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作成日 2011年08月25日
更新日 2015年11月17日

ビタミンB6

ピリドキシン 
Vitamin B6 、Pyridoxine

ビタミンB6はピリドキシンとも呼ばれるビタミンB群の一種で、たんぱく質の分解・合成を助け、皮膚や粘膜の健康維持に働きます。
また、神経伝達物質の合成にも関わるため、精神状態の安定に役立ちます。ホルモンのバランスを整える働きもあり、女性の味方となるビタミンです。

ビタミンB6の健康効果

◎成長を促進する効果
◎脂肪肝を予防する効果
◎動脈硬化を予防する効果
◎神経機能を正常に保つ効果
◎アレルギー症状を緩和する効果
◎月経前症候群 (PMS)の症状を緩和する効果
◎つわりの症状を緩和する効果 

目次

ビタミンB6とは

●基本情報
ビタミンB6は水溶性のビタミンB群の一種で、ピリドキシンとも呼ばれます。たんぱく質からエネルギーをつくり出す代謝 [※1]の過程で必要な、約100種類の酵素の働きを助ける補酵素 [※2]としての役割を担っています。この働きにより、ビタミンB6は皮膚や粘膜の健康維持に働きます。
ビタミンB6は体内に入ると、小腸から吸収され、血液によって全身の組織に運ばれます。そこで、リン酸 [※3]と結合し、ピリドキサールリン酸という補酵素となり、特に脳、肝臓、筋肉に多く蓄えられます。

ビタミンB6は白色から微黄色の結晶性の粉末で、水に溶けやすい性質を持っています。酸性ではやや安定で、中性・アルカリ性・光や紫外線には弱いため分解される性質を持ちます。
ビタミンB6は魚や肉などの動物性の食品に豊富に含まれるほか、豆類や穀物にも多く含まれていますが、植物性食品に含まれるビタミンB6は体内での利用効率が低いことが分かっています。また、冷凍保存した食品や加工食品はビタミンB6が減少してしまうため、新鮮なうちに食材を利用すると効率良くビタミンB6を摂取することができます。

●ビタミンB6の歴史
ビタミンB6は、1934年にドイツの研究者ジエルジーによって、ビタミンB欠乏食で飼育したラットに起こる皮膚炎を予防する物質として発見されました。1938年には酵母エキス、米ぬかなどから抽出され、日本の理化学研究所のグループを含む世界の5か所の研究者が、物質の結晶化に成功したことをほとんど同時に発表しました。
その翌年、ドイツの生化学者クーンとジエルジーによって構造が決定され、ジエルジーはその化合物をピリドキシンと名付けました。また、当時ビタミンB1~B5がすでに知られていたことから、ビタミンB6とも命名しました。その後、よく似た働きをする成分がほかにも複数あることが明らかになり、現在では7種類の化合物 (ピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサミンと、そのリン酸化合物)がビタミンB6として働く物質として認められています。

●ビタミンB6の働き
ビタミンB6はたんぱく質の代謝に欠かせない栄養素で、たんぱく質の摂取量が多いほどビタミンB6の必要量も多くなります。日本では食の欧米化が進み、肉を食べる人が多くなったことからビタミンB6の働きが注目されるようになりました。
肉や魚、卵などのたんぱく質は、体内でアミノ酸に分解され、吸収されたのち、人間の体に必要なたんぱく質に再合成されます。アミノ酸にも様々な種類がありますが、ひとつでも足りないアミノ酸があるとたんぱく質の合成はうまくいかなくなる可能性があります。

また、ビタミンB6は神経伝達物質の合成にも関わっています。
神経伝達物質は、脳の神経細胞の間で情報の橋渡しをしている物質です。神経伝達物質にはGABA (γ-アミノ酪酸)やα-アミノ酪酸、セロトニン、ドーパミン、アドレナリン、ノルアドレナリンなどがあり、これらが合成される時にはアミノ酸が使われています。ビタミンB6はアミノ酸の代謝と関わっているため、神経伝達物質の合成を促進する作用があります。

