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作成日 2011年08月25日
更新日 2014年07月09日

ノコギリヤシ

saw palmetto
矮性ヤシ ノコギリパルメット

ノコギリヤシとはヤシ科のハーブの一種で、古来より男性の強壮、利尿、鎮静効果のある民間薬として親しまれてきました。前立腺肥大症の予防や改善に利用され、また抜け毛や薄毛の予防効果にも注目されています。ドイツのコミッションE[※1]でも前立腺肥大の抑制や泌尿器系の改善に広く活用されています。

ノコギリヤシの健康効果
◎前立腺肥大症を改善・予防する効果
◎排尿障害を改善する効果
◎前立腺炎を抑制する効果
◎抜け毛を予防する効果

目次

ノコギリヤシとは?

●基本情報
ノコギリヤシとは、北米南東部のヤシ科のハーブの一種で、45cm~1mに広がるノコギリ状の特徴的な葉を持ちます。葉は細かく鋭いとげに覆われ、触ると皮膚を傷つけることもあります。夏には小さいクリーム色の花を咲かせ、冬の初めには2~3cm程のオリーブ型の濃い赤色の果実をつけます。ノコギリヤシは、北アメリカ大陸固有種で、大西洋岸平野からメキシコ湾岸低地で一般的に見られます。ノコギリヤシの果実には、油性物質が多く含まれるため、食用や薬用以外に燃料用のノコギリヤシ油としても用いられます。
ノコギリヤシの果実は古くから男性の強壮、利尿、鎮静効果のある民間薬として使用され、今日では前立腺肥大の抑制や泌尿器系の改善に広く活用されています。また、ノコギリヤシには抗炎症作用があることから、前立腺の炎症を抑える効果が期待されています。

●ノコギリヤシの歴史
北米インディアンは、古くからノコギリヤシの果実を男性の強壮や利尿のために食用として用いてきました。ノコギリヤシは、ノコギリのようなギザギザした葉を持つことにちなんで名付けられ、英名ではソー・パルメットと呼ばれています。また、ノコギリヤシは中国でも「棕櫚子」という名で、古くから泌尿器疾患の漢方薬として使用されてきました。
19世紀初期には、ノコギリヤシのお茶が前立腺肥大症の治療に用いられるようになり、その後1950年代には男性の全体的強壮、利尿、鎮静効果が期待され、服用されていました。1960年代には、ノコギリヤシの果実の油性成分が前立腺肥大症による排尿障害に効果的であると示されました。そして1990年、フランスのシャンポール博士が「前立腺肥大症に特異的な効き目がある」と報告したことで、一気にヨーロッパの医学界の注目を集めました。
現在では、ノコギリヤシの果実エキスはヨーロッパで医薬品として認可されています。ノコギリヤシの果実は、天然成分のため副作用が少ないという利点があり、ヨーロッパでは泌尿器科医から高く評価されています。

●ノコギリヤシの成分と効果
ノコギリヤシは果実に有効成分である脂肪酸を多く含んでいます。この成分を含むノコギリヤシエキスは5α-リダクターゼという酵素の働きを抑え、男性の前立腺肥大や脱毛の予防に対する効果が有効視されています。

●ノコギリヤシを摂取する際の注意点
ノコギリヤシを大量に摂取すると、吐き気やめまい、便秘、下痢などを引き起こす可能性があります。また、ノコギリヤシは血液の粘度を下げる作用があるため、抗血液凝固薬や抗血小板薬とノコギリヤシを併用して摂取すると出血傾向が高まるといわれています。
また、ノコギリヤシは男性ホルモンに作用するため、胎児や乳児のホルモンバランスが失調する恐れがあり、妊娠中および授乳中は使用を控える必要があります。
前立腺の症状を持つ人がノコギリヤシエキスを摂取する場合は、その症状が前立腺肥大症によるものであるかを確認する必要があります。
例えば、痛みを伴う残尿感が現れた場合は、膀胱炎も考えられるため、そのままノコギリヤシを用いた前立腺肥大症の治療を行うと、膀胱炎が進行してしまう可能性があります。
また、軽度~中度の前立腺肥大症の予防・改善のためにサプリメントを使用する際は、1日あたり200~320mg を2~3ヵ月継続して飲み続けることで効果が期待できるといわれています。

[※1:コミッションEは、ドイツ連邦保健庁の薬用植物の評価委員会のことです。 医薬品としてハーブを利用する際、安全性・効果の評価の実施、医薬品として承認するための組織です。]

