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わかさの秘密トップ > 成分情報 > スッポン

作成日 2011年08月21日
更新日 2014年05月01日

スッポン

soft-shelled turtle
Pelodiscus sinensis

スッポンはカメの一種で、古くから滋養強壮・精力増強のための漢方として利用されています。スッポンには必須アミノ酸をはじめ、コラーゲンやリノール酸、ビタミンB群、カルシウム、鉄などが豊富に含まれており、健康や美容に対する様々な効果が期待されています。

スッポンの健康効果
◎滋養強壮効果
◎若々しい肌を保つ効果
◎血液をサラサラにする効果
◎貧血を予防する効果
◎骨や歯を丈夫にする効果

目次

スッポンとは?

●基本情報
スッポンはスッポン科キョウトクスッポン属に分類される体長約30cm、甲羅の長さ約15cm、幅約12cm程の大きさの淡水性のカメの一種です。底が砂泥質の河川や湖、沼を中心に生息しています。
爬虫類のため卵生[※1]で、夏に直径1~3cmの球形の卵を100~200個ほど生みます。
スッポンは六角形のうろこがなく、角質化していない柔らかい甲羅を持ちます。甲羅の縁2cm程度の部分にはエンペラと呼ばれるコラーゲンの固まりがあります。
スッポンは漢字で「鼈」と書きます。池から「シュッポン」と現れることから「スッポン」と名付けられたといわれています。また、鳴き声の「スホン」が語源であるという説や、水の中から出没するため「シュツボツ」がなまってスッポンと呼ばれるようになったという説もあります。
関西ではスッポンの丸い甲羅の形から「まる」とも呼ばれています。英名のsoft-shelled turtleは「柔らかい甲羅を持つカメ」から名づけられています。

●スッポンの歴史
中国では3000年以上前の周時代に、長沙(ちょうさ)[※2]から王様へスッポンが献上されていたという記録があります。スッポンは滋養強壮・不老長寿・強精に良いとされ、古くから中医学や漢方の世界で珍重されていました。スッポンを司る役職もあった程だといわれています。
中国の医学書『神農本草経(しんのうほんぞうきょう)[※3]』や『本草綱目(ほんぞうこうもく)[※4]』にもスッポンについての記載があります。スッポンは頭、甲羅、肉、卵、血、胆のう、脂肪など各部位ごとに様々な効能を持つ漢方薬として知られています。
日本では縄文時代の貝塚からスッポンの骨が発見されています。スッポンに関する記述がある日本の初めての文献は『続日本紀(しょくにほんぎ)[※5]』であるといわれています。
7世紀末の『続日本紀』には「近江の国(現在の滋賀県)より白鼈(しろかわかめ)が献上された」との記述があります。「白鼈」とは白いスッポンのことを指し、琵琶湖付近で獲れた白いスッポンが珍しかったため文武天皇に献上したと考えられています。この白いスッポンが食用にされていたかどうかは定かではありません。

●スッポンの種類
スッポンには、マルスッポン、フロリダスッポン、リーススッポン、オーブリーフタスッポン、クジャクスッポン、インドハコスッポン、インドシナオオスッポン、スベスッポン、トゲスッポン、ガンジススッポン、クロスッポン、インドコガシラスッポン、タイコガシラスッポン、ビブロンマルスッポン、メソポタミアハナスッポン、ミヤビスッポン、ナイルスッポン、セネガルフタスッポン、ヒラタスッポン、ビルマハコスッポンなど多くの種類がいます。
主に食用とされているのはキョウトクスッポンとシナスッポンです。

●スッポンの分布
スッポンの多くは中国で生息しています。他にも台湾や韓国、北朝鮮、ロシア南東部、東南アジアなどに分布しています。
日本では本州、四国、九州などに幅広く分布していますが、養殖場から逃亡したスッポンや中国などの海外から人為的に持ち込まれたスッポンなどが混同して生息しているため、正確な自然分布については不明な点が多くあります。
日本で食用として出回っているスッポンは養殖されているものがほとんどで、天然のスッポンの多くは中国からの輸入品です。

●スッポンの旬
スッポンは他のカメと違い、水温が15℃以下になると水中に潜って長期冬眠します。10月~4月にかけ半年以上も姿を現さず、水温が15℃以上になると出てきます。
スッポンの旬は冬眠に入る前の秋から初冬です。この時期のスッポンが最も脂がのっていて美味しいといわれています。

