アントシアニン

anthocyanin

アントシアニンとは、植物が紫外線など有害な光から実(身)を守るために蓄えられる青紫色の天然色素です。
ポリフェノールの一種であり、ブルーベリー、ナス、紫芋などに多く含まれています。
視力・視覚機能の改善や眼精疲労の予防に効果があるとされており、目のサプリメントなどにも利用されています。

アントシアニンとは

●基本情報
アントシアニンとは、簡単に説明すると、ポリフェノールの一種で、青紫色の天然色素です。
ポリフェノールは、紫外線やウイルスなどの外敵から実(身)を守るために植物がつくり出したファイトケミカルです。
アントシアニンは、配糖体である「アントシアニジン」と「糖」で構成されており、抗酸化力[※1]が非常に強いといわれています。

●アントシアニンの働き
アントシアニンには、植物が紫外線などの有害な光によるダメージから自らの体を守るという働きがあります。
人間は太陽からの紫外線を受けると、メラニンという色素によって肌を黒くすることで体内に紫外線が入ることを防ぎ、細胞が傷つかないように守っていますが、植物も同様にアントシアニンという色素によって紫外線などから実(身)を守っているのです。
例えば、ナスの場合、大部分は濃い紫色ですが、太陽の光が当たらないヘタの下は青紫色が少し薄くなっています。
これは、ヘタの部分は光が当たりにくく、アントシアニンの量が少ないため色が薄くなっているというわけです。

●色素としてのアントシアニン
アントシアニン(Anthocyanin)という成分名は、ギリシャ語のanthos=「花」cyanos=「青」が語源で、「花の青色成分」という意味を表しますが、青色だけではなく、赤色、紫色など幅広い色調を持っています。
自然界には様々な種類のアントシアニンが存在しており、現在までに発見された種類は500以上にものぼるといわれています。
アントシアニンは様々な条件(pH、温度、濃度、金属イオン、酵素など)によって、色調・構造に微妙な変化が現れます。その美しい色調から、古代より食品の着色に用いられてきました。
例えば、梅干しの鮮やかな赤色は、赤シソの葉のアントシアニンの色素を利用したものです。
また、アントシアニンは合成着色料に比べ安全であるため食品分野でも需要が高く、様々な加工食品の着色にも利用されています。さらに、食品の着色としての利用だけではなく、近年ではその抗酸化力に注目が集まり、視機能の向上、肝機能の改善、メタボリックシンドロームや血糖値上昇の抑制など、アントシアニンがもたらす様々な生理機能や効果が明らかになり、広く利用されるようになってきています。

​●健康成分としてのアントシアニン
「ブルーベリーは目に良い」ということばを一度は耳にしたことがあるのではないのでしょうか。
実は、これにはアントシアニンの持つ生理機能についての研究が進められるきっかけとなった実際のエピソードがあります。
​それは「第二次世界大戦中にイギリス軍のパイロットがブルーベリーのジャムを食べたところ、暗い所での視力が改善し、はっきりと物が見えた」というものです。これは、ブルーベリーに含まれる青紫色のアントシアニンによる効果であると考えられています。

中でも特にアントシアニンが豊富に含まれているのが、北欧産野生種のブルーベリーである「ビルベリー」という品種です。
​​アントシアニンは植物が紫外線から実(身)を守るためにつくり出される成分です。
そのため、​太陽に当たる時間が長いほど、植物はより多くのアントシアニンを実の中に蓄えます。
​​​​​さらに、ビルベリーのアントシアニンの量は一般栽培種のブルーベリーに比べ約5倍もあるといわれています。
その理由は、ビルベリーの原産地である北欧ならではの自然現象にあります。
北欧では、夏に「白夜」という太陽が一日中沈まない現象が起こります。
​これは地球の地軸が傾いており、軌道上のある特定の位置にくると、いくら自転しても太陽の光が当たり続けるために起こります。
この白夜の影響で太陽の光を1日中浴び続けたビルベリーは、紫外線から実(身)を守るため、アントシアニンを豊富に含みます。そのため、北欧のビルベリーの実を切ってみると、中まで色が濃く、ぎっしりと青紫色のアントシアニンが詰まっています。

また、アントシアニンは紫外線からのダメージを防ぐルテインや、潤いを与えるヒアルロン酸など、 他の成分と組み合わせて摂取することによって更なる力を発揮します。
目の健康状態が気になる方は、サプリメントでもアントシアニンと他の成分とを組み合わせて​​摂取するのがおすすめです。