●ビタミンB6の欠乏症
ビタミンB6は食品から摂る以外に腸内細菌からもつくられるため、欠乏症が起こることはほとんどありませんが、妊娠中や、ピル (経口避妊薬)を飲み続けている時は、ホルモンの関係でビタミンB6の必要量が増加し、不足しやすくなります。
また、抗生物質を長期間服用していると、腸内細菌のバランスが崩れることによって、ビタミンB6を合成する働きが低下しビタミンB6の欠乏症が起こることがあります。
ビタミンB6が欠乏すると、様々な代謝異常が起こり、特に皮膚と粘膜にトラブルが起きやすくなります。症状としては、舌炎、口内炎、口角炎、結膜炎や、目・鼻・耳などに脂漏性皮膚炎 [※4]などが見られます。
また、神経に異常が出て、末梢神経障害、けいれん、手足のしびれ、眠気、不眠症、食欲不振、倦怠感、情緒不安定、中枢神経の異常などが起こることがあります。
ビタミンB6は、血液中で鉄を運ぶヘモグロビンという物質を合成する時にも必要な栄養素なので、不足すると貧血が起こることもあります。

●ビタミンB6の過剰症
食品から摂る場合には、体内で余分なビタミンB6は排泄されるため過剰症の心配はありませんが、ビタミン剤やサプリメントによって1日200~500 mgの大量摂取を続けると、腎臓結石ができたり、感覚神経障害がみられることがあります。これは、感覚情報を伝える神経が正常に働かなくなることで、手足にしびれや痛みなどがみられたり、様々な感覚を正常に認識できなくなるものです。このため、日本人の食事摂取基準 [※5]には耐容上限量 [※6]が設けられています。
摂取基準の値は表の通りです。


[※1:代謝とは、生体内で物質が次々と化学的に変化して入れ替わることです。また、それに伴ってエネルギーが出入りすることを指します。]
[※2:補酵素とは、消化や代謝で働く酵素を助ける役割をするものです。]
[※3:リン酸とは、体内でDNAやエネルギーをつくり出す働きの中で、重要な役割を果たす成分です。]
[※4:脂漏性皮膚炎とは、毛穴が開き、赤みやべたつきが見られるニキビのような炎症のことです。かゆみが伴うこともあります。]
[※5:日本人の食事摂取基準とは、健康な個人または集団を対象として、国民の健康の維持・増進、生活習慣病の予防を目的に、エネルギーおよび各栄養素の摂取量の基準を示したものです。]
[※6:耐容上限量とは、日常的に摂取し続けた場合に健康障害のリスクがないと考えられる上限の量です。]

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ビタミンB6の効果

●成長を促進する効果
ビタミンB6をしっかりと摂ることで、たんぱく質の代謝がうまく進むため、丈夫で健康な皮膚や粘膜、髪、歯、爪をつくることができ、成長を促進します。
また、エネルギー源となる糖質や脂質が不足した場合や、体のたんぱく質を合成するために必要な量以上にたんぱく質を摂取した場合は、アミノ酸をさらに分解しエネルギー源となります。この過程でもビタミンB6が働くため、ビタミンB6はアミノ酸の代謝に不可欠な栄養素です。

●脂肪肝を予防する効果
ビタミンB6は脂質の代謝をサポートし、肝臓への脂質の蓄積を防ぎ、脂肪肝を予防する効果があります。
お酒をたくさん飲む人は、肝臓に脂肪が蓄積しやすく脂肪肝になることがあります。放っておくと、脂肪肝が進行して肝硬変になり、やがて肝臓ガンにいたる危険性もあります。
このような効果を持つビタミンB6は、ビタミンB2やリンとともに脂肪肝の治療にも使われています。【5】

●動脈硬化を予防する効果
ビタミンB6 はビタミンB12、葉酸とともに摂取することで、動脈硬化の一因となるホモシステインを抑制する効果が報告されています。その他に、コレステロール低下効果も報告されており、動脈硬化予防に期待されています。【2】【3】【5】

●神経機能を正常に保つ効果
ビタミンB6が不足すると、アミノ酸の代謝が悪くなり神経伝達物質が不足し、神経系統に支障をきたします。知性の発達の遅れや、アルツハイマー病の原因にもなります。

