サケ

salmon

赤い身に強い抗酸化力のアスタキサンチンやDHA・EPAを持つ魚です。川から海へ出て成魚となり、産卵後に再びその川に戻るという習性が有名で、一般的な旬は秋です。

サケとは

●基本情報
サケは赤い身をそなえた魚でサケ科サケ属に属します。秋に出回るものを「秋鮭」、春の終わりから夏にかけて出回るものを「時鮭(ときしらず)」と呼びます。時鮭は時を知らずして川に上ってきたもの、という意味に由来しています。
川から海へ出て成魚となり、産卵期に再びその川に戻るという習性が有名です。
サケは日本ではシロサケ、マスノスケ、ギンザケ、ベニザケなど約7種類が一般的です。サケ類は一般に「サケ・マス」とよばれているが明確な区分はなくイワナ類なども含まれ、北半球だけで約30種類も存在します。
英語では、海に下るものをサーモン(salmon)とよび、淡水域で一生を過ごすものをトラウト(trout)とよびます。

●サケの特性
サケは日本の中部地方からアメリカオレゴン州まで広く分布しています。かつては全長1m、体重10kgを超えるものも少なくありませんでしたが、近年河川への回帰量が増大するにつれて小型化し70cm、3kg前後のものが多くなっています。また夏季に東北地方以北の沿岸で漁獲される未成熟魚は高価で売られます。
サケはもともと白身魚ですが、プランクトンから摂取したアスタキサンチンを体内に蓄えることで、長い回遊の旅に耐えることができ、激流の川をさかのぼることができます。サケの回遊は、ストレスや厳しい環境の戦いであり、アスタキサンチンは体内に大量に発生した活性酸素から身を守る役割を果たします。体内に蓄えられたアスタキサンチンが活性酸素を除去することで、疲労を回復させるのです。アスタキサンチンのパワーはビタミンEの約500~1000倍ともいわれ、サビつきを強力にブロックします。このアスタキサンチンは卵であるイクラにも受け継がれます。イクラが孵化するまでの間、紫外線などから卵を守る役割をしてくれるのです。

●サケの種類
市場に出回る有名なサケの種類は以下です。
・シロサケ
日本人にとってもっとも一般的なサケです。北太平洋の全域に分布し脂肪分が少なめで加工食品に向いています。

・マスノスケ
全長約1.5mでキングサーモンと呼ばれます。末尾のスケは、大型のサケであることを意味します。

・ギンザケ
全長約1mで、脂肪分が多いため、ステーキに向いています。

・ベニザケ
全長約85cmで淡水性のものは、一般的にヒメマスと呼ばれます。

・タイセイヨウサケ
全長約1.5mで、現在はチリやノルウェーなど他国からの輸入が主のサケです。

●サケの料理
古くから日本人の食生活を支え、その調理法や加工法は多様に存在します。サケの産地で名高い新潟県では100種類を超える調理法や料理名があるほどです。
サケはほどよく脂がのったクセのない身を持ち、加熱すると独特の食感がえられることから、それらを活かした様々な料理があります。日本では和食として焼き魚や刺身、サーモン寿司として有名です。
・汁物、鍋料理
豆腐や野菜とともに味噌で煮込む石狩鍋やすり身、つみれ団子

・焼き物
サケの塩焼きやムニエル、バター焼き、ホイル焼き

・揚げ物
サケフライ

・乾物
燻製、スモークサーモン、さけふりかけ、さけお茶漬け

サケの効果

●眼精疲労を改善する効果
アスタキサンチンは栄養が届きにくい細部にまで入り込むことができるため、目の奥までしっかり届くことができます。そのため、活性酸素を除去することで眼精疲労の改善が期待できます。眼精疲労とは、パソコンや携帯電話、読書などで長時間近くを見ていると、目の中の毛様体筋が緊張状態となります。その状態が慢性化することで、ひどい場合には目の奥の痛みや肩こり、頭痛となって、体に不調が現れてしまうのです。
眼精疲労の症状を訴える健常者にアスタキサンチン6mgを4週間摂取させたところ、調節機能の改善と自覚症状の改善が確認されました。これにより、アスタキサンチンは眼精疲労に効果的だということがわかりました。

