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作成日 2011年11月14日
更新日 2014年04月19日

ツバメの巣

swallows nest
燕窩(えんか)

ツバメの巣は、古くから高級食材として中国などで珍重されており、美容や健康維持のために食されてきました。美肌効果や免疫力を向上させる効果が注目され、食材としてだけではなく、サプリメントの原料としても利用されています。

ツバメの巣の健康効果
◎美肌効果
◎免疫力を高める効果

目次

ツバメの巣とは?

●基本情報
ツバメの巣は、アジアのごく限られた地域でしか採取できない貴重な食材です。
ツバメの巣の長さは約6.5~10cm、幅が約3~5cmで、甲(かぶと)のような形状をしており、白色のものほど上質であるといわれています。
食用や薬用となるツバメの巣には、アナツバメ[※1]によってつくられた巣が用いられており、中国では「燕窩(えんか)」と呼ばれ、ふかひれや乾しあわびなどと並ぶ高級食材として珍重されています。

●ツバメの巣の歴史
中国では、14世紀中頃から食物に関連する文献にツバメの巣が登場しますが、約1500年前からツバメの巣が食されていたという説があります。
当時は、主に宮廷料理の食材として用いられており、一部の上流階級の人々しか口にすることができない高級品として扱われていました。
また、明(1368年~1644年)と清(1644~1912年)の時代には、高級官僚の間でツバメの巣が高級な贈答品として珍重され、この風習がのちに貴族たちの間にも広まるようになったと伝えられています。
現在、ツバメの巣は主に広東料理の食材として利用されており、主にスープやデザートの材料となっています。
ツバメの巣を使用した料理が出される宴席は「燕菜席(イエンツアイシイ)」と呼ばれ、満漢全席(まんかんぜんせき)[※2]に次いで格式の高い宴席として知られています。

●ツバメの巣の生産地
ツバメの巣は、主に中国の南部や東南アジアの一部の地域で採取されます。
この地域に生息するアナツバメは、毎年2月から7月にかけて3回ほど巣づくりを行います。
ツバメの巣は、オスのアナツバメが繁殖期に盛んに分泌される唾液を固めることによってつくられます。
アナツバメがつくるツバメの巣には、一般にみられるツバメの巣のように泥や枯れ草によってつくられるのではなく、ほぼ全てがアナツバメの唾液によってつくられるという特徴があります。
ツバメの巣がつくられる場所は、海岸線に沿った断崖絶壁の洞窟の奥深くであり、このツバメの巣の採取には大きな危険が伴うことから、豊富な経験を積んだ人間しか採取を行うことができません。
東南アジア各国では、厳重な管理の下でツバメの巣の採取が行われています。採取方法や採取時期が定められるだけではなく、アナツバメの生息地の環境保護のために立入制限が設けられています。
ツバメの巣の採取は、ツバメの雛鳥が成長するのを待ち、8月下旬に巣立ちを終えた後に行われます。
アナツバメは雛鳥が巣立った後、同じ巣を再び利用することはないため役目を終えたツバメの巣のみを採取しています。
採取されたツバメの巣は、羽根やゴミを取り除いてから洗浄され、長時間煮込んだ後、食用や薬用として利用されます。
このように、ツバメの巣は限られた地域でしか採取できず、加工にも手間と時間が要されることから、高級食材として珍重されています。

●ツバメの巣に含まれる成分と性質
ツバメの巣には、糖鎖栄養素が豊富に含まれています。糖鎖は、核酸たんぱく質に次ぐ第3の生体物質として知られており、細胞の働きを正常に保ち、免疫機能を整えてウイルスや菌から体を守るという役割を担っています。
普段の食事から糖鎖栄養素を補うことは難しいといわれていますが、ツバメの巣には8種類ある糖鎖栄養素のうち、6種類が含まれています。
ツバメの巣に特に豊富に含まれている糖鎖栄養素は、シアル酸です。体をつくる細胞ひとつひとつの表面にアンテナのような糖の鎖が存在しており、その鎖の端にシアル酸が付いて、細胞同士の情報伝達を行っています。シアル酸は、母乳や脳の神経細胞、生殖器官などに多く存在しています。
このような働きを持つシアル酸は、免疫力や内臓などの器官を強化するほか、自然治癒力の向上などに関わると考えられています。

ツバメの巣には多糖類[※3]の一種であるムチンが含まれています。ムチンは、粘膜を保護する作用のほか、優れた保水力を持つことで知られています。

さらに、ツバメの巣にはE.G.F.[※4]と、F.G.F.[※5]という物質に似た作用があるといわれています。
E.G.F.は、皮膚の表面にある受容体[※6]と結びつき、新しい細胞の生産を促進することによって、皮膚のターンオーバーを正常に保つ働きがあります。
F.G.F.は、繊維芽細胞[※7]を活発化させることによって、皮膚の健康を保つ働きがあります。

<豆知識>世界三大美女も食したツバメの巣
中国では、古くからツバメの巣には若返りと美容の効果があるといういい伝えがあり、主に宮廷の女性や上流階級の婦人たちなどがツバメの巣を食していました。
歴史に残る美女として知られている楊貴妃(ようきひ)も、永遠の美貌と若さを手に入れるために、ツバメの巣を好んで食していたと伝えられています。
その他にも、明の時代の皇帝である熹宗帝(きそうてい)や、恐ろしい女帝として知られている西大后(せいたいごう)など、中国の歴史に残る人物の間でツバメの巣が愛用されていたといわれています。

●健康食品としてのツバメの巣
古くから、ツバメの巣は非常に希少価値の高い高級食材として知られていましたが、現在では食材だけでなく、ツバメの巣から抽出されたエキスを美肌や健康維持のためのサプリメント・ドリンクなどに配合したものが多数販売されています。