[※1:抗酸化力とは、たんぱく質や脂質、DNAなどが酸素によって酸化されるのを防ぐ力のことです。]

●ビルーベリーアントシアニンとカシスアントシアニンの違い
ビルベリーアントシアニン
アントシアニンの視覚機能に関する研究において、北欧産野生種のブルーベリーで「ビルベリー」は欠かせない存在です。ベリー類の中でも、含まれているアントシアニンの種類と量が豊富だといわれており、その種類は15種類にものぼります。
​ビルベリーのアントシアニンは、1960年代にイタリアやフランスで研究が始まって以来、多くの試験が行われてきました。その中でも、暗順応(明るいところから暗いところに入ったときに、時間が経過するとともに目が慣れて見えてくること)に及ぼす作用の研究が最も盛んに行われています。
​この研究結果が、アントシアニンの夜間での視力改善効果に対する科学的な根拠となっています。
​また、その他にも眼精疲労眼圧目の血流が改善されたという報告もみられます。

カシスアントシアニン
カシスとは、主にジュースやジャム、リキュールなどに広く使われているベリーの一種です。
ビルベリーと並んで、目の健康に役立つアントシアニンが含まれる果実として注目されています。
ビルベリーアントシアニンの働きにもある暗順応の改善効果や、眼精疲労の改善効果に加え、一時的な近視を防ぐ効果があることもカシスアントシアニンの大きな特徴的です。
​一時的な近視は、パソコンやテレビ、スマホなどの画面や近くのものを長時間集中して見続けることによって起こります。​​この目の焦点が画面に集中してしまうことが「疲れ目」の原因となってしまうのです。​​​この現象は、レンズの役割を持つ水晶体の厚みを調節する毛様体筋が一時的に痙攣(けいれん)することによって、緊張状態が続いているということを表します。
​そして、一時的なものであっても、この状態が長期間続くと継続的な近視になりやすいといわれています。​​​カシスアントシアニンは、この毛様体筋の緊張を和らげる作用があるため、一時的な近視を防ぐ効果があるといわれています。
​この働きや効果は、ビルベリーやその他の食品・植物にはない、カシス特有のアントシアニンによるものとされています。​​​​​​​​【24】【26】【27】【28】

アントシアニンの効果

●視覚機能を改善する効果
「視覚」とは、対象物を光の情報として捉えて信号化し、その信号を脳に伝えて像として判断・認識することです。視覚の仕組みを、カメラで写真を撮る流れに例えてみると、目に入ってくる光の量を調節する虹彩はカメラの絞りにあたります。
水晶体の厚さを調節し網膜にはっきりとした像を結ぶ「毛様体筋」はカメラのレンズのピント調節のような機能、光の像を信号に変える「網膜」はフィルムのような役割をもつと考えられています。
この信号が脳に伝わり、像として認識される一連の流れは、カメラで撮影したものを画像化する、すなわちフィルムで現像することにあたります。つまり、目の機能がカメラで、脳の機能はフィルムの現像と置き換えることができます。
この信号を脳に伝えるのが、目の網膜にある「ロドプシン」と呼ばれるたんぱく質です。
そして、脳は、このロドプシンが光の情報を受け取ったものを信号として受け取っています。
​これにより、私たちは「ものが見える」という感覚、すなわち「視覚」を得ることができるのです。
​また、このロドプシンは光を受けることによって分解されます。
​そして、新たな光の情報を得るために再合成され、もとの状態に戻るといった一連の流れが繰り返し行われています。

しかし、長時間目を使い続ける(酷使する)ことによって、ロドプシンの再合成が遅れてしまうことがあります。​再合成が遅れると、目がショボつく・ぼやけるなどの疲れ目の原因にもつながります。
​アントシアニンは、このロドプシンの再合成を促進し、視覚機能を改善する効果があることが明らかになっています。

●眼病予防効果
・白内障の予防効果
白内障とは、目の水晶体が白く濁ってしまうことによって見えにくくなり、視力が低下してしまう病気です。
アントシアニンには、この白内障を予防する効果があるという研究結果が明らかになっています。
水晶体はたんぱく質でできており、体の老化などによってこのたんぱく質が変性してしまうと、白く濁り視力に影響を与えます。
​例えば目玉焼きは、フライパンの上に卵を割って熱すると、徐々に白身の部分が白く、固くなっていきます。これは、卵の白身のたんぱく質が、熱の力によって変性した結果です。
このことから、たんぱく質は変性すると白く濁る、ということが分かります。
白内障も、進行すると外から見ても瞳孔の中が白く見えます。
これが、白内障という名前の由来です。

