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作成日 2011年08月26日
更新日 2014年04月22日

ルチン

utin
ケルセチン-3-ルチノシド  シトラスバイオフラボノイド

ルチンとは、そばやいちじくに特徴的に含まれるポリフェノールの一種で、血管強化作用や抗酸化作用があります。ヘスペリジンなどとともにビタミンPとも呼ばれている、水溶性のビタミン様物質です。

ルチンの健康効果
◎出血性の疾患を予防する効果
◎生活習慣病の予防・改善効果
◎心疾患を予防する効果
◎糖尿病を予防する効果
◎認知症を予防する効果
◎変形性関節症を改善する効果

目次

ルチンとは

●基本情報
ルチンとは、強力な抗酸化作用をもつポリフェノールのフラボノイド化合物の仲間で、ビタミンP[※1]と呼ばれています。ルチンは、心臓疾患や動脈硬化、高血圧など、生活習慣病の予防に役立ち、高血圧の改善や血糖値の回復作用があるといわれています。また、細菌の侵入を防いだり、ビタミンCの吸収を助ける効果もあります。ルチンを含む植物は昔から生薬として利用され、炎症や出血を抑えたり腰痛をやわらげるためにも利用されていたようです。

●ルチンの歴史
ルチンが発見されたのは1930年代のことです。皮膚内や粘膜下などに出血を起こす紫斑病の治療に有効だったためビタミンPと呼ばれています。Pは透過性(Permeability)の頭文字に由来しています。ビタミンであればみられる欠乏症が見出されていないため、ビタミン様物質としてルチンという名称で統一されています。現在ではビタミンPにはルチンの他にもヘスペリジンやケルセチンなどの成分も含まれているとされています。最近の研究では、血圧や血糖値の降下作用、すい臓機能の活性化作用などがあることも報告されています。

●ルチンの性質
ルチンは、ビタミンCの研究中に発見されたビタミン様物質で、ビタミンPの一種です。抗酸化作用があるといわれるポリフェノールのフラボノイド系に属します。
ポリフェノールとは、植物の苦味、渋味、色素の成分となっている化合物の総称で、自然界に5000種類以上存在しているといわれている栄養素です。すべてのポリフェノールが強力な抗酸化作用を持つため、生活習慣病の予防に効果的であるといわれています。
フラボノイド系に属するルチンはビタミンCと共に働き、毛細血管を強化するため、出血性の疾患に効果があります。脳卒中、歯茎からの出血などの出血性の疾患を予防したり、血流をスムーズにしてくれる働きがあります。さらに高血圧や動脈硬化、脳血管障害、痔などの予防に効果的です。弾力がなくなり破れやすくなった血管をもとの弾力のある血管に変える働きがあるので、血液循環に関わる病気に有効であるとともに、心臓疾患にも効果があります。
特筆すべきルチンの特長として、ビタミンCの吸収を促進することがあげられます。そのためビタミンCを併用することで、よりルチンの効果を発揮します。ビタミンCとの併用で体内でのコラーゲンの合成などをサポートします。
また、ルチンは、すい臓にも作用し、障害をもたらす物質の働きを弱めインスリン[※2]の分泌を促すため、糖尿病予防に効果があります。
さらに、脳細胞の酸化を防ぎ、活性化させるために老人性認知症にも有効だと考えられています。
他にも、毛細血管を収縮させる一過性の作用があり、この作用を利用した止血薬には、エンジュ[※3]という中国産の豆の葉からの抽出物を利用しているそうです。

<豆知識①>ルチンを効率的に摂る方法
1日に必要なルチンは30mgといわれています。1日1食、そばを食べると、この量は摂取できます。ルチンは、そばの実の外殻に近い部分により多く含まれています。特に韃靼そば(日本名は苦蕎麦)は、普通のそばの約100倍もルチンが豊富といわれています。またそばをゆでている間に、水溶性のルチンはビタミンB₁やビタミンB₂などと一緒にゆで汁に溶け出してしまうという性質があるため、そばを食べる場合はそば湯も飲むようにすると効果的です。さらに、そばと一緒に野菜を食べる、または、そばを食べた直後に、みかん、いちごなどのビタミンCが豊富な柑橘類も摂ると、いっそうルチンの効果を発揮するのでより効果的に栄養素が摂れます。

[※1:ビタミンPとは、ビタミン様物質と呼ばれる、ビタミンと似た働きを行う物質の一種で、ヘスペリジン、ルチン、ケルセチンなどの総称です。]
[※2:インスリンとは、血糖値をコントロールする作用を持ったホルモンです。]
[※3:エンジュとは、中国由来のマメ科の植物です。漢方では、エンジュのつぼみを槐花(かいか)と称し使用しています。] 

