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わかさの秘密トップ > 成分情報 > SAMe

作成日 2011年12月13日
更新日 2013年03月25日

SAMe

S-Adenosyl-Methionine
サミー

SAMeとは、アミノ酸の一種で、体の細胞の中に存在し、絶えず生み出されている重要な成分です。発見当時はうつの治療薬として利用されていましたが、現在では関節症の緩和や肝機能を高める効果も期待されています。

SAMeの健康効果
◎変形性関節症の症状を緩和する効果
◎肝機能を高める効果
◎うつ症状を改善する効果

目次

SAMeとは

●基本情報
SAMeとは、人間の体内に広く分布するアミノ酸の一種で、正式名称を「Sアデノシルメチオニン」といいます。SAMeはメチオニンとATP(アデノシン3リン酸)[※1]が結びついた形をしています。
メチオニンは必須アミノ酸[※2]の一種で、ATPは体を動かすためのエネルギー源となる物質のことです。
この2つの物質が結びついたSAMeは、体のもととなる細胞の中で絶えず生み出されており、特に肝臓と脳に多く存在するといわれており、関節や肝臓、脳を健康に保つ効果がある成分として注目されています。
細胞の中で生み出されたSAMeは、様々な物質に変化し、最後には一部が再合成されます。この一連の流れが「SAMe回路」です。
この回路の中で、SAMeは様々な作用を発揮します。これにより、SAMeは数百種類もの生体反応に関わっているといわれています。

●SAMeの歴史
SAMeは、1950年代初頭にイタリアの研究者によって発見されましたが、SAMeは体内からとり出すとすぐに変質するという不安定な性質を持つ成分であることから、研究者の間ではSAMeの持つ働きが特定できませんでした。しかし、1970年代には、別の物質と組み合わせることによって、このようなSAMeの性質を解決する技術が開発され、その働きが少しずつ明らかになりました。
1976年にはヨーロッパでうつ病の治療薬としてSAMeが使用されるほか、変形性関節症に対するSAMeの有効性が明らかとなりました。
1990年代に入ると、アメリカではSAMeが機能性食品として扱われるようになり、1999年には、SAMeが関節や脳の働きを高める効果があるとして話題となりました。
日本では、2008年にようやくSAMeが機能性食品として扱われるようになりました。

●SAMeの働き
SAMeには、骨と骨の継ぎ目である関節の軟骨を増加させる働きがあります。
軟骨は、関節の後ろ側にある半月板と共に関節の衝撃をやわらげるクッションの役割を果たす部分であり、コラーゲンやヒアルロン酸、プロテオグリカン[※3]によって構成されています。このうち、プロテオグリカンは軟骨のみずみずしさを保つ役割を担っています。プロテオグリカンを構成する成分としてグルコサミンやコンドロイチンなどの成分が知られていますが、これらの成分が働くためには硫酸基[※4]という成分が必要です。SAMeには、この硫酸基を補う働きがあるといわれています。
また、SAMeには抗酸化作用[※5]があるため、特に活性酸素[※6]が発生しやすい肝臓に対する効果や、酸化によって引き起こされる炎症作用の抑制効果が期待されています。
その他、SAMeは脳の神経伝達物質をつくり出す働きも持ち合わせています。

[※1:ATP(アデノシン3リン酸)とは、細胞の中に存在し、生命活動で利用されるエネルギーを保存・利用する上で必要な物質です。]
[※2:必須アミノ酸とは、動物の成長や生命維持に必要であるにも関わらず体内で合成されないため、食物から摂取しなければならないアミノ酸のことです。バリン、ロイシン、イソロイシン、スレオニン、メチオニン、リジン、ヒスチジン、フェニルアラニン、トリプトファンの9種類が存在します。]
[※3:プロテオグリカンとは、たんぱく質と糖鎖が共有結合した複合糖質の一種です。]
[※4:硫酸基とは、硫酸と有機物が結合した状態のものをいいます。]
[※5:抗酸化作用とは、たんぱく質や脂質、DNAなどが酸素によって酸化されるのを防ぐ作用です。]
[※6:活性酸素とは、普通の酸素に比べ、著しく反応が増すことで強い酸化力を持った酸素のことです。体内で過度に発生すると、脂質やたんぱく質、DNAなどに影響し、老化などの原因になるといわれています。]