白内障の症状として、ものがぼやけて見える・かすんで見えるなどの症状が挙げられます。
​これは、水晶体はカメラのレンズのような役割を果たしているため、​レンズが曇ると写真の画像がぼやけてしまうように、水晶体が濁ると見えにくくなってしまう、ということです。

アントシアニンが白内障を予防するといわれる要因は、アントシアニンの抗酸化力にあります。
​水晶体は、光の通り道であるために紫外線による酸化のダメージを受けやすい部分でもあります。
​酸化することによって水晶体の濁りを引き起こすともいわれています。
​アントシアニンの抗酸化力が水晶体を紫外線ダメージから守ることによって、白内障の予防に繋がります。
​マウスにアントシアニンが含まれたエサを与えたところ、白内障の進行がゆるやかになったという実験結果も発表されており、アントシアニンの白内障に対する働きや効果が明らかになっています。
 >>白内障とアントシアニンの研究結果はこちらから

白内障は、50歳代から発症し始め、80歳代になるとほぼすべての人が発症してしまうといわれています。これは老化による白内障で、「加齢性白内障」と呼ばれます。
このような現状から「白内障=年配の人の病気」というイメージが強いですが、近年では若い年齢層であっても白内障を発症する人が増加しています。
そのため、年齢を問わず若いうちから白内障を予防するための対策をとることが大切です。

・緑内障の予防効果
緑内障とは、何らかの原因によって視神経が傷付き、視野や視力が損なわれてしまう病気です。
眼圧が高くなってしまうことで視神経が圧迫されてしまう他、眼圧が正常であっても緑内障を発症することもあります。​これは、視神経が酸化ストレスによって傷付き、弱ってしまうためです。
酸化ストレスは、喫煙や栄養不足をはじめとする生活習慣や、紫外線によるダメージが原因で発生しますが、アントシアニンの持つ抗酸化力は、この酸化ストレスと戦うことで緑内障が予防できるといわれています。​【24】【26】【27】【28】
>>緑内障とアントシアニンの研究結果はこちらから

●メタボリックシンドロームを予防する効果
​アントシアニンには、内臓脂肪の蓄積を抑え、メタボリックシンドロームを予防する効果があります。​メタボリックシンドロームは、「内臓脂肪症候群」ともいわれています。​​
​食べすぎや運動不足といった生活習慣などによって、内臓に脂肪が溜まりやすくなり、高血糖・高血圧・糖尿病・動脈硬化など、様々な生活習慣病の要因となります。
​40~74歳では、男性は2人に1人、女性は5人に1人がメタボリックシンドロームである、または予備軍であるとされています。​アントシアニンには、このメタボリックシンドロームへの予防効果があるという研究結果が発表されています。
​マウスにアントシアニンを混ぜた高脂肪のエサを与えたところ、脂肪の合成が低下する・内蔵脂肪・血液中の脂肪の蓄積が抑えられる・血糖値の上昇が抑えられるという結果が得られました。
​さらに、血圧の上昇を抑える効果、動脈硬化を抑える効果も報告されています。
​​これらの研究結果から、アントシアニンはメタボリックシンドロームをはじめ、生活習慣病の要因に働きかける効果的な成分としても注目されています。
​ >>メタボリックシンドロームとアントシアニンの研究結果はこちらから

また、生活習慣病は目にも大きな影響を及ぼします。その例が「糖尿病性網膜症」です。
糖尿病になると、尿だけではなく血液中の糖も増加し、血糖値が上昇します。
​その結果、目の網膜を走る毛細血管と呼ばれる細い血管がもろく、詰まりやすくなります。
​めぐりが悪くなり、栄養が行き届きにくくなりますが、それでも網膜は栄養を必要とします。
​その要求に応えようと新しい血管が増やされるのですが、この新しい血管自体も、もろく出血しやすいものとなってしまいます。​その結果、出血が繰り返され、全体が見えづらくなり、ひどい時には失明してしまうこともあります。
​あまりなじみのない病名かもしれませんが、糖尿病網膜症は2003年度の調査で成人の失明原因の1位になったこともあります。
このように、生活習慣病と目はとても深い関係にあるのです。【3】【4】【12】【13】

