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作成日 2011年08月25日
更新日 2016年06月29日

ビタミンK

vitamin K フィロキノン(ビタミンK1)、メナキノン(ビタミンK2)

ビタミンKは脂溶性のビタミンで、葉野菜や納豆に多く含まれます。血液の凝固に関わり、出血を止める働きがあることから「止血のビタミン」とも呼ばれています。また、ビタミンKには、カルシウムが骨に沈着する際に必要なたんぱく質を活性化させる働きがあり、骨の健康にも深く関わるビタミンとしても注目されています。

ビタミンKの健康効果
◎血液を凝固させ止血する効果
◎骨の健康を保つ効果

目次

ビタミンKとは

●基本情報
天然に存在するビタミンKは、大きく分けてビタミンK1(フィロキノン)とビタミンンK2(メナキノン)の2種類あり、どちらも体内でほぼ同じ働きをします。ビタミンK1は主に植物の葉緑体でつくられるため、緑黄色野菜の中でもほうれん草などの緑色の濃い葉野菜や、海藻類などに多く含まれます。ビタミンK2は微生物によって作られるため、納豆をはじめとする発酵食品に多く含まれる他、肉類、卵、乳製品などの動物性食品にも含まれています。体内では腸内細菌によって体に必要な量の半分ほどが合成されます。ビタミンK2には11種類の同族体[※1]が存在しますが、中でも食品に含まれるものとして、動物性食品に含まれるものをメナキノン-4、納豆によって生産されるものをメナキノン-7といいます。一般的に指すビタミンKとは、フィロキノン、メナキノン-4、メナキノン-7の総称です。それ以外にもビタミンK3(メナジオン)がありますが、天然には存在しないもので、多量に摂取すると毒性が認められる場合があるため、使用は認められていません。
ビタミンKは体内で血液の凝固と骨の健康に働きかけます。ケガなどで出血した際、時間が経つと自然に血は止まりますが、これは体内に血液を凝固させるのに必要なたんぱく質(血液凝固因子)があるためです。ビタミンKは血液凝固因子が作られるときに必要な物質です。一方で、出血した場所以外では血液は正常に流れていなければなりません。血流を保つためには血液の凝固を抑える物質が必要になりますが、ビタミンKはこの物質の合成にも関わっています。また、ビタミンKは腸から吸収されたカルシウムを骨に取り込むのを助ける働きがあり、骨粗しょう症[※2]の治療薬として認可を受けています。

<豆知識>ビタミンKを効率よく摂取する方法
ビタミンKは脂溶性のビタミンですので、油と一緒に摂ることで吸収量がアップします。また、熱にも比較的安定しているため、油を使った炒め物などで摂りいれるのがおすすめです。

●ビタミンKの歴史
ビタミンKは1929年にデンマークの生物学者、ヘンリク・ダムによって発見されました。ダムは脂質を含まない餌でヒヨコを育てて、コレステロール代謝に関する研究を行っていました。しかし、ヒヨコの皮下や筋肉などの組織で出血があり血液を採取したところ、凝固しにくいものがあることを発見しました。その5年後1934年、この出血性の疾病が脂溶性のビタミンA、D、Eや、壊血病[※3]の治癒因子として知られるビタミンCを餌に加えても改善されないことから、これらのビタミンの他に新たな栄養因子があることを考えました。それがビタミンKです。
他のビタミンはアルファベットの順に名前が付けられていますが、ビタミンKは血液の凝固に必要なものということから、ドイツ語で凝固を表す「Koagulation」の頭文字から名づけられました。

●ビタミンKの欠乏症
ビタミンKが欠乏すると、けがや内出血の際に血液凝固に時間がかかったり、鼻血が出やすくなることがあります。また骨に十分なカルシウムが取り込まれなくなるため、骨がもろくなってしまいます。
ビタミンKは腸内細菌からもつくられるため、基本的は欠乏症の心配はありません。しかし、長期間抗生物質を服用し腸内細菌が減少していたり、肝臓に障害があり胆汁の分泌が悪い人は欠乏しやすくなります。特に新生児は腸内細菌が少ないため、ビタミンKの合成が不十分になり欠乏しやすく、頭蓋内出血や新生児メレナ(消化管出血)などの出血症を起こし生命に関わることもあります。そのため、出産の数日後にはビタミンK2のシロップを飲ませます。また、母乳にはビタミンKが少ないため、母親が十分に摂取することが大切です。