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ルチンの効果

ルチンは強い抗酸化作用があります。そのため幅広い効果があり、全般的な生活習慣病の予防に効果的です。ビタミンCの吸収を促進する働きにも優れており、ビタミンCとの併用で体内でのコラーゲンの合成などを助けます。


●出血性の疾患を予防する効果
ビタミンCとともに働き、毛細血管を強化するため、出血性の疾患に効果があります。脳卒中や歯茎からの出血などの出血性の疾患を予防します。

●生活習慣病の予防・改善効果
​​ルチンは毛細血管の弾力性を保ち、血流を良好に促す働きがあります。そのため、動脈硬化や脳血管障害予防に効果的です。また、血管収縮作用もあり、高血圧の予防、血圧降下作用、痔の予防効果もあります。【1】【4】【6】

●心疾患を予防する効果
弾力がなくなり、疲れやすくなった血管をもとの弾力のある血管に変える働きがあるので、血液循環に関わる病気に有効です。同時に、心臓疾患の予防・改善効果もあります。

●糖尿病を予防する効果
ルチンはすい臓にも働きかけ、障害をもたらす物質の働きを弱めインスリンの分泌を促すため、糖尿病予防に効果があります。【2】

●認知症を予防する効果
ルチンはその抗酸化作用によって、脳細胞の酸化を防ぎ活性化させるため、認知症にも有効だと考えられています。【3】【7】

●変形性関節症を改善する効果
酵素の一種であるトリプシンとブロメラインをルチンと併用すると、ひざの痛みを伴う変形性関節症に有効であったという報告があります。【5】

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ルチンは食事やサプリメントで摂取できます

ルチンを含む食品

○そば
○アスパラガス
○トマト
○いちじく
○みかん
○レモン

こんな方におすすめ

○生活習慣病を予防したい方
○脳卒中を予防したい方
○動脈硬化を予防したい方
○血圧が高い方
○痔を予防したい方
○糖尿病を予防したい方
○記憶力が気になる方

ルチンの研究情報

【1】高コレステロール食摂取ラットに、ルチンを摂取させたところ、糖尿病の指標である糖耐性に改善が見られ、肝臓および心血管組織機能に改善が見られました。また肝臓および心臓中の酸化ストレス・炎症が正常と同程度まで回復したことから、ルチンは生活習慣病予防効果を持つと期待されています。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21508207

【2】糖尿病誘発ラットに対して、ルチンを50mg/kg摂取させたところ、血中のALTおよびAST(肝機能マーカー)、LDH(心機能マーカー)に改善が見られたことから、ルチンは糖尿病ならびに肝臓心血管合併症予防効果が期待されています。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19932588

【3】アルツハイマー病ラットに対して、ルチンを25mg/kg の量で経口投与したところ、脂質過酸化物であるTBARS、ADPリボシルポリメラーゼ、一酸化窒素レベル、グルタチオン、グルタチオンペルオキシダーゼ、グルタチオンレダクターゼの有意な改善が認められました。さらに炎症性物質であるシクロオキシゲナーゼ2(COX2)やインターロイキン‐8(IL‐8)の増加が抑制されたことから、ルチンは抗炎症作用を持ち、アルツハイマー病の予防に役立つことが示唆されました。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22441036

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参考文献

・Panchal SK, Poudyal H, Arumugam TV, Brown L. (2011) “Rutin attenuates metabolic changes, nonalcoholic steatohepatitis, and cardiovascular remodeling in high-carbohydrate, high-fat diet-fed rats.” J Nutr. 2011 Jun;141(6):1062-9. Epub 2011 Apr 20.

・Fernandes AA, Novelli EL, Okoshi K, Okoshi MP, Di Muzio BP, Guimarães JF, Fernandes Junior A. (2010) “Influence of rutin treatment on biochemical alterations in experimental diabetes.” Biomed Pharmacother. 2010 Mar;64(3):214-9. Epub 2009 Oct 27.

・Javed H, Khan MM, Ahmad A, Vaibhav K, Ahmad ME, Khan A, Ashafaq M, Islam F, Siddiqui MS, Safhi MM, Islam F. (2012) “Rutin prevents cognitive impairments by ameliorating oxidative stress and neuroinflammation in rat model of sporadic dementia of Alzheimer type.” Neuroscience. 2012 May 17;210:340-52. Epub 2012 Mar 6.

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