●花粉症を予防する効果
アントシアニンの花粉症に対する働きや効果も明らかになっています。
花粉症の症状の代表例として、くしゃみや鼻水、目のかゆみなどが挙げられます。
体内に入ってきた花粉を有害なものとみなして、体の外へと退治しようとします。
​このときに「ヒスタミン」という物質が放出され、体のSOSに応えようとします。
​このヒスタミンが花粉を洗い流そうとして、くしゃみ・鼻水・目のかゆみなどの花粉症の症状が起こる仕組みになっています。
アントシアニンには、このヒスタミンを減少させる働きがあります。
​花粉症にかかりやすいマウスに、普通のエサとアントシアニンが含まれるエサをそれぞれ与えたところ、前者に比べて後者のマウスは、ヒスタミンの量が60%も減少しているという結果が得られました。
​このことから、花粉症を予防する効果が期待されています。【1】【4】
>>花粉症とアントシアニンの研究結果はこちらから

食事やサプリメントで摂取できます

アントシアニンを含む食品

主に、色の濃い青紫・黒・赤色の食材に含まれています。
ビルベリー
ブルーベリー
カシス
黒豆
ナス
ブドウ
紫芋
○紫キャベツ
○紫たまねぎ
シソ

アントシアニンは長時間の加熱や長期間の保存に弱いため、効果を保つためにはサプリメントなどで摂取することが重要です。
また、アントシアニンは体内に吸収されると24時間以内に尿と共に体の外へと排出されるので、毎日続けて摂ることも重要です。

こんな方におすすめ

○目の健康を維持したい方
○目の疲れが気になる方
○視力を維持したい方
○夜間に車の運転をよくされる方
○パソコン・テレビ・スマホなどを長時間使う方
○白内障などの目の病気を予防したい方
○生活習慣病を予防したい方

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アントシアニンの研究情報

【1】アントシアニン豊富なカシスエキスおよびシアニジン-3-O-グルコシドの細胞保護作用および抗炎症性作用を調べるため、ヒト細胞(上皮細胞、線維芽細胞)に対するニコチン誘発性障害、LPS誘発性炎症に対して調べた結果、炎症性物質であるIL-6を抑えたことがわかり、抗炎症作用を持つことが示唆されました。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22738124

【2】野生ブルーベリー(Vaccinium angustifolium) を飲用したヒトでは、心血管リスク因子のマーカー(酸化ストレス、炎症、内皮機能)が低下するはたらきが報告されています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22733001

【3】脂肪細胞に対するシアニジン-3-O-βグルコシド(C3G)は、ヒトの細胞(3T3-L1)の高グルコース誘発性脂肪分解作用を検討しました。C3Gは濃度依存的かつ経時的に脂質細胞からのグリセリン放出を抑制しました。この抑制メカニズムは、AMP活性化型プロテインキナーゼの減少と転写因子FoxO1によるO-グリコシル化の減弱、脂肪のトリグリセリドリパーゼ(ATGL)の発現の減少であることがわかり、アントシアニンに糖尿病予防効果が示唆されました。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22721980

【4】チェリーのようなフラボノイド豊富である果実は、インターロイキン-6(IL-6)分泌にはたらきかけ、抗炎症作用を示します。チェリーのアントシアニン(シアニジン-3-グルコシド:C3G)はLPS誘発性幹細胞のIL-6の分泌を減少させたことから、チェリーに抗炎症作用があることが示唆されました。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22703874

【5】アロニア果物はポリフェノール、主にプロシアニジン、アントシアニンおよびその他多量のフラボノイドやフェノール酸を含みます。この研究では、私たちはESRを用いてアロニア果汁(AMFJ)のラジカル捕捉活性を調べた結果、AMFJは高いラジカル補足作用を示し、抗酸化力を持つことが示唆されました。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3371441

【6】ラット精索静脈瘤誘発マウスを対象に、黒豆から抽出されたアントシアニンへの作用について調べました。TUNEL染色、(8-OHdG)レベルの測定によりアントシアニン飲用群では、結果的に大幅に精巣の重量の増加、精子の運動性および精子形成細胞密度(P< 0.05)の上昇が認められました。また、アポトーシスによる精子死滅および酸化ストレス8-OHdG濃度を有意に減少させたことから、黒豆に生殖機能改善効果が示唆されました。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22697115