●ビタミンKの過剰症
ビタミンKは脂溶性[※4]ですが、どのくらいの量で過剰症が発症するかという研究報告も十分にないことから、耐容上限量は定められていません。しかし、骨粗しょう症の治療薬として1日に45mgを処方しても問題ないことが証明されています。
血栓症の人や抗血液凝固剤(ワーファリンなど)を服用している場合は、薬効を妨げる恐れがあるため、摂取量を制限されることがあります。

摂取基準は表の通りです。
 

[※1:同族体とは、構造は少しずつ異なってるが1つの一般式で示すことができ、科学的性質か類似している化合物のことです。]
[※2:骨粗しょう症とは、骨からカルシウムが極度に減少することで、骨の内部がスカスカになった症状であり、非常に骨折しやすくなることで知られています。高齢者に多い症状で、日本では約1000万人の患者がいるといわれており、高齢者が寝たきりになる原因のひとつです。]
[※3:壊血病とは、ビタミンCの不足によって体内の各器官に出血性の障害が生じる疾患のことです。]
[※4:脂溶性とは、油に溶けやすい性質のことです。]

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ビタミンKの効果

●血液を凝固させ止血する効果
ケガや内出血を起こした際に、時間が経つと自然に血が止まりますが、これは血液凝固因子であるトロンビンの働きによるものです。出血が起こると、血漿(けっしょう)[※5]の中に含まれているフィブリノーゲンという物質が不溶性のフィブリンという物質に変化し、血液がゼラチン状になることで血液が凝固します。この血液凝固過程において、フィブリノーゲンがフィブリンに変化する際に必要になるのが、トロンビンという酵素です。ビタミンKはこのトロンビンの前駆体である、プロトロンビンを肝臓で生成する際に不可欠な成分です。
逆に、血液は出血している箇所以外は正常に流れていなければなりません。ビタミンKは血液の凝固を防ぐ物質の生成にも関与しており、血液の凝固だけでなく、凝固の抑制にも働きかけています。【1】



●骨の健康を保つ効果
ビタミンKはビタミンDとともに骨の健康を保つ働きがあります。ビタミンDには、カルシウムの合成に必要なたんぱく質を生成し、腸でのカルシウムの吸収を助ける働きがあります。腸から吸収されたカルシウムはほとんどが骨や歯のもととなり、貯蔵カルシウムとして骨に存在します。ビタミンKには骨にカルシウムを取り込む際に必要な、オステカカルシンというたんぱく質を活性化させる働きがあります。また、骨からカルシウムが排出されるのを抑制する働きもあります。【2】【3】

[※5:血漿(けっしょう)とは、血液から赤血球、白血球、血小板の有形成分を除いた液状成分です。血液の約55%を占めます。]

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ビタミンKは食事やサプリメントで摂取できます

ビタミンKを多く含む食品

○納豆
○明日葉
○つるむらさき
○おかひじき
○ほうれん草

こんな方におすすめ

○骨や歯を強くしたい方
○骨粗しょう症を予防したい方
○授乳中の方

ビタミンKの研究情報

【1】ビタミンKは血液凝固のメカニズムのおいて重要な役割を果たします。血液凝固因子の中では第Ⅶ, 第Ⅸ, 第Ⅹ, プロトロンビンはビタミンKがないと合成されないことからも、ビタミンKが血液凝固における重要な役割を果たします。
http://www.e-clinician.net/vol31/no336/pdf/talk_336.pdf

【2】120名に対し、24カ月間ビタミンK2を45mg/日または摂取させた結果、骨密度を維持されたことから、ビタミンKは骨折予防に有効であることが分かりました。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10750566

【3】2010年8月までを対象に3つのデータベースで検索できた無作為化比較試験17報について検討したメタ分析において、ビタミンKの摂取は腰椎の骨密度 (BMD) の損失率の低下と関連が認められたことから、
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21674202

【4】健常高齢者355名 (60~80歳、試験群184名) を対象とした二重盲検無作為化比較試験において、カルシウム600 mg/日とビタミンD 10μg/日と共に、ビタミンK 500μg/日入りマルチビタミンを36ヶ月間摂取させたところ、男性でのみインスリン抵抗性が改善したことから、ビタミンKは糖尿病予防に役立つと考えられています。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18697901

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参考文献

・中村丁次 栄養の基本がわかる図解辞典 成美堂出版

・上西一弘 栄養素の通になる第2版 女子栄養大学出版部

・吉田企世子 松田早苗 あたらしい栄養学 高橋書店

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