●スッポンの料理
スッポンからは美味しい出し汁が出るため、スッポン鍋やスッポン雑炊として食されています。吸い物は日本では高級料理として知られています。
専門店や料亭では、食前酒としてスッポンの血をワインなどで割ったものが飲まれています。
乾燥させたスッポンの甲羅は土鼈甲(どべっこう)と呼ばれ、粉末にして精力剤として利用されています。他にも市販の栄養ドリンクや健康食品の原材料に用いられることも多くあります。

●スッポンに含まれる成分とその性質
スッポンには必須アミノ酸[※6]、コラーゲン、リノール酸、ビタミンB群ビタミンB1ビタミンB2ビタミンB6ビタミンB12葉酸パントテン酸)、カルシウムなどが豊富に含まれています。

スッポンは動物でありながら、植物油に多く含まれる必須脂肪酸のリノール酸を豊富に含んでいます。リノール酸には血中コレステロール値や血圧を下げ、動脈硬化や心筋梗塞、高血圧、心臓病、神経痛を予防する効果が期待されています。
また、スッポンには漢方的な働きもあり、病み上がりや精力減退、貧血、月経不順などに効果的に働きかけるといわれています。

<豆知識①>憶病なカメ
スッポンは「噛みつくと雷が鳴っても離さない」といわれる程、噛みつく力が強いことで知られています。これは防御のためであり、非常に憶病なスッポンの習性です。スッポンには歯がなく、強力なあごで噛みつきます。噛みついたスッポンを無理に引き離そうとすると、首を甲羅の中に引っ込めてしまうため痛みが増します。噛みつかれた際はスッポンを水中に戻すと、そのまま離れて逃げていきます。近くに水がない場合は、鼻を刺激すると驚いて離れます。

<豆知識②>月とスッポン
2つのものが比較にならない程違っていることの喩えを「月とスッポン」といいます。
江戸時代後期の随筆『嬉遊笑覧(きゆうしょらん)』に「スッポンは甲羅が丸いことから異名を丸(まる)といい、一方、月も丸い。同じ丸なのに2つの丸は大違いで、月は美しいが、スッポンは醜い。」と記されていることから、大きく異なっている喩えとして使われるようになったといわれています。

[※1:卵生とは、卵を産む動物のことです。]
[※2:長沙とは、中国湖南省の省都のことです。]
[※3:神農本草経とは、中国最古の薬物学書のことです。]
[※4:本草綱目とは、中国で分量や内容が最も充実した薬学著作のことです。]
[※5:続日本紀とは、平安初期の歴史書のことです。]
[※6:必須アミノ酸とは、動物の成長や生命維持に必要であるにも関わらず体内で合成されないため、食物から摂取しなければならないアミノ酸のことです。バリン、ロイシン、イソロイシン、スレオニン、メチオニン、リジン、ヒスチジン、フェニルアラニン、トリプトファンの9種類が存在します。] 

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スッポンの効果

スッポンには必須アミノ酸、コラーゲン、リノール酸、ビタミンB群、鉄、カルシウムと様々な栄養素が含まれており、以下のような健康に対する効果が期待できます。

●滋養強壮効果
滋養強壮とは体の弱い部分を栄養素で補い、体質を改善して強い体をつくることです。
スッポンには必須アミノ酸やビタミン類、ミネラル類が豊富に含まれています。アミノ酸からつくられるたんぱく質は体内で筋肉や臓器などの構成成分になったり、酵素やホルモンの材料になります。また、脳の働きを活性化したり、免疫機能を高める働きもあります。また、必須アミノ酸のいずれかが不足すると、他のアミノ酸の働きが低下します。必須アミノ酸は体内でつくられないため、食品から摂取する必要があります。スッポンには9種類の必須アミノ酸がバランス良く含まれているため、効率良く必要な栄養素が摂取できます。
ビタミンとミネラルは体の調子を整え、人体の機能調節に欠かせない成分です。
スッポンにはこれらの栄養素が豊富に含まれているため、滋養強壮に効果があります。また、男性の精子はたんぱく質でできていることから、スッポンの良質なアミノ酸が影響し、精力増強の効果もあると考えられています。



●若々しい肌を保つ効果
スッポンにはコラーゲンが豊富に含まれており、皮膚にハリを与え若々しい肌を保つ効果があります。
コラーゲンは動物の細胞や組織をつなぎ合わせる接着剤の役割を果たしているたんぱく質の一種です。体内のたんぱく質の30~40%を占めているコラーゲンは、体の形成や機能の正常化に不可欠の成分です。コラーゲンが不足すると、肌の水分量が減り老化が進みます。【3】

