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作成日 2011年08月22日
更新日 2014年12月05日

ローズオイル

rose oil

ローズオイルの主成分である香気成分「ゲラニオール」は抗菌、抗不安、皮膚弾力回復などの働きがあり、ブルガリアでは市民の間で民間薬として古くから親しまれてきました。古くから愛されるローズオイルは、リラックスだけでなく、美容、エチケットなど様々な分野で効果を発揮します。

ローズオイルの健康効果
◎体臭を抑える効果
◎リラックス効果
◎美容効果

目次

ローズオイルとは?

●基本情報
ローズオイルとは、バラの花弁から抽出した精油(オイル)のことをいい、香水やアロマテラピー、サプリメントなどに多く使用されています。

●バラの歴史
バラ(薔薇)はバラ科バラ属の種の総称で、バラ属の植物は灌木[※1]、低木、または木本性のツル植物で、葉や茎にトゲのあるものが多いのが特徴です。古くから薬効があるといわれ、摘みたてのバラの花びらはお茶やお酒、ジャムなどにも使われてきました。北半球の温帯域に広く自生しており、チベット周辺、中国の雲南省からミャンマーにかけてが生産地であるといわれ、ここから中近東、ヨーロッパへ、また極東から北アメリカへと伝播したといわれています。香りの世界では「女王様」と呼ばれているバラですが、バラが地球上の各地に現れたのは、5000万年以上前といわれています。

●最高品質のローズオイルを生むバラの女王「ダマスクローズ」
身近に見られる多くのバラは、いくつかの野生バラがもとになっています。今では世界に2万種類以上あり、その中でも香料としてローズオイルを抽出するバラは、ガリガ、ダマスクローズ、アルバ、センティフォリアの4種類。ダマスクローズはガリガの子ども、アルバはその孫、そしてセンティフォリアはダマスクローズの孫にあたるといわれています。このように様々な種類のバラがかけ合わされ、甘く優美な香りが生まれたのです。これらの多くは、トルコやモロッコ、ブルガリアなどで栽培され、各地で愛されています。この中でも最も香り高く「バラの女王」と呼ばれているのが、ブルガリアで採れるダマスクローズです。
ダマスクローズは、ブルガリアの「バラの谷」で栽培されており、非常に香りが強く、絶世の美女クレオパトラやナポレオン・ボナパルトの最初の妻である皇妃ジョセフィーヌも魅了されたといわれています。
東欧・ブルガリアは、国土の3分の1を山地が占め、地下水や湧き水に恵まれた土地です。バラの谷は首都ソフィアから東へ約140kmのブルガリアの中央に位置し、バルカン山脈とスレドナ・ゴラ山脈に挟まれています。土壌は酸性度が低く、水はけも良いため、根から栄養を吸収しやすい上、広大な山脈が北風、南風を止めるために植物が育ちやすい環境にあるのです。また、豊富な雨量と朝夕の気温差が大きいという気候がバラの生育に最適とされ、ブルガリアのダマスクローズから採ったローズオイルは世界で最も香りが良いとされており、化粧品の高級メーカーから出されている香水にも多く使用されています。

●ローズオイルの抽出法
ダマスクローズの収穫時期は5月下旬~6月上旬の約20日間、さらに早朝5時からわずか数時間という短い間にのみ、手摘みで丁寧に収穫されます。バラは気温が5℃を超えると咲き始め、咲ききってしまうと香気成分が飛んでしまうため、日が昇り気温が上がる前に摘み取る必要があるのです。
そうして摘み取られたダマスクローズは、香気成分が飛ぶ前に素早く水蒸気蒸溜法という方法でローズオイルを抽出します。これは花と水のみを使用する無添加抽出法です。蒸留釜に1tの花とその4倍の水を仕込み、48℃で約3時間蒸気による加熱を続けます。そうすることで香気成分が気化し、蒸留水が作られます。この蒸留水を冷却することで、油層と水層に分離します。油層である黄金色の上澄み部分がローズオイル、水層である無色透明の下層部分がローズウォーター[※2]です。この方法で抽出されたローズオイルを「ローズ・オットー」と呼び、香水やアロマテラピー、最近ではサプリメントなど様々な用途で使用されます。
その他の抽出方法として石油エーテル[※3]やヘキサン[※4]、ベンゼン[※5]などの揮発性の溶剤と花を混ぜてつくる溶剤抽出法があり、この方法によって抽出されたローズオイルを「ローズ・アブソリュート」と呼びます。
ダマスクローズからローズオイルを1g抽出するためには、ダマスクローズが約2600本も必要となります。ここからわかるようにローズオイルは非常に貴重であることから、その価値は金にも勝るといわれています。