[※1:アナツバメとは、アマツバメ科アナツバメ族の総称であり、洞穴の中に巣をつくる習性があります。]
[※2:満漢全席とは、高級食材や珍味を用いた100種類以上もの料理を2~3日かけて食べる中国料理の宴席のひとつです。]
[※3:多糖類とは、糖質の最小単位である単糖が、多数結合したものです。]
[※4:E.G.F.(Epidermal Growth Factor)とは、表皮成長因子のことであり、人間が本来持っているたんぱく質の一種です。]
[※5:F.G.F.(Fibroblast Growth Factor)とは、繊維芽細胞増殖因子のことであり、E.G.F.と同様、人間の体内に存在する成長因子です。E.G.F.は表皮に働きかけますが、F.G.F.は真皮にある細胞に働きかけるという性質があります。]
[※6:受容体とは、細胞表面や内部に存在している物質です。ホルモン・神経伝達物質・ウイルスなどと結合することにより、細胞の機能に影響を与えます。]
[※7:繊維芽細胞とは、結合組織を構成する細胞の一種であり、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などの真皮の成分をつくり出す働きがあります。]

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ツバメの巣の効果



●美肌効果
ツバメの巣にはE.G.F.やF.G.F.と似た作用があるため、皮膚の細胞の生まれ変わりを助けることによって、肌を若々しく保つ効果があるといわれています。
通常では、肌の細胞は28日間で生まれ変わるといわれていますが、年齢とともにターンオーバー[※8]のサイクルが乱れやすくなり、その結果、しわやたるみなどの老化現象が引き起こされてしまいます。
また、ターンオーバーが乱れると、肌の表面に古い角質が蓄積されたままになるため、肌荒れのほか、シミや乾燥にもつながります。
E.G.F.と似た作用を持つツバメの巣には、新しい細胞の生産を促進することによって、肌の老化を予防する効果があります。

肌の老化現象は、主に真皮[※9]に大きな関わりがあります。
肌は、真皮に存在するコラーゲンエラスチンによって、ハリと弾力が保たれています。コラーゲンは、網目のような形で張りめぐらされており、肌にハリを与えています。エラスチンは、コラーゲンによってできた網目の結び目をつなぐ役割を担っており、弾力のある肌をつくり出します。
コラーゲンやエラスチンは、真皮に存在する繊維芽細胞によってつくられます。年齢とともにF.G.F.の量が減少し、線維芽細胞の力が低下してしまうと、肌はハリと弾力を失い、しわやたるみなどの老化現象にもつながります。
F.G.F.は繊維芽細胞を増殖させる働きがあるため、ツバメの巣を摂取することによって、肌にハリや弾力を与えることができます。

​●免疫力を高める効果
​ツバメの巣に含まれるシアル酸には、ウイルスや菌と結合する働きがあります。シアル酸の働きによって、感染症を予防することができます。
また、ツバメの巣に含まれるムチンの働きが、免疫力を高める効果にもつながります。
ムチンは、胃などの消化器の粘膜に含まれているほか、鼻や口など呼吸器の粘膜にも含まれており、粘液の分泌を促進することによって粘膜を保護する作用を発揮します。
ムチンの粘膜保護作用によって、ウイルスから体を守り、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりにくくする効果が期待できます。【2】

[※8:ターンオーバーとは、肌が生まれ変わる周期のことです。ターンオーバーは20歳頃までは28日前後で生まれ変わるといわれていますが、ターンオーバーは年齢とともに遅れていき、40歳を過ぎると40日以上かかるようになります。年齢とともに肌の透明感やハリが失われる原因のひとつです。]
[※9:真皮とは、表皮の下にあり、肌の弾力を保っている部分です。コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などが存在しています。]

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ツバメの巣は食事やサプリメントで摂取できます

こんな方におすすめ

○肌のハリや弾力を保ちたい方
○美肌を目指したい方
○免疫力を向上させたい方

ツバメの巣の研究情報

【1】食用の鳥(Collocalia swiftlets)の巣エキス(EBNE)の経口投与は、卵巣切除ラットの大腿骨の中の骨強度およびカルシウム濃度を高めました。血清エストラジオール濃度に影響を及ぼしませんでしたが、皮膚の厚さが増加しました。これらのことから、閉経後全女性において、EBNEが骨喪失および皮膚の改善に有効であることがわかりました。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21389609

【2】食用鳥の巣エキス(EBN)のインフルエンザに対する効果について検討しました。パンクレアチンFによって加水分解されたEBNはインフルエンザウイルスと結合し、感染を抑制したことがわかりました。EBNはインフルエンザウイルスに感染したイヌ腎臓尿細管上皮細胞由来細胞株(MDCK細胞)の感染を中和し、インフルエンザ誘発赤血球凝集を阻害しました。これらのことから、EBNは、インフルエンザの予防のための天然化合物になり得ると考えられました。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16581142

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参考文献

・Matsukawa N, Matsumoto M, Bukawa W, Chiji H, Nakayama K, Hara H, Tsukahara T. (2011) “Improvement of bone strength and dermal thickness due to dietary edible bird's nest extract in ovariectomized rats.” Biosci Biotechnol Biochem. 2011;75(3):590-2. Epub 2011 Mar 7.

・Guo CT, Takahashi T, Bukawa W, Takahashi N, Yagi H, Kato K, Hidari KI, Miyamoto D, Suzuki T, Suzuki Y. (2006) “Edible bird's nest extract inhibits influenza virus infection.” Antiviral Res. 2006 Jul;70(3):140-6. Epub 2006 Mar 3. 

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