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SAMeの効果

●変形性関節症の症状を緩和する効果
変形性関節症は、加齢や肥満、激しい運動などによって、軟骨がすり減って、関節に痛みや炎症が引き起こされる症状のことです。
特に、膝の関節や股関節で発生しやすいといわれています。
SAMeは、軟骨をつくり出す働きによって、変形性関節症を改善する効果が期待されています。
ヨーロッパでSAMeがうつ病の治療薬として利用されていた際に、うつ病の改善に加えて「関節の調子が良い」という声が多く聞かれるようになったことから、SAMeの関節に対する効果についての研究が始まったといわれています。
SAMeの変形性関節症に対する効果を表す研究として、変形性関節症の患者を2つのグループに分け、非ステロイド性抗炎症薬とSAMeをそれぞれ摂取させたところ、朝のこわばり、動作時の痛み、関節鳴り、腫れ、関節可動の制限に対して、SAMeは抗炎症薬と同等と効果が見られたという結果が明らかになっています。【3】
また、SAMeは軟骨を構成する成分であるグルコサミンやコンドロイチンとの相性が良く、一緒に摂取することによって、さらに効果が高まるともいわれています。
変形性関節症の進行には炎症も関係していますが、SAMeが持つ抗酸化作用によって、酸化を予防することにより炎症の抑制にもつながります。

●肝機能を高める効果
SAMeは肝臓で最も多く生産・消費されます。
肝臓は、体内の化学工場ともいわれており、摂取した栄養を効率的に体内で使うことができるように貯蔵するほか、胆汁[※7]の分泌、血液の調整、有害物質の解毒など様々な働きを担っています。
SAMeは、摂取すると一部がグルタチオンに変化しますが、グルタチオンは肝臓の解毒作用を強力にサポートする成分です。そのため、グルタチオンが有害物質と結び付き、体外へ排出させるため、二日酔いなどの予防に良いといわれています。
また、肝臓は体の中でも特に活性酸素が発生しやすいといわれています。解毒作用の副産物である活性酸素が発生すると、幹細胞が大きなダメージを受け、肝炎を引き起こす原因となります。SAMeが持つ抗酸化作用は、このような肝炎の予防にも効果を発揮します。【1】

●うつ症状を改善する効果
脳の神経伝達物質であるドーパミンやセロトニンが不足すると、精神が不安定となり、うつ病を引き起こす原因にもなります。
SAMeは、これらの神経伝達物質をつくり出す働きがあるため、うつ病に対する効果が期待されています。
SAMeのうつ病改善の研究として、うつ病患者に対して抗うつ薬であるイミプラミンとSAMeをそれぞれ摂取させたところ、うつ病の改善率は、イミプラミンの22%に対して、SAMeは66%に達したという結果が報告されています。【2】

[※7:胆汁とは、肝臓でつくられるアルカリ性の液体です。胆汁酸などを含み、脂肪酸の吸収を助ける作用があります。]

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SAMeは食事やサプリメントで摂取できます

SAMeを含む食品

○酵母

こんな方におすすめ

○関節痛を緩和したい方
○肝臓の健康を保ちたい方
○お酒をよく飲む方
○うつ状態の方
○心を落ち着かせたい方

サミーさみー Sアデノシル-Lメチオニン S-Adenosyl-Methionine

SAMeの研究情報

【1】 臨床試験の結果、短期間のS-アデノシルメチオニン (SAMe) による治療は、掻痒・疲労感・アルカリ
ホスファターゼ値・ビリルビン値を低減する効果において、プラセボよりも優れていたことがわかりました。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9865018

【2】摂取期間42日までの複数の臨床試験の結果、S-アデノシルメチオニン (SAMe) の経口摂取のうつ病に対する効果はプラセボよりも優れていました。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12418499

【3】複数の臨床試験の結果、骨関節炎の症状緩和に対して、S-アデノシルメチオニン (SAMe) の効果はプラセボよりも優れており、非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)と同等であったことが分かりました。 

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参考文献

・矢澤一良 関節を守る天然素材の酵母型「サミー」/ハート出版

・Podymova SD, Nadinskaia MIu. (1998) “[Clinical trial of heptral in patients with chronic diffuse liver disease with intrahepatic cholestasis syndrome].” Klin Med (Mosk). 1998;76(10):45-8.

・Delle Chiaie R, Pancheri P, Scapicchio P. (2002) “Efficacy and tolerability of oral and intramuscular S-adenosyl-L-methionine 1,4-butanedisulfonate (SAMe) in the treatment of major depression: comparison with imipramine in 2 multicenter studies.” Am J Clin Nutr. 2002 Nov;76(5):1172S-6S.

・(独)国立健康・栄養研究所 監訳 “健康食品データベース 第一出版 Pharmacist's Letter/Prescriber's Letterエディターズ 編“

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