【7】細胞内の活性酸素の増加により血管内皮機能障害、アテローム性動脈硬化が生じます。フラボノイドは抗酸化作用を持ち、動脈硬化予防に役立つと考えられています。2種類のアントシアニン、2種類のフラボン、2種類のイソフラボンの抗酸化作用により、活性酸素から細胞を守るはたらきとともに、活性酸素により活性化するp38MAPKを抑制することで、アントシアニンは細胞保護作用を示すことが示唆されました。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22684634

【8】3160名の女性を対象に、アントシアニンの摂取による骨密度を測定しました。アントシアニンを摂取した量と脊椎のBMD(骨密度)は正の相関関係があったことから、アントシアニンが骨の健康にも役立つと考えられています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22549983

【9】アポE欠損(apoE(-/-))マウスにおける高コレステロール血症誘発性内皮障害についてアントシアニンシアニジン-3-O-βグルコシド(C3G)の保護作用を検討しました。8週令雄apoE(-/-)マウスが(高コレステロール食(HCD))を供給され、またはHCDは8週間C3G(2 g/kg)を補充しました。その結果、アントシアニンC3G投与群において大動脈中のコレステロール、オキシステロールおよびスーパーオキシド産生を減少し、eNOS活性やNO生体利用を調整することにより、高コレステロール血症誘発性内皮障害を防止することがわかりました。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22535762

【10】低温度の環境は、多くの果樹にアントシアニン生合成に関与する遺伝子の発現および調節によるアントシアニン蓄積および果実の彩りを促進します。本研究では、低温状態におけるアントシアニン合成に関する遺伝子発現の詳しいメカニズムを解明しました。アントシアニン合成酵素遺伝子群にかかわるたんぱく質は低温にさらされるとリン酸化が行われ、より遺伝子群との結合がより強固になりました。このことから、MdbHLH3がリンゴでアントシアニン蓄積LT-誘発されたおよび果実の彩りを調節することがわかりました。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22519753

【11】アントシアニンと非アントシアニンポリフェノールの負のイオン化モードにおけるアントシアニンの質量分配分析を行いました。負のイオン化モードにおけるアントシアニンの質量分配分析は他の非アントシアニンポリフェノールとアントシアニンを区別することができました。単一のLC実行時に発生するデータは、植物および食品でアントシアニンの迅速鑑別および確実な識別および同定および非アントシアニンを可能にしました。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22467463

【12】糖尿病マウスを対象にブドウポリフェノールを摂取させると、血糖値を下げることがわかりました。このことから、ブドウポリフェノールに抗糖尿病効果を持つことが示唆されました。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22462390

【13】ビスタチオは、たんぱく質、カリウム、マグネシウム、ビタミンK、γ-トコフェロール、など多くのファイトケミカルを有する。ピスタチオの独自の色はルテイン・アントシアニン含有のものです。ピスタチオは血管治療や中性脂肪減少などに役立っています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22458696

【14】モロッコから厳選された赤ワインのポリフェノール成分と抗酸化特性について評価しました。一般的に従来のワインと比較するとアントシアニン、フラボノール含有量は高かったです。抗酸化活性とポリフェノール内容値の間ではより高い容量の削減ラジカル捕捉特性および良好な相関を示しました。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22455988

【15】ベリー抽出物(イチゴ、野生ブルーベリー、クランベリー)に含有されるアントシアニンは用量依存的にPI3K/Akt経路を活性化させ、血管新生および遊走を促進させました。これによりベリー抽出物には血管の健康を促進させる効果があると考えられました。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22448669

【16】市場におけるクランベリー(V,macrocarpon)製品のアントシアニン、プロアントシアニン量についてUPLC-DAD-ESI-TQ MS分析を行いました。その結果、市場に存在する製品が広くフェノール性内容が異なり、A型連鎖プロアントシアニジン(PAC)でまたはアントシアニンで、フラバン-3-olsを欠いている製品があることがわかりました。推奨量の36mを含んでいる製品は19件中4件のみでした。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22439747

【17】バッチ培養発酵システムを使用し、アントシアニン(マルビジン-3-グルコシド)の腸内細菌に及ぼす影響を調べた結果、アントシアニン混合物の腸内細菌への投与がガリック酸、p-クマル酸の生成を促進することがわかりました。アントシアニンとその代謝物が腸内細菌(Bifidobacterium spp. や Lactobacillus-Enterococcus spp)の増殖に役立つことが示唆されました。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22439618

【18】ミロバランスモモ(サクラ属cerasifera Ehrh)の皮の中の総フェノール酸含量、総抗酸化活性およびアントシアニン含有量について調べました。野生のミロバランスモモのアントシアニン組成、フェノール含量および抗酸化活性を示しました。(抗酸化力は11.20~44.83μmol Trolox/g FW)。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22432436