●活性酸素を除去する効果
サケのピンク色の身は、エサとして食べたプランクトンなどに含まれる色素、カロテノイドの一種であるアスタキサンチンが筋肉にたまったものです。このアスタキサンチンは強力な抗酸化力を持ち、活性酸素を除去するパワーがあります。アスタキサンチンは栄養が届きにくい細部まで入り込み、目の奥や脳までしっかりとどいて眼精疲労の改善や動脈硬化予防に働きます。【1】【2】【3】【4】

●脳の機能を改善する効果
サケに含まれるDHAは、青魚に豊富に含まれる必須脂肪酸で、体内で合成することができない成分です。医薬品としても利用されており、血栓をつくらせない成分が多く含まれているのが特徴です。DHAは血液脳関門を通過することができる成分で、神経伝達物質の量を増やし、情報伝達の能力を向上させる働きがあります。EPA(エイコサペンタエン酸)とともに血液をサラサラにしてくれる働きがあり、EPAとの相乗効果で脳内の血管を健康に保つ効果があります。【5】
●血栓症を予防する効果
サケに含まれるEPAには高い血小板凝集抑制効果があり、血栓をつくらせない働きがあります。心筋梗塞や虚血性心疾患など、生活習慣病予防の効果があります。善玉(HDL)コレステロールを増やし、悪玉(LDL)コレステロールや中性脂肪を減らす働きもあり、血液をサラサラにします。高血圧の予防や改善に効果的です。

サケはこんな方におすすめ

○いつまでも若々しくいたい方
○脳の健康を維持したい方
○血流を改善したい方

サケの研究情報

【1】オメガ3とアスタキサンチンは野生の太平洋の鮭に含まれている。これらの成分は健康促進に良いとされている。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/20540399

【2】鮭に含まれているアスタキサンチンは抗酸化作用や抗炎症作用にがあるとされている。アスタキサンチンを摂取することで血漿中の酸化状態が下がることが確認された。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21619892

【3】鮭にビタミンEとアスタキサンチンを摂取させるグループとさせないグループを分けて飼育した時に摂取させた鮭たちのグループは不飽和脂肪酸の量が増えた。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/10867054

【4】黄色やオレンジの色素である、ルテインとゼアキサンチンにはAMDのリスクを減らすことが可能となる。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23571649

【5】カムチャッカ半島の池にいる紅鮭とベニマスに含まれる脂肪酸(EPAとDHA)の比較を行ったところ、フィレに含まれる脂肪酸の量は海に生息するものの方が多かった、この訳は筋肉にこれらの脂肪酸が含まれているからである。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23240970

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参考文献

・吉田企世子・松田早苗 あたらしい栄養学 高橋書店

・食材健康大事典 時事通信社

・則岡孝子 あなたに必要な栄養と食べ物 河出書房

・食材図典 小学館

・Testino G, Ancarani O, Sumberaz A. (2010) “Omega-3 fatty acids and astaxanthin in health and disease. Recent knowledges” Biochim Biophys Acta. Recenti Prog Med. 2010 Apr;101(4):145-56.

・Mattei R, Polotow TG, Vardaris CV, Guerra BA, Leite JR, Otton R, Barros MP. (2011) “Astaxanthin limits fish oil-related oxidative insult in the anterior forebrain of Wistar rats: putative anxiolytic effects?” Pharmacol Biochem Behav. 2011 Sep;99(3):349-55.

・Bell JG, McEvoy J, Tocher DR, Sargent JR. (2000) “Depletion of alpha-tocopherol and astaxanthin in Atlantic salmon (Salmo salar) affects autoxidative defense and fatty acid metabolism.” Pharmacol Biochem Behav. J Nutr. 2000 Jul;130(7):1800-8.

・Abdel-Aal el-SM, Akhtar H, Zaheer K, Ali R. (2013) “Dietary sources of lutein and zeaxanthin carotenoids and their role in eye health.” Pharmacol Biochem Behav. Nutrients. 2013 Apr 9;5(4):1169-85

・Gladyshev MI, Lepskaya EV, Sushchik NN, Makhutova ON, Kalachova GS, Malyshevskaya KK, Markevich GN. (2011) “Comparison of polyunsaturated fatty acids content in filets of anadromous and landlocked sockeye salmon Oncorhynchus nerka.” Pharmacol Biochem Behav. J Food Sci. 2012 Dec;77(12):C1307-10.

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