●血液をサラサラにする効果
スッポンに含まれるリノール酸には総コレステロール値や中性脂肪値を下げる働きがあるため、血液をサラサラにする効果が期待できます。余分なコレステロールや中性脂肪、老廃物などを含んだ血液は粘性を持ちドロドロとしています。汚れた血液は全身の新陳代謝[※7]を滞らせ、体が疲れやすくなり免疫力を低下させるといわれています。悪化すると、動脈硬化や高血圧などの生活習慣病を招きます。
またスッポンの卵にはコレステロール低下効果があることも報告されています。【1】【2】

●貧血を予防する効果
スッポンにはビタミンB群や鉄が豊富に含まれています。
貧血とは赤血球に含まれるヘモグロビン[※8]量が減少している状態のことをいいます。貧血になると、動悸や息切れ、めまいなどの様々な症状が現れます。
スッポンには赤血球と赤血球中のヘモグロビンをつくる材料となるビタミンB群や鉄が豊富に含まれているため、貧血予防に効果的であると考えられています。
ビタミンB群であるビタミンB12と葉酸はお互いに協力し合って、赤血球をつくり出します。ビタミンB12と葉酸が不足してしまうと赤血球がつくり出せなくなり、貧血になります。
一方、鉄分は赤血球に含まれるヘモグロビンをつくる材料になります。ヘモグロビンが欠乏すると、全身の細胞が酸欠状態となり貧血症状が現れます。
スッポンには赤血球をつくるビタミンB12と葉酸、ヘモグロビンをつくる鉄分が豊富に含まれているため、これらの相乗効果による貧血予防に期待ができます。

●骨や歯を丈夫にする効果
体内のカルシウムの99%が骨や歯に存在しており、細胞と同じように骨でも新陳代謝が行われています。骨の代謝にはカルシウムが関与しており、カルシウムが不足すると骨密度[※9]が低下し、骨や歯がもろくなります。スッポンにはカルシウムが多く含まれているため、骨や歯を丈夫にする効果があるといわれています。

[※7:新陳代謝とは、古い細胞や傷ついた細胞が、新しい細胞へ生まれ変わることを指します。]
[※8:ヘモグロビンとは、脊椎動物の赤血球に含まれる物質で、酸素を運搬する働きを持っています。]
[※9:骨密度とは、骨の密度をいいます。一定の面積あたり骨に存在するカルシウムなどのミネラルがどの程度あるかを示し、骨の強度を表します。] 

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スッポンは食事やサプリメントで摂取できます

こんな方におすすめ


○丈夫な体をつくりたい方
○精力をつけたい方
○美肌を目指したい方
○疲れやすい方
○貧血でお悩みの方
○骨や歯を強くしたい方 

スッポンの研究情報


  【1】高脂肪食摂取ラットに、スッポン卵粉末を1日あたり0.75, 1.50, 3,00g/kg を24週間摂取させたところ、血中コレステロールとLDLコレステロール及び肝臓中のコレステロールと脂質の増加が抑制され、糞便中へのコレステロール排出が促進されました。スッポンに胆汁酸分泌促進によるコレステロール低下効果が期待されています。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16176600

【2】高脂肪食摂取ラット50匹に、スッポン卵粉末を1日あたり 5.0g/kg を7週間摂取させたところ、血中総コレステロールとトリグリセリドの増加が抑制されました。スッポンにコレステロール低下効果が期待されています。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15098489

【3】スッポンの皮膚にはコラーゲンが豊富に含まれており、その含有量は全体の12.1%(ペプシン抽出法)を占めます。スッポンのコラーゲンの構造は豚のそれに類似しており、コラーゲン中のヒドロキシプロリン含量は7.8% でした。ヒト真皮繊維芽細胞に、スッポンコラーゲンを6日間培養した場合、ヒトの皮膚細胞の増殖が見られたことから、スッポンに有益なコラーゲンが豊富に含まれていることが確認されました。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19323876

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参考文献

・NPO日本サプリメント協会 サプリメント健康バイブル 小学館

・原山 建郎 著 久郷 晴彦監修 最新・最強のサプリメント大事典 昭文社

・本多京子 食の医学館 小学館

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