳細胞の破壊を最小限に抑えることができます。【1】

●動脈硬化を予防する効果
動脈硬化の原因のひとつ に、血液中のコレステロールの増加が挙げられます。コレステロールが血管に付着するなどして血液の流れを悪化させることにより動脈硬化が起こります。本来 は溶け合うことのない水分と脂肪分ですが、レシチンの水と油を混ざり合わせる性質によって、コレステロールが血液中の水分に乳化するようになります。血中 のコレステロールをレシチンが溶かして、余分なコレステロールが血管壁に沈着することを防ぎ、細胞内や血液中でのコレステロール値を調整してくれると考え られています。

しかし、コレステロールは、細胞膜や神経組織の構成成分でもあり、胆汁 酸などの合成に必要な脂質で、食品からの摂取が少ない時は肝臓で合成され血流によって組織に運ばれます。また、血中コレステロールが増加しすぎると、肝臓 に戻されます。コレステロールはリポタンパクというたんぱく質と一緒に移動しますが、コレステロールとリポタンパクを結合させるのもレシチンです。肝臓か ら出ていくリポタンパクをLDL、肝臓に戻るものをHDLと呼び、一緒に移動するコレステロールをそれぞれにLDLコレステロール、HDLコレステロール といいます。LDLコレステロールは血中に増えすぎると血管壁に付着しやすいので悪玉、HDLコレステロールは比較的レシチンを多く含み、血管内の余分な コレステロールを掃除するので善玉と呼ばれています。
レシチンが多いと、悪玉(LDL)コレステロールが減り、善玉(HDL)コレステロールが増えるほか、肝臓内のコレステロール合成酵素ACATのはたらきが抑制されることも報告されており、高脂血症の改善や動脈硬化の予防につながります。【4】




●肝機能を高める効果
レシチンの構成要素のひとつであるコリンは、肝臓での脂質代謝において必要とされます。また、コリンとは異なる経路でレシチンが肝機能を保護する作用も持っています。肝臓の細胞であるクッパー細胞や多核細胞を増加させ、肝臓内のHDLコレステロールを増加させることも報告されています。

また、レシチンには脂肪肝や肝硬変を予防・改善する効果があるといわれています。
レシチンは、細胞の健康維持のための仕分け役としても働きます。人体では主に細胞膜や細胞の核に存在しており、毎日新しい細胞をつくっています。細胞に必要な栄養分や酸素などを吸収すると同時に、不要な物質を細胞の外に排出する働きもあります。レシチンによってエネルギーの代謝効率が良くなるため、血糖値の低下や肥満予防効果も期待できます。また、脂肪の代謝を促進することで、肝臓内への脂肪の蓄積を防ぎ、脂肪肝や肝硬変の予防や改善に効果があることもわかっています。【3】

●美肌効果
レシチンの乳化作用は、コレステロールの分解や排泄に有効に働き、血液中の脂質を固まらせずにスムーズに流す作用を持ちます。
したがって、酸素や栄養分を体の隅々にまで行き渡らせることが可能となって美しい肌を保つことができます。
またレシチンには皮膚を熱損傷によるダメージから守るはたらきも報告されており、皮膚保護作用も注目されています。【2】

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レシチンは食事やサプリメントで摂取できます


レシチンを多く含む食品
○卵黄
○大豆
○銀杏
○ウニ
○ウナギ
○レバー

こんな方におすすめ

○記憶力や集中力を高めたい方
○コレステロールの数値が高い方
○動脈硬化を予防したい方
○肝機能を改善したい方
○美肌を目指している方
○ダイエットしたい方 

レシチンの研究情報

【1】レシチンの主成分「ホスファチジルコリン」不足患者12名にレシチンの主成分ホスファチジルコリンを1日あたり2g を摂取させたところ、言語能力と視覚機能ならびに言語記憶能力に改善が見られたことから、レシチンには記憶力および認知機能改善効果があることが示唆されました。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11190987

【2】熱障害ラットにレシチンの有効成分ホスファチジルコリンを10% 含有懸濁液を21日間投与すると、熱損傷による細胞の損傷の抑制が見られたことから、レシチンには皮膚保護作用を有することが示唆されました。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/14761824

【3】レシチンを摂取させたラットでは、肝臓におけるHDLコレステロールの増加が確認されました。また肝臓のクッパー細胞や多核細胞の増加が認められたことから、レシチンには脂質代謝効果と肝臓保護効果が期待されています。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10905815

【4】ラットにレシチンを14日間摂取させたところ、肝臓でのコレステロール代謝に影響を与え、HMG-CoAが増加した一方、ACATの活性が低下し、LDLコレステロールが減少しました。ACATはコレステロール合成関連酵素であり、レシチンには高コレステロール血症予防効果が示唆されました。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12559476

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参考文献

・清水俊雄 機能性食品素材便覧 特定保健用食品からサプリメント・健康食品まで 薬事日報社

・原山 建郎 著 久郷 晴彦監修 最新・最強のサプリメント大事典 昭文社

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