●世界が認めるローズオイル
ローズオイルは300種類以上の成分が混ざり合って1つの香りがつくられています。シトロネロール[※6]やステアロプテン[※7]、ゲラニオール[※8]でその約70%を占めますが、ISO9842[※9]では各成分の比率が定められ、それを満たしたものがブルガリア産ローズオイルと認められます。ブルガリアは世界で唯一、ローズオイルに国家基準を定めており、その分析・評価・認定を厳しく行い、偽造を防ぐために、1927年にブルガリア国立バラ研究所が設立されました。香りの分析器・ガスクロマトグラフィーで香り成分を数値化し、厳しい分析、評価、認定を行ってきたのは、長年に渡り所長を務めたニコライ・ネノフ氏です。氏は今でもブルガリアのバラの番人として、その名を世界に轟かせています。
ブルガリアでは、ブルガリア国立バラ研究所に認定されたローズオイルに対してのみ、品質証明書が発行されています。品質証明書が発行されたローズオイルは、特別な容器に入れられ、国の刻印をロウに押し付け、密閉されます。この刻印こそが品質を保障する証なのです。

[※1:灌木(かんぼく)とは、植物学の用語で、成長しても樹高が約3mまでの木のことです。]
[※2:ローズウォーターとは、ローズオイルを抽出する際にできる副産物のことで、ローズオイルが溶け込んでいます。ブルガリアでは、ローズオイルに代わって化粧水や飲用水として使用されています。]
[※3:石油エーテルとは、石油の低沸点留分の一種です。ほぼ無色透明で、溶剤として広く用いられています。]
[※4:ヘキサンとは、有機溶媒の一種です。常温では無色透明で、灯油のような臭いがする。灯油やガソリンに多く含まれています。]
[※5:ベンゼンとは、無色で甘い芳香を持つ引火性の高い液体です。原油に含まれており、石油化学における基礎的化合物の一つです。]
[※6:シトロネロールとは、バラに含まれる香気成分で、抗菌、沈静、血圧降下などの作用があります。]
[※7:ステアロプテンとは、花ロウのことで、低温だと固まる成分です。]
[※8:ゲラニオールとは、バラに含まれる香気成分で、抗菌、抗不安、皮膚弾力回復などの作用があります。]
[※9:ISO9842/ISOとは、国際標準化機構(International Organization For Standardization)のことで、工業製品の国際規格を決めている機構です。ISO9842はローズオイルを規格化したものです。]

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ローズオイルの効果

現在、あらゆるバラを使った製品がつくられ、世界中でその豊かな香りは楽しまれ、生活に広く利用されています。

バラの香りはエチケットとして効果的なだけでなく、リラックスへと導く心への働きや血流改善、保湿効果なども兼ね備えています。ローズオイルやローズウォーターは、ブルガリアでは古くから民間薬としても取り入れられ、肌の調子が悪い時は肌に塗布し、お腹の調子が悪いときは体内に取り入れるなどして親しまれてきました。このようにバラの香りはエチケットはもちろん、心と体の健康に深く関っているのです。


●体臭を抑える効果

ローズオイルをサプリメントなどで体内に取り入れることで、ローズオイルの主成分である「ゲラニオール(geraniol)」が吸収され、汗腺から汗とともに放出されます。ゲラニオールとはローズ香を有する香気成分です。体内にローズオイルを取り入れた際、皮膚から放出されるローズの香気成分量は30~60分で最大になり、180分までその拡散が継続するという研究結果が出ています。【15】

●リラックス効果
美と健康を手に入れるための自然療法の1つとして、古くから「アロマテラピー」が親しまれてきました。アロマテラピーではダマスクローズが使用され、精油(ローズオイル)をブレンド・希釈して使用します。精油には、その豊満な香りがもたらすリラックス効果でストレスや緊張をやわらげる働きがあります。香りは脳の本能を司る部分(大脳辺縁系)に直接働きかけるので、心のリラックス効果をもたらすのです。【7】【12】
中でも、ローズのエッセンシャルオイル[※10](水蒸気蒸溜法により抽出したローズ・オットー)は非常に高価で、1mlで数万円もする高級品ですが、ローズのエキスと香りを凝縮しているのでアロマテラピーでとても人気の高い香りです。【7】【10】

●美容効果
ローズオイルは女性のホルモンバランスを整え、心身共に健やかにする働きが知られています。女性ホルモンの乱れが引き起こす症状として、生理不順、生理痛、月経前症候群(PMS)[※11]、更年期症状などが知られています。ローズオイルの香気成分ゲラニオールは、大脳辺縁系を通してホルモン分泌をコントロールする視床下部に伝わり、その下にある脳下垂体を刺激して性腺刺激ホルモンの分泌を促します。この性腺刺激ホルモンが血流を通って卵巣に到達することで、卵巣からエストロゲン[※12]という女性ホルモンが分泌されます。このような働きにより、これらの女性特有の症状を緩和するともいわれています。
また、ローズオイルの香気成分「ネロール」[※13]も女性ホルモンの分泌に関与しているといわれており、皮膚の弾力を回復させる効果があるとされています。

●その他ローズオイルの働き
ローズオイルは他にも様々な働きを持ちます。
美容系…肌の調子を整える、保湿効果、抗菌作用、血流改善、ニオイ抑制、毛髪育成、抗アレルギー作用【3】
精神系…脳の活性化、幸福感を与える、自律神経を整える、リラックス効果【7】【10】【12】
婦人科系…子宮強壮、女性ホルモンの働きを正常化
消化器系…食欲増進、胃炎抑制、便通改善
中枢神経系…免疫力を高める、頭痛、発熱を抑える
疾患…抗炎症作用、耳痛・耳鳴りを抑える
その他…記憶力の上昇【13】

