本文へ


わかさの秘密トップ > 成分情報 > 中鎖脂肪酸

作成日 2013年08月22日
更新日 2014年04月19日

中鎖脂肪酸

medium chain fatty acid (MCFA)

中鎖脂肪酸は、飽和脂肪酸のひとつであり、乳製品やパーム油などに多く含まれます。体に吸収されてからエネルギーになりやすいという性質があるため、体に脂肪を付きにくくする効果が期待されています。

中鎖脂肪酸の健康効果
◎脂肪の蓄積を抑制する効果
◎糖尿病を予防する効果
◎運動能力を高める効果

目次

中鎖脂肪酸とは?

●基本情報
中鎖脂肪酸とは、脂の修正分である脂肪酸[※1]のうち、炭素同士の二重結合を持たない飽和脂肪酸のひとつです。飽和脂肪酸は、炭素を結ぶ鎖の長さによって、短鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸の3つに分けられます。
一般的な油は、分子の鎖が長い長鎖脂肪酸によって構成されていますが、中鎖脂肪酸は鎖の長さがその約半分の脂肪酸です。
炭素の数は8~12程度であり、代表的な脂肪酸には、ラウリン酸やカプリル酸、カプリン酸があります。飽和脂肪酸は炭素の数が多いほど、融点が高くなるという性質があります。
中鎖脂肪酸は、母乳や牛乳、パーム油、ヤシ油に豊富に含まれています。

●中鎖脂肪酸の働き
中鎖脂肪酸の主な働きは、エネルギーを生成することです。
また、中鎖脂肪酸は脂肪酸の中で最も脂肪になりにくく、体内に余分なエネルギーをため込まないことが研究により明らかになっています。

[※1:脂肪酸とは、炭素、水素、酸素から成る油脂や蝋(ろう)、脂質などの構成成分です。脂肪酸とグリセリンが結び付いて脂質が構成されます。]

中鎖脂肪酸の効果




​●脂肪の蓄積を抑制する効果
​中鎖脂肪酸はエネルギーとして分解されやすいため、体に脂肪を付きにくくする効果があります。
これは、中鎖脂肪酸は消化・吸収のために胆汁酸[※2]を必要とせず、そのまま小腸の細胞に吸収され、門脈[※3]を経由して直接肝臓へと運ばれるという性質によるものです。
一方で、長鎖脂肪酸は、体内に入りリンパ管や静脈を通って、脂肪組織、筋肉、肝臓に運ばれて必要に応じてエネルギーへと分解され、余ったエネルギーは皮下脂肪や内臓脂肪として体内に蓄積されやすいといわれています。しかし、中鎖脂肪酸は肝臓で素早く分解されるため、摂取してから効率よくエネルギーとして利用されやすいのです。
肥満女性を対象にした研究では、摂取カロリーを2200kcal以下に制限し、中鎖脂肪酸を8.9g/日摂取させたところ1~2週間後に体脂肪の蓄積が抑制されたという結果が出ています。
また、肥満気味の方が、通常の油(調合サラダ油)に替えて中鎖脂肪酸を含む油を3ヵ月間摂取し続けた研究では、体脂肪、内臓脂肪面積、体重、ウエストが減少したという結果が出ています。【1】【2】【3】【4】

●糖尿病を予防する効果
中鎖脂肪酸には、糖尿病を予防する働きがあるホルモンを増加させる働きがあります。
糖尿病予防ホルモンと呼ばれるアディポネクチン[※4]は、脂肪細胞から血液中に分泌されるホルモンであり、糖尿病や動脈硬化を予防する効果があるとして注目されています。
高カロリーな食事や運動不足などによって脂肪細胞が増加すると、アディポネクチンの分泌量は減少してしまうため、肥満は糖尿病の原因と深い関係性があります。また、日本人の約半数が、血液中に含まれるアディポネクチンが低いという遺伝を持っているといわれています。
中鎖脂肪酸を摂取することによって、血液中のアディポネクチンの濃度を増加させるという試験結果が明らかになっており、中鎖脂肪酸は糖尿病などの生活習慣病予防に対する効果も期待されています。

●運動能力を高める効果
中鎖脂肪酸には、血液中の乳酸[※5]の濃度を下げる事によって運動による疲労をやわらげ、持久的な運動能力を高める効果が期待されています。
運動愛好者8名を対象に、普段と食事量・食事内容を変えずに、1日6gの中鎖脂肪酸または長鎖脂肪酸(を毎日摂取させ、2週間後に自転車エルゴメーターによる運動試験を行いました。
その結果、中鎖脂肪酸の摂取により、中強度運動における血中乳酸濃度の有意な低下、高強度運動における疲労困ぱいまでの運動持続時間の有意な延長が認められました。
これは、中鎖脂肪酸の働きによって体内での脂肪の利用が高まり、中~強度の運動時のエネルギーとなる糖質[※6]の消費量が減少し、その分、高~強度の運動時に使用できる糖質の量が増えたため、運動時間が持続したと考えられています。

[※2:胆汁酸とは、胆汁に含まれている物質です。消化管内で食物の脂肪や脂溶性ビタミンをより吸収しやすくする働きをします。]
[※3:門脈とは、脾臓(ひぞう)や消化器から流れた血液を集めて肝臓へ運ぶ静脈、関門脈のことです。]
[※4:アディポネクチンとは、インスリン感受性の亢進や動脈硬化の抑制、抗炎症などの働きがある脂肪細胞から分泌されるホルモンの一種です。]
[※5:乳酸とは、筋肉疲労の原因物質のことです。]
[※6:糖質とは、ごはん、パン、麺類、イモ類などです。体を動かすエネルギー源となります。]

中鎖脂肪酸は食事やサプリメントで摂取できます

中鎖脂肪酸を多く含む食品
○牛乳
○パーム油
○ヤシ油

こんな方におすすめ

○肥満を防ぎたい方
○糖尿病を予防したい方
○運動能力を向上したい方

中鎖脂肪酸の研究情報

【1】中鎖脂肪酸は過度の長鎖脂肪酸の分解を促進し、エネルギー産生を促すことが報告されています。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/2739575

【2】BMI値が27から33の男女31名 (19~50歳、試験群16名) を対象とした無作為化比較試験において、16週間、摂取エネルギーを男性1,800 kcal/日、女性1,500 kcal/日に制限し、その12% (男性24 g/日、女性18 g/日) を中鎖脂肪酸から摂取させたところ、開始前と比較して空腹時血糖値、総コレステロール値、拡張期血圧の低下が認められました。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18845704

【3】肥満女性を対象とした試験で、摂取カロリーを2,200 kcal以下に制限して中鎖脂肪酸を8.9 g/日摂取させた結果、1~2週間後に体脂肪蓄積抑制効果が得られました。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11571605

【4】肥満 (BMI27~33) の成人男女 (19~50歳) を対象とした無作為化プラセボ比較試験において、減量指導およびエネルギー制限とともに、中鎖脂肪酸18~24 g/日を16週間摂取させたところ、体重、総脂肪量、体幹脂肪量、腹腔内脂肪組織量の減少が大きいことが分かりました。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18326600

このページのトップへ

参考文献

・中屋豊 よくわかる栄養学の基本としくみ 秀和システム

・中嶋洋子 栄養の教科書 新星出版社

・日経ヘルス 編 サプリメント大事典 日経BP社

もっと見る

このページのトップへ