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ノコギリヤシの効果

●前立腺肥大症の予防・改善効果
ノコギリヤシは、前立腺肥大症を予防する効果があります。前立腺肥大症の初期は尿がなかなか出ない、尿に勢いがない、何度も排尿に行きたくなるなどの症状が起こります。50歳代の2人に1人、さらに65歳以上の男性の9割に前立腺の肥大傾向があるといわれています。
前立腺は、男性だけにあるクルミ大の生殖器のひとつで、膀胱の真下にあり、膀胱の出口から尿道にかけて位置しています。
前立腺の尿道に近い部分に小さな結節ができ、肥大化し結節(けっせつ)が圧迫され、前立腺が肥大化する病気です。
男性では30歳代から見られ、年齢とともに肥大化がみられる割合が多くなります。
また、前立腺肥大の要因は諸説ありますが、加齢によるホルモンバランスの崩れに伴うジヒドロテストステロン(DHT)という男性ホルモンの過剰作用が有力視されています。
ジヒドロテストステロンは、5α-リダクターゼと呼ばれる酵素によって男性ホルモンであるテストステロンが変化した物質です。
ノコギリヤシは、この5α-リダクターゼと呼ばれる酵素の働きを抑制し、ジヒドロテストステロンの過剰な生成を抑制するため、特に前立腺肥大症の初期症状の改善・予防に効果的です。
さらに前立腺の肥大を促す因子として、間質細胞[※3]から生み出される繊維芽細胞増殖因子(b-FGF)があげられます。ノコギリヤシは、b-FGFの産生を抑えることもわかっており、前立腺肥大に対する有効性が示されています。
ノコギリヤシの前立腺肥大症に関する臨床試験は数多く報告されています。【1】【2】【3】

●前立腺炎を抑制する効果
ノコギリヤシには、炎症を促す物質を生み出す酵素の働きを阻害し、炎症を鎮める効果があるため、前立腺に炎症が起きる前立腺炎を抑制する働きがあります。前立腺炎は若い世代の男性に多く、残尿感や排尿痛、頻尿などを引き起こします。慢性化すると治りにくく、細菌性のものは再発を繰り返すといわれています。さらに前立腺炎が悪化すると、前立腺に膿が溜まる前立腺膿腫を引き起こします。
ノコギリヤシは炎症を促すプロスタグランジンやロイコトリエンといった物質を体内で合成する、リポキシゲナーゼやシクロキシゲナーゼといった酵素の働きを阻害し、前立腺炎を抑制する効果があります。【6】【7】

●排尿障害を改善する効果
ノコギリヤシは、前立腺肥大症に伴う排尿障害を改善する効果があります。
1995年に、前立腺肥大患者63名を対象にイタリアで行われた研究では、160mgのノコギリヤシエキスを3週間投与すると、残尿感が改善されたことがわかっています。
またノコギリヤシは、前立腺肥大に伴う頻尿を改善する効果があります。94名の前立腺肥大患者を2グループに分け、ノコギリヤシの果実エキスを1ヵ月間摂 取したグループと摂取していないグループを比較した所、ノコギリヤシの果実エキスを摂取したグループでは、夜間の排尿回数が平均して3.1回から1.7回 に減少したということがわかり、頻尿が改善されたことが判明しました。
このようにノコギリヤシは、前立腺肥大症に伴う排尿障害を改善する効果を持ちます。【1】【3】



●抜け毛を予防する効果
ノコギリヤシは皮脂を過剰分泌させ毛穴を塞ぎ、頭皮の脱毛を促すジヒドロテストステロンの生成を抑制します。ジヒドロテストステロンは皮脂を過剰に分泌し、皮脂に生息している菌によって毛穴を刺激し、角栓が形成されることで髪の毛の生える入口を塞いでしまいます。このような頭皮の状態だと、髪を洗ってもすぐにべたついたり、頭皮がほてり、ニキビや湿疹ができやすくなります。さらに、シャンプーやブラッシングなどの刺激で髪の毛が抜けやすくなってしまいます。
ノコギリヤシは、ジヒドロテストステロンの働きを抑制し、皮脂の分泌を抑えることで毛根が塞がる原因を取り除き、抜け毛を予防する効果があると期待されています。【4】【5】

[※2:結節とは、皮膚や内臓組織にクルミ程度の大きさでできる隆起物のことです。]
[※3:間質細胞とは、精巣や卵巣において精細胞や卵細胞以外の間質に存在する細胞のことです。性ホルモンの分泌にかかわっています。]

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食事やサプリメントで摂取できます

こんな方におすすめ

○前立腺肥大症でお悩みの方
○排尿でお悩みの方
○前立腺炎の方
○脱毛を予防したい方

ノコギリヤシの研究情報

【1】前立腺肥大症患者110名にノコギリヤシ抽出物を1日あたり320mg 、30日間摂取させたところ、夜間頻尿の回数、尿流率、残尿感に改善が認められたことから、ノコギリヤシの前立腺肥大症改善効果が示唆されました。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/6207850

【2】前立腺肥大症患者25名にノコギリヤシ抽出物を1日あたり320mg 、3ヵ月間摂取したところ、前立腺肥大症の原因物質ジヒドロテストステロンと上皮成長因子が減少し、テストステロンが増加したことから、ノコギリヤシ抽出物の前立腺肥大症予防効果が示唆されました。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9759701

【3】前立腺肥大症患者505名において、ノコギリヤシ抽出物を1日あたり320mg 、3ヵ月間摂取させたところ、摂取後45日には、尿流速や残尿量、前立腺サイズや前立腺症状スコアが改善したことから、ノコギリヤシには前立腺肥大症予防効果が示唆されました。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21969849

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参考文献

・田中平三 健康食品のすべて-ナチュラルメディシンデータベース- 同文書院

・日経ヘルス 編 サプリメント大事典 日経BP社

・NPO日本サプリメント協会 サプリメント健康バイブル 小学館

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