【19】黒、赤、グリーン、白、茶色および黄色の表現型を示しているササゲ(ササゲ)の中のアントシアニンおよびフラボノールに関して高速液体クロマトグラフィータンデム四重極質量分析を使用し、分析を行いました。その結果、赤色がもっとも高いフラボノールを含んでいること、黒い(1676-2094 μg/g)および青(875 μg/g)表現型にしかアントシアニン(主にデルフィニジンおよびシアニジン3-Oグルコシド)を含んでいないことがわかりました。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22429113

【20】著明な特徴を備えた非ブドウワインを見つけるため、中国で栽培されるいくつかの北米のおよびヨーロッパブドウ品種にみられるワインフェノールの特性を解析した。その結果、北米のアメリカブドウワイン(赤ワイン:「Cynthiana」はフェノール類、アントシアニン、フラボノールおよびフェノール酸)で最も濃度が高く、抗酸化能が最も高かったです。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22418931

【21】3種類の紫ポテトと黄色のエンドウから調理による抗酸化能を検討しました。DPPH法で検討した結果、これらの抽出製の総抗酸化能(TAC)は 3769~4116μgTrolox/ g当量でした。抽出物中の総アントシアニン含有量(TA)は、マルビジン-3-グルコシデスとして0.116~0.228 mgでした。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22417485

【22】モロッコ産の赤ワインからのポリフェノール画分における抗酸化力をDPPH法で調べ、さらに鉄還元抗酸化力を調べました。その結果、ポリフェノール濃度依存的に抗酸化活性を示しました。また、抗菌作用についてもポリフェノール濃度依存的だということがわかりました。本研究は、モロッコの赤ワインの組成物および生物学的特性に関して消費者および生産者についての有用なデータを示しました。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22416697

【23】デルフィニジン3グリコシド(Dp3g)のアテローム動脈硬化症の原因でもある血小板凝集抑制の作用について調べました。Dp-3-gがいずれも多血小板血漿においてヒトの血小板凝集およびマウスの血小板凝集を阻害することがわかりました。その阻害メカニズムは、活性インテグリンα IIb β 3の発現を抑制、血小板へのフィブリノーゲン結合を弱めたこと、AMPプロテインキナーゼのリン酸化を抑制した(血小板活性化の抑制効果に貢献する)ことがわかりました。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22624015

【24】リポ多糖注入による網膜の炎症(ぶどう膜炎)モデルマウスにビルベリーエキスを投与し、比較しました。その結果、ビルベリーエキスは、STAT3やIL-6やNF-κBなどを抑制することにより、ぶどう膜炎などの網膜の炎症による視機能低下を予防し、目の健康に役立つことがわかりました。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21894150

【25】ビルベリーエキスがマウスにおけるエタノール誘発性胃潰瘍に及ぼす作用およびビルベリーエキスの抗酸化効果について調べました。ビルベリーエキス(10, 30および100mg/kg)の経口投与は塩酸-エタノール誘発性胃潰瘍から胃粘膜を保護し、さらに、ビルベリーエキスは濃度依存的に活性酸素を除去することがわかりました。これらの所見から、塩酸-エタノール誘発胃潰瘍に対するアントシアニンの抗酸化作用によるものである可能性があることがわかりました。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21290441

【26】ビルベリーエキスが以前の研究によって血管新生を抑制することが分かっています。ビルベリーエキスの中に含まれているアントシアニンは抗酸化作用を持つことがわかりました。この結果により、ビルベリーエキスの血管新生抑制作用は、アントシアニンによる抗酸化力によるものと考えられました。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19496063

【27】網膜神経節細胞にビルベリーエキスを投与すると、活性酸素によるダメージが減少され、また細胞内に発生する活性酸素が抑制されました。またマウスにおいても、ビルベリーエキスを摂取させると、神経節細胞障害を減少が確認され、ビルベリーに視機能維持効果を持つことが確認されました。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19415663

【28】ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)にビルベリーエキス(0.3-30μg/ml)を摂取させると、血管新生が濃度依存的に抑制され、ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)の増殖、遊走が抑制されました。増殖シグナルであるERK1/2および遊走シグナルAktのリン酸化を抑制したことによります。さらに網膜血管新生が抑制されたことから、ビルベリーエキスには視機能維持効果を持つことが確認されました。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18955266

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参考文献

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