●アレルギー症状を緩和する効果
最近の研究では、ビタミンB6を摂ることで免疫のバランスを正常な状態にし、アレルギー症状を緩和することがわかってきました。小児ぜんそくの発作を防ぐなど、免疫力を向上するともいわれています。
体内では異物が入ってくると、抗体をつくって異物を攻撃し、自身の体を守ろうとします。アレルギー症状は、免疫システムが過剰に反応し、抗体が異物だけでなく体に対しても様々な作用をもたらすことによって起こります。
ビタミンB6は、免疫機能を正常に維持することによって、アレルギー症状を緩和する効果があります。
アレルギーは治りにくく、原因は様々なのでビタミンB6の摂取だけで治るわけではありませんが、症状が軽減される人もいます。

●月経前症候群 (PMS)の症状を緩和する効果
ビタミンB6は、女性ホルモンのひとつ、エストロゲンの代謝に関わり、ホルモンのバランスを整える働きがあります。この働きにより、ビタミンB6はホルモンバランスの崩れが原因のひとつである、月経前症候群 (PMS)の症状をやわらげる効果があります。
女性の体では生理周期によって、多く分泌されるホルモンの種類が入れ替わりますが、この入れ替わりがうまくいかないと月経前症候群 (PMS)となり、憂うつ、イライラ、肩こり、頭痛、腰痛、全身のだるさなどの様々な不快症状が起こります。【1】【6】

●つわりの症状を緩和する効果
ビタミンB6は妊娠初期のつわりにも効果があります。妊娠すると、アミノ酸の一種であるトリプトファンの代謝がうまくいかず、キサンツレン酸という物質が通常よりも増加してつわりの原因になるといわれています。この時、代謝がうまくいかない原因のひとつがビタミンB6の不足であるため、アミノ酸の代謝を正常にするビタミンB6を積極的に摂ることで、つわりの症状を軽くする効果が期待できます。
ビタミンB6は脳神経の発達にも重要で、赤ちゃんのためにも積極的に摂りたいビタミンです。
ピル (経口避妊薬)を服用している場合も、ビタミンB6の必要量が高まります。ピルに含まれているエストロゲンは、アミノ酸であるトリプトファンのニコチン酸 (ナイアシン)への代謝を促す作用があります。そのため、ピルを服用してエストロゲンの濃度が高まると、アミノ酸の代謝が活発に行われるためビタミンB6の体内での需要が高まります。 

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食事やサプリメントで摂取できます

ビタミンB6はこんな食品に含まれています

○肉類:レバー
○魚介類:さんま、まぐろ、かつお
○豆類:大豆製品、ピスタチオ
○その他:卵、にんにく、バナナなど

こんな方におすすめ

○丈夫な体をつくりたい方
○肝臓の健康を保ちたい方
○アレルギー症状を緩和したい方
○動脈硬化を予防したい方
○月経前症候群を予防したい方
○経口避妊薬 (ピル)を常用している方

ビタミンB6の研究情報

【1】月経前症候群患者630名を対象として、ビタミンB6 を1日100~150mg を摂取した場合は68% の方が、160~200mg 摂取した方では、70~88% の患者で月経前症候群の症状の改善が見られました。この結果より、ビタミンB6 が月経前症候群の改善に役立つことが示唆されました。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/3256334

【2】健常な高齢者276名(平均年齢65歳)を対象として、葉酸を1mg、ビタミンB12を500μg 及びビタミンB6を10mg を含むサプリメントを2年間摂取させたところ、動脈硬化を引き起こすホモシステインが減少しました。この結果より、ビタミンB6 の動脈硬化予防効果が示唆されました。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20089204

【3】健常な高齢者(65歳以上)276名を対象として、葉酸を1mg、ビタミンB12を500μg 及びビタミンB6を10mg を含有したサプリメントを2年間摂取させたところ、認知機能には直接の影響はなかったが、血中ホモシステインの濃度に改善が見られました。ビタミンB6 にホモシステインを抑制し、動脈硬化予防効果を持つことが示唆されました。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16807413

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参考文献


・中村丁次監修 最新版からだに効く栄養成分バイブル 主婦と生活社

・上西一弘 栄養素の通になる第2版 女子栄養大学出版部

・則岡孝子監修 栄養成分の事典 新星出版社

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