このように、ローズオイルには心への働きと体への働きがあり、様々な分野で広く役立っています。

<豆知識①>香りを感じる仕組み
香りは脳に直接的に伝達され、心身に働きかけるとされ、その理由は人間が香りを感じる工程にあります。
まず、香りの分子が鼻の奥にある嗅上皮という粘膜に溶け込み、嗅細胞の先端である嗅毛という極細の毛にキャッチされます。すると嗅毛に存在するセンサー(嗅覚受容体)と結合し、嗅細胞が興奮を起こします。その興奮が電気信号となり、嗅神経を通って嗅球(嗅覚中枢)へと伝えられ、ここで初めて「香り」として認識されます。香りは、脳の「考える」部分を通さず、「感じる」部分、大脳辺縁系に一瞬で伝わり、香りの快・不快を判断します。
脳には生まれ付き育った環境、身に付いた習慣など後天的な情報が詰まっており、このフィルターを通して最終的な香りの快・不快や、好き嫌いを判断しているのです。
また、そこから視床下部という体の生理機能をコントロールする部分へ伝わり、自律神経系、免疫系、ホルモン系の働きのバランスを取ることで心身へ影響を与えるといわれています。

<豆知識②>不調の原因「脳疲労」に働きかける香り
「脳疲労」とは、考える脳と感じる脳のバランスをうまく保つことができず、体に不調のサインが現れている状態をいいます。何か出来事が起こると、○○しなければならないと考える「考える脳」と、○○したいと感じる「感じる脳」がお互いに相談しながら行動を決定して、「生命中枢の脳」へ指令を出し、心と体のバランスを保っていますが、過剰なストレスが加わると、脳の働きはバランスを崩し、「考える脳」と「感じる脳」の相談がスムーズにいかなくなります。
これによって、肌荒れなどの不調があらわれます。そうなることで、「感じる脳」が一方的に「考える脳」に抑圧されてしまう状態になってしまいます。「生命中枢の脳」にもアンバランスな指令が出され、心と体のバランスが崩れ、いろいろなトラブルの原因となります。
ローズオイルなどの香りはダイレクトに脳に働きかけるため、脳の不調和を調整し、心と体のバランスを保つことをサポートしてくれるのです。

[※10:エッセンシャルオイルとは、植物に含まれ、揮発性の芳香物質を含む有機化合物を指し、精油とも呼ばれます。]
[※11:月経前症候群(PMS)とは、月経の約1、2週間前から発生し、月経開始とともに消失する身体的、または精神的症状の総称です。]
[※12:エストロゲンとは、女性ホルモンの一種で、卵胞や黄体から分泌される女性らしい体つきを促進するホルモンのことです。]
[※13:ネロールとは、バラのような甘い香りがする無色の液体のことです。香料として用いられています。]

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ローズオイルは食事やサプリメントで摂取できます


こんな方におすすめ

○ローズの香りを楽しみたい方
○ストレスをやわらげたい方
○いつまでも若々しくいたい方
○女性特有の病気(更年期、生理不順など)が気になる方
○心を落ち着かせたい方

ローズオイルの研究情報

【1】高脂血症ウサギにローズオイルを摂取させたところ、総コレステロールやLDL、TGの上昇が抑制され、心臓、大動脈の動脈硬化を抑制されたことから、ローズオイルが高脂血症予防効果ならびに動脈硬化予防効果を持つことが示唆されました。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22456895

【2】ローズオイルを摂取することで、うつ病による脳内のビタミンA, E, C ならびにβ-カロテンの低下が抑制されたことから、ローズオイルが抗うつ効果を持つことが示唆されました。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22484603

【3】ローズオイルは皮膚ストレスによる副腎皮質ホルモンや糖質コルチコイドの上昇を抑制し、皮膚バリア保護作用があります。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21928072

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参考文献

・Gholamhoseinian A, Shahouzehi B, Joukar S, Iranpoor M. SourceDepartment of Biochemistry, Medical School and Kerman Physiology Research Center, Kerman University of Medical Sciences, Kerman, Iran. (2012) "Effect of Quercus infectoria and Rosa damascena on lipid profile and atherosclerotic plaque formation in rabbit model of hyperlipidemia." Pak J Biol Sci. 2012 Jan 1;15(1):27-33.

・Nazıroğlu M, Kozlu S, Yorgancıgil E, Uğuz AC, Karakuş K. (2012) "Rose oil (from Rosa × damascena Mill.) vapor attenuates depression-induced oxidative toxicity in rat brain. " J Nat Med. 2012 Apr 8.

・Fukada M, Kano E, Miyoshi M, Komaki R, Watanabe T. (2012) "Effect of "rose essential oil" inhalation on stress-induced skin-barrier disruption in rats and humans." Chem Senses. 2012 May;